7.2ch対応。イネーブルドスピーカー再生も強化
オンキヨー、アトモス/DTS:X対応の中級AVアンプ「TX-RZ810」。11.2MHz DSD再生対応
オンキヨー&パイオニアは、ONKYOブランドよりドルビーアトモス/DTS:Xに対応した7.2ch AVアンプ「TX-RZ810」を4月下旬より発売する。価格は128,000円(税抜)。
ONKYOブランドは今年で70周年を迎えるが、本機はこの節目の年におけるONKYO製品第1弾。従来以上の意気込みを持って開発が行われたという。
本機は2015年8月に発売された「TX-RZ800」の後継モデル。7chアンプを搭載し、定格出力は130W/ch。DTS:Xには8月下旬に予定しているアップデートで対応する。ドルビーアトモス/DTS:Xのスピーカー配置については、「2.2.2」「3.2.2」「5.2.2」に対応する。またTHX Select2 Plusにも準拠。HDMI端子は8入力/2出力を備える。
ハイレゾ再生については、ネットワーク/USB-A端子から11.2MHz DSDの再生に対応。DSDは、DSPを介することなくDACへ直接入力する“ダイレクト再生”に対応している。デュアルバンド(5GHz/2.4GHz)対応のWi-Fi、およびAAC対応のBluetoothも内蔵している。スピーカーの自動音場補正機能については、「AccuEQ」を採用する。以下に本機の詳細を紹介していく。
■“ダイナミックオーディオアンプ”思想の元に独自アンプ技術を結集
TX-RZ810は“ダイナミックオーディオアンプ”という思想を掲げている。これは「音声信号に含まれるエネルギーとダイナミズムを正確に捉え、ロスなく、製作者の想いまで鳴らしきること」を意味しているという。同社は、オンキヨーの3つの独自技術を軸に、この理想の実現を目指したと説明する。
1つ目は「ハイカレントアンプ設計(HICC)」だ。ハイカレント(大電流)・ローインピーダンス(低抵抗)設計を行うことで、大型スピーカーの振動板も正確にコントロールできるようになり、音声信号の動的変化に瞬時に反応することが可能になったという。TX-RZ810では、ホームシアター向けの130mm〜160mm口径ユニットはもちろん、オーディオ試聴向けの300mmクラスの大口径ユニットもしっかりとドライブできるよう設計したとのこと。
このような高い駆動力および高音質を支えるべく、耐熱性を高めた黒塗装ヒートシンクやカスタムメイドの大型電源トランス、大容量コンデンサーも採用された。
2つ目は「ノンフェーズシフト」アンプ技術。音が減衰を始めるポイントを聴感の周波数帯域より高い位置に押し上げることで、位相ズレ(フェーズシフト)を防ぎ、ピントの定まった音像を再現するというものだ。
3つ目は、パルスノイズを防ぐ音声処理技術「VLSC」だ。一般的なノイズフィルターでは、D/A変換時に発生するパルスノイズを完全には取り除けないが、オンキヨー独自のフィルター回路であるVLSC(Vector Linear Shaping Circuitry)は、D/A変換後に信号を再構築することで、より原音に忠実な信号をアンプへと伝送することができる。TX-RZ810は、全7chがこのVLSCに対応している。
定格出力は130W/ch(8Ω、THD+N 0.08%以下、20Hz〜20kHz、2ch駆動時、JEITA)、実用最大出力は各ch215W(6Ω,1kHz)。スピーカー適応インピーダンスは6〜16Ωとなる。
■イネーブルドスピーカーによるアトモス再生を高品位化する“AccuReflex”機能を搭載
ドルビーアトモスに対応し、DTS:Xにもアップデート対応予定の本機。同社ではより手軽にこれらオブジェクトオーディオが楽しめるイネーブルドスピーカー再生に対して、新たな音質対策機能を搭載した。それが「AccuReflex」だ。これは天井に反射する帯域の音(高域)と、イネーブルドスピーカーから直接聴こえる帯域の音(低音)との位相ズレによる聴感上の違和感を解消し、明瞭なサウンドイメージによる音場空間を再現するというものだ。
