耳孔に収まる部分を短くした「ショートレッグシェル」を採用
<ヘッドホン祭>FitEar、同社初ハイブリッド型カスタムIEM「Air」。フォステクス製ドライバーを採用
須山歯研は、FitEarブランドの新カスタムIEM「FitEar Air」を発表。本日から発売開始した。フォスター電機製φ9mmダイナミックドライバーと、BAドライバーで構成される、同ブランド初のハイブリッド型。価格はオープンだが、フジヤエービックのサイトでは135,000円(税込 ※耳型採取代は別料金)で販売されている。シェルのフェイスプレートにも初めてカラバリを追加。オレンジ/レッド/ブルー/イエロー/ホワイト/ブラックの全6色を用意する。
ほぼ全ての帯域はダイナミックドライバー1基でカバーし、BAドライバーをスーパートゥイーター的に使うことで高域を補うという考え方で開発したとのこと。
密閉された耳孔内には、鳴らせる空気は数ccほどしかないため、空気バネが生まれてドライバーがうまく駆動できなくなるという問題が発生する。そのため通常はベント(空気孔)を設けて空気の流れをコントロールする方式をとっているところが多いが、外部の音が侵入してきたり、逆に外に音漏れしたり、低域が抜けてスカスカになってしまうなどの問題があった。
そこで「Air」では、耳孔に収まる部分を短くした「ショートレッグシェル」を採用。これにより耳孔内で鳴らせる空気の容積を増やすことで、空気圧変化を最小限に抑え、駆動の問題をクリアするとともに高い遮音性も獲得したとのことだ。また、個人の耳孔のかたちによってはシェルの先端が非常に細くなってしまい、適正な長さ/径の音導孔を開けられない場合があったが、ショートレッグにすることで断面積が広くなり、この問題もクリアできたという。
同社の須山慶太社長は「BAドライバーはトルクはあるけど再生できるレンジが狭い。ダイナミックドライバーは1基でいいが、駆動の問題がある。それならばハイブリッドで使って、両方のいいところどりをすればいいのではないかと考えた」とコメント。この理想を実現するドライバーをいろいろ探し求めて出会ったのが、今回採用されたフォスター電機製のものだったのだという。須山社長は「フォスターさんのような大企業のドライバーを使わせてもらうのは難しくて、5年くらいやりとりしてようやく実現した」と笑う。
フォステクスの山口創司氏は「フォステクスのダイナミックドライバーは、品質のバラツキがないよう世界屈指の厳しさで製造している会社。今回の9mmドライバーはモジュール構造になっていて、製造工程を管理することで音質を作り上げている。特徴は、通常のダイナミックドライバーよりもBA寄りの使い方ができるところ。我々もそういう使い方をしたことがなかったので、須山さんとの取り組みでそういった強みが分かって、よかったと思う」と語る。
さらに、フォスター電機 フォステクス カンパニー プレジデントの高橋洋一氏も登壇。「私は普段、新製品を作る際の音決めは、おそらく5秒くらいしか聴くことはない。ただ今回のカスタムIEMは、試作品をもらってから会社を出て家に着くまで、ずっと聴きっぱなしだった。着けていることを忘れるくらい、素晴らしい音になっている。なので山口くんに『これは是非やろう』と伝えた」と秘話を語っていた。
「FitEar Air」を発表に先駆けて2週間ほど使ったというオーディオライターの佐々木喜洋氏は、その音質について「ダイナミックドライバーの音が支配的。迫力ある骨太の音で、AK JrなどのDAPと組み合わせると力強い音が楽しめるのでは。また楽器の音や高域は鮮明で、BAの良さも活きている。カスタムIEMはBAマルチ構成を選ばざるを得ないところがあったが、FitEar Airのおかげで幅が広がった」とコメントしていた。
シェルは3Dプリンターで成形。ヘリックス(耳の外側のふち)あたり等をわずかに厚めに成形することで、遮音性をより高めているという。
ほぼ全ての帯域はダイナミックドライバー1基でカバーし、BAドライバーをスーパートゥイーター的に使うことで高域を補うという考え方で開発したとのこと。
密閉された耳孔内には、鳴らせる空気は数ccほどしかないため、空気バネが生まれてドライバーがうまく駆動できなくなるという問題が発生する。そのため通常はベント(空気孔)を設けて空気の流れをコントロールする方式をとっているところが多いが、外部の音が侵入してきたり、逆に外に音漏れしたり、低域が抜けてスカスカになってしまうなどの問題があった。
そこで「Air」では、耳孔に収まる部分を短くした「ショートレッグシェル」を採用。これにより耳孔内で鳴らせる空気の容積を増やすことで、空気圧変化を最小限に抑え、駆動の問題をクリアするとともに高い遮音性も獲得したとのことだ。また、個人の耳孔のかたちによってはシェルの先端が非常に細くなってしまい、適正な長さ/径の音導孔を開けられない場合があったが、ショートレッグにすることで断面積が広くなり、この問題もクリアできたという。
同社の須山慶太社長は「BAドライバーはトルクはあるけど再生できるレンジが狭い。ダイナミックドライバーは1基でいいが、駆動の問題がある。それならばハイブリッドで使って、両方のいいところどりをすればいいのではないかと考えた」とコメント。この理想を実現するドライバーをいろいろ探し求めて出会ったのが、今回採用されたフォスター電機製のものだったのだという。須山社長は「フォスターさんのような大企業のドライバーを使わせてもらうのは難しくて、5年くらいやりとりしてようやく実現した」と笑う。
フォステクスの山口創司氏は「フォステクスのダイナミックドライバーは、品質のバラツキがないよう世界屈指の厳しさで製造している会社。今回の9mmドライバーはモジュール構造になっていて、製造工程を管理することで音質を作り上げている。特徴は、通常のダイナミックドライバーよりもBA寄りの使い方ができるところ。我々もそういう使い方をしたことがなかったので、須山さんとの取り組みでそういった強みが分かって、よかったと思う」と語る。
さらに、フォスター電機 フォステクス カンパニー プレジデントの高橋洋一氏も登壇。「私は普段、新製品を作る際の音決めは、おそらく5秒くらいしか聴くことはない。ただ今回のカスタムIEMは、試作品をもらってから会社を出て家に着くまで、ずっと聴きっぱなしだった。着けていることを忘れるくらい、素晴らしい音になっている。なので山口くんに『これは是非やろう』と伝えた」と秘話を語っていた。
「FitEar Air」を発表に先駆けて2週間ほど使ったというオーディオライターの佐々木喜洋氏は、その音質について「ダイナミックドライバーの音が支配的。迫力ある骨太の音で、AK JrなどのDAPと組み合わせると力強い音が楽しめるのでは。また楽器の音や高域は鮮明で、BAの良さも活きている。カスタムIEMはBAマルチ構成を選ばざるを得ないところがあったが、FitEar Airのおかげで幅が広がった」とコメントしていた。
シェルは3Dプリンターで成形。ヘリックス(耳の外側のふち)あたり等をわずかに厚めに成形することで、遮音性をより高めているという。