記者発表会で“高音質放送”比較デモなど披露
ハイレゾ相当での放送も予定する新サービス「i-dio」、3月1日にプレ開始。放送の詳細が明らかに
著名ラジオDJの小林克也さん、ミュージシャンの小沼ようすけさん、岡村靖幸さん、小出祐介さん(Base Ball Bear)、ヴァイオリニストの宮本笑里さんやチェリストの溝口肇さんがDJを担当する「PREMIUM ONE」といった番組などを放送。「スマホでの視聴を意識した、これまでにない新しいDJスタイル、これまでにないような音楽のかけ方にトライしてもらっている」という。
同番組ではまた、エルプ社のレーザーターンテーブルでアナログレコードを読み取ることでCDではカットされている22kHz以上の周波数も再現する“高音質プログラム”「VINYL RECORDS」も放送予定。
加えて、国内外の自然を96kHz/24bitで収録した番組「SOUND SCAPE」も用意。スタート当初は48kHz/16bitでの放送だが、i-dioが96kHz/24bit放送に対応後は本番組も96kHz/24bitでそのまま放送する予定だという。
また、音声放送の内容を補完するデータ放送も提供。番組で取り上げた情報を編集・アーカイブするウェブマガジンや、リスナー同士でコミュニケーション可能なトークルーム、オンエアした楽曲をAmazonなど外部サイトで購入できる導線なども用意し、インタラクティブな展開をワンデバイスで行えるようにする。
■Amanekチャンネルは選曲もドライバー向けに特化
Amanekチャンネルは、ナビゲーター(ラジオDJ)による一般的なスタイルの番組を関東や近畿といったブロックごとに放送することに加え、前述のようなTTSを用いた、より細かい市町村などのエリア向け放送とを組み合わせて展開。
気象情報や交通情報をリアルタイムで表示するモニターをスタジオに用意し、そこでの情報をナビゲーターが逐次織り交ぜながら番組を進行することで、「今のテレマティクスサービスよりも体温を加えられるのではないかと思っている」(アマネク・テレマティクスデザイン CMO 庄司明弘氏)とした。
また、庄司氏は「車に乗っている人だけをターゲットにするのと、(ドライバー以外も想定して)漠然といい曲をかけようというのは全然違う」とコメント。放送する音楽の選曲についてもクルマ向けであることにこだわっていくという。
加えて「従来、車の中では、いい情報がラジオから聴こえてきても覚えるしかないというのがドライバーのストレスだった」と指摘。今後リリース予定のAmanekアプリで番組を聴取すれば、画面をタップするだけで、気になった情報をメモ、ブックマークできるようになると説明した。
■「i-dio内蔵オーディオ機器」等の拡充可能性も
東京マルチメディア放送 代表取締役社長の藤勝之(とう かつゆき)氏は、「ラジオ免許は音声しか流せない。テレビ免許は映像と音声しか流せず、映像を流さないと免許違反になる。一方、i-dioはデジタルデータだったら何を流してもいい」と、i-dioのメリットを改めて説明。
チューナー内蔵スマホ「i-dio Phone」についても、「今までは店頭で実際のサービスを説明できないため、正直言って現時点でそれほど販売台数が出ているわけではないが、(サービスインで店頭説明がしやすくなるため)量販店からはSIMフリーフォンとして3月からのイチオシモデルにすると言ってもらっている」とも述べ、「下りは(データ通信が発生しない)i-dioで無料のコンテンツを楽しみ、上りのデータ通信は格安のMVNOを利用できる」とアピールした。
なお、受信対応端末の今後の拡大予定については、オーディオ機器用や車載機器用のモジュールを開発し、それをメーカーに提供することで対応製品の拡充を図ると説明。また、PC向けのサービスについては「Windows版アプリも考えていないわけではないが、まずはモバイル端末向けを重視した」と説明した。
加えて、今後4〜5年の間に全国の自治体の3分の1ほどがi-dioの「V-Alert」を採用する見通しであることも紹介。「V-Alert」対応ラジオは防災用として基本的に全戸配布となるため、これによってもi-dioが普及するとした。