発表会ではイネーブルドスピーカーを含む<3.2.2>システムで、実際にAccuReflex機能のオン/オフのデモが行われた。確かに本機能をオンにすると、天井方向の音がより明瞭になり、空間の奥行きがより深く再現される印象を受けた。プレゼンを行ったオンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの八重口氏は「AccuReflexは特に、空間再現を担う小さな音に効いてきます。これにより情報量が増え、より奥行き深い空間表現が可能になります」と説明していた。
また八重口氏は、ONKYOブランドが2機種のイネーブルドスピーカーをラインナップしていることも強調。「天井にトップスピーカーを設置するのは、一般のユーザーにとってはやはりハードルが高いです。ONKYOでは、イネーブルドスピーカーを今使っているスピーカーの上に設置するだけで、生活空間でもオブジェクトオーディオならではの没入感を味わえることをアピールしていきたいと思います」とコメントしていた。
■11.2MHz DSDにも対応したハイレゾ再生機能
DACについては、AKMの384kHz/32bit DACを搭載。DSPは、シーラス・ロジック製のクアッドコアDSPを1基搭載する。
ハイレゾ再生については、前述の通り11.2/5.6/2.8MHz DSDのネットワーク再生/USB-A(USBメモリー)再生に対応。その他、192kHz/24bitまでのAIFF、WAV、FLAC、ALAC、ドルビーTure HD(USBメモリーのみ)の再生も可能だ。
従来モデルから引き続きWi-FiおよびBluetoothを内蔵するが、本機では機能を強化。Wi-Fiはデュアルバンド(5GHz/2.4GHz)に、BluetoothはAACコーデックに新たに対応した。ワイヤレスオーディオ再生については、AirPlayに加えて、Google Cast(音声のみ)にも7月下旬のファームウェアアップデートにて対応を予定している。インターネットラジオ「radiko.jp」「tune in」の試聴も可能だ。
ネットワーク再生の選曲やAVアンプの操作については、同社製アプリ「Onkyo Remote 3」から行える。そのほかFM/AMチューナーも搭載する。
■4K/60p、HDR、BT.2020など最新の映像規格もカバー
HDMIによる映像入力については、4K/60p、HDRおよびBT.2020のパススルーに対応。HDMI3入力・2出力においてHDCP2.2にも対応している。また、超解像技術「Super Resolution」による4Kアップスケーリングにも新たに対応した。
本機からGUIも刷新。より鮮明で見やすくすることを狙ったという。スクリーンセーバーにはオンキヨーの音質思想を伝えるメッセージが表示される。リモコンも刷新され、ボタン数を絞ったシンプルな構成となった。
HDMI端子は8入力/2出力を搭載。音声入力端子は、同軸デジタル×1、光デジタル×2、アナログLR×7、フォノ(MM)×1を搭載。音声出力端子については、サブウーファー×2、7chプリアウト×1、ZONE(アナログ)×2を備える。映像入力端子は、コンポーネント×2、コンポジット×2を搭載する。
全高調波歪率は0.08%(20Hz〜20kHz、ハーフパワー)、周波数特性は5Hz〜100kHz(+1dB、−3dB、Directモード)、S/Nは106dB。消費電力は570W(待機時0.1W)。外形寸法は435W×201.5H×395Dmm、質量は14kg。
■“Emotion. Delivered”を掲げ、製作者の想いを余すことなく伝える
プレス向け発表会では、前出の八重口氏が本機の詳細を解説してくれた。本機の開発にあたっては、同グループ内にてONKYOとPIONEERという2つのAVアンプ・ブランドを展開することをふまえ、改めて各ブランドがどのような音作りを行うのかを明確化。「Emotion. Delivered」というスローガンを掲げ、前述したダイナミックオーディオアンプ思想を追求したという。
八重口氏は本機のコンセプトについて「1番の狙いは、製作者の想いを伝えるためにスピーカーをしっかり鳴らし切ることです。音を実際に鳴らす役目を果たすスピーカーの力を極限まで引き出してあげることで、ディスクに備わった情報もとことん引き出せると考えました。これがダイナミックオーディオアンプ思想であり、“Emotion. Delivered”を体現するのです」と説明していた。
