記者発表会で“高音質放送”比較デモなど披露
ハイレゾ相当での放送も予定する新サービス「i-dio」、3月1日にプレ開始。放送の詳細が明らかに
「クリエイターズ・チャンネル」は「クリエイターとともに創りだすオリジナル映像チャンネル」という位置づけで、ショートムービーアニメを中心に、新たな映像表現を発掘していくという。
蛙男商会による「秘密結社 鷹の爪 Do」、ライフファッション動画マガジン「MINE TV」からトピックを厳選した「MINE TV presents キレイをつくるビューティーチャンネル」、現役の声優・アイドル・ゲーム実況者が日本のレトロゲームに挑戦する「NC2Lab presents ひよこGAMES」といった番組を用意している。
なお、上記6チャンネルに加え、テレビ放送のように地域ごとのローカルチャンネルも存在。近畿広域圏では「KANSAIチャンネル」、九州・沖縄広域圏では「Qリーグチャンネル」も放送を行う。
■テレビやラジオ、ネット配信にはないi-dioならではのメリットとは?
i-dioでは、音声や映像だけでなく電子チラシや電子クーポンなどのデータも放送波に乗せて配信することが可能。放送の間にTTS(Text To Speech/いわゆるボーカロイドのような自動音声読み上げ)が割り込んだり、受信デバイス内のデータ更新を放送波で行うなどといったことができる。
例えばAmanekチャンネルではこの機能を利用し、GPSでのクルマの位置情報に合わせた気象情報や観光情報をTTSで放送。自分が走っているエリアでゲリラ豪雨やホワイトアウトが起こりそうかどうかを判断できる“15分先の天気予報”などを、音楽の合間にTTSで読み上げられるなどといった番組を用意するという。
そして、通信ではなく放送であるため一度に大量の利用が集中してもデータ伝送が混雑しない点もメリット。また、番組視聴がデータ通信が発生しないため、いわゆる7GB制限のような影響も考えなくて済む。災害発生時や大規模イベント開催時などでもアクセス集中による回線の混雑が発生しないため、必要な人に必要な情報を確実に届けられるとしている。
このメリットを活かし、防災情報配信システム「V-Alert」も展開。自治体が地域住民に向けて避難情報を指定のエリアだけに配信できる、防災行政無線を補う新たな防災・減災プラットフォームだとしている。
受信アプリのアップデートによって機能をアップグレードできるため、テレビが白黒からカラーやフルHDから4Kへと機能向上したときのような、受信機自体の買い替えが必要ない点もメリットだと説明。
なお、ドライバー向けの「Amanekアプリ」やTS ONE専用の「TS PLAY」など、チャンネルごとの機能に特化したオリジナルアプリも用意。例えば「TS PLAY」では、お得なクーポンを入手できたり、番組を聴くとポイントが貯まるなどといった機能が用意される。
そのほか、i-dioの構造として、放送設備を用意するハード事業者と、コンテンツを用意するソフト事業者が分離した制度整備がなされていることも特徴。上記ハード事業者を(株)VIPが担当し、その放送設備を借り受けて、東京マルチメディア放送など全国7ブロックの各地域ごとに6社存在するソフト事業者が、テレビ局やラジオ局のような基幹放送業務を行う。
そして、そのソフト事業者には様々な企業・団体が“コンテンツ・プロバイダー”としてコンテンツを提供。ハード事業者が作りソフト事業者が運営する商業ビルに、コンテンツプロバイダーが店子として入居するようなイメージだ。
■ハイレゾ収録に加えてレーザーターンテーブルでレコードを読み取っての放送も
TS ONEチャンネルでは「人の手によるレコメンデーションを大切にしていきたい」(砂井氏)とのことで、ユーザーが検索するだけでは見つからない新たな音楽との出会いの創出を目指すと説明。
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