ONKYOブランドは今年で70周年を迎えるが、本機はこの節目の年におけるONKYO製品第1弾。従来以上の意気込みを持って開発が行われたという。
本機は2015年8月に発売された「TX-RZ800」の後継モデル。7chアンプを搭載し、定格出力は130W/ch。DTS:Xには8月下旬に予定しているアップデートで対応する。ドルビーアトモス/DTS:Xのスピーカー配置については、「2.2.2」「3.2.2」「5.2.2」に対応する。またTHX Select2 Plusにも準拠。HDMI端子は8入力/2出力を備える。
ハイレゾ再生については、ネットワーク/USB-A端子から11.2MHz DSDの再生に対応。DSDは、DSPを介することなくDACへ直接入力する“ダイレクト再生”に対応している。デュアルバンド(5GHz/2.4GHz)対応のWi-Fi、およびAAC対応のBluetoothも内蔵している。スピーカーの自動音場補正機能については、「AccuEQ」を採用する。以下に本機の詳細を紹介していく。
■“ダイナミックオーディオアンプ”思想の元に独自アンプ技術を結集
TX-RZ810は“ダイナミックオーディオアンプ”という思想を掲げている。これは「音声信号に含まれるエネルギーとダイナミズムを正確に捉え、ロスなく、製作者の想いまで鳴らしきること」を意味しているという。同社は、オンキヨーの3つの独自技術を軸に、この理想の実現を目指したと説明する。
1つ目は「ハイカレントアンプ設計(HICC)」だ。ハイカレント(大電流)・ローインピーダンス(低抵抗)設計を行うことで、大型スピーカーの振動板も正確にコントロールできるようになり、音声信号の動的変化に瞬時に反応することが可能になったという。TX-RZ810では、ホームシアター向けの130mm〜160mm口径ユニットはもちろん、オーディオ試聴向けの300mmクラスの大口径ユニットもしっかりとドライブできるよう設計したとのこと。
このような高い駆動力および高音質を支えるべく、耐熱性を高めた黒塗装ヒートシンクやカスタムメイドの大型電源トランス、大容量コンデンサーも採用された。
2つ目は「ノンフェーズシフト」アンプ技術。音が減衰を始めるポイントを聴感の周波数帯域より高い位置に押し上げることで、位相ズレ(フェーズシフト)を防ぎ、ピントの定まった音像を再現するというものだ。
3つ目は、パルスノイズを防ぐ音声処理技術「VLSC」だ。一般的なノイズフィルターでは、D/A変換時に発生するパルスノイズを完全には取り除けないが、オンキヨー独自のフィルター回路であるVLSC(Vector Linear Shaping Circuitry)は、D/A変換後に信号を再構築することで、より原音に忠実な信号をアンプへと伝送することができる。TX-RZ810は、全7chがこのVLSCに対応している。
定格出力は130W/ch(8Ω、THD+N 0.08%以下、20Hz〜20kHz、2ch駆動時、JEITA)、実用最大出力は各ch215W(6Ω,1kHz)。スピーカー適応インピーダンスは6〜16Ωとなる。
■イネーブルドスピーカーによるアトモス再生を高品位化する“AccuReflex”機能を搭載
ドルビーアトモスに対応し、DTS:Xにもアップデート対応予定の本機。同社ではより手軽にこれらオブジェクトオーディオが楽しめるイネーブルドスピーカー再生に対して、新たな音質対策機能を搭載した。それが「AccuReflex」だ。これは天井に反射する帯域の音(高域)と、イネーブルドスピーカーから直接聴こえる帯域の音(低音)との位相ズレによる聴感上の違和感を解消し、明瞭なサウンドイメージによる音場空間を再現するというものだ。
発表会ではイネーブルドスピーカーを含む<3.2.2>システムで、実際にAccuReflex機能のオン/オフのデモが行われた。確かに本機能をオンにすると、天井方向の音がより明瞭になり、空間の奥行きがより深く再現される印象を受けた。プレゼンを行ったオンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの八重口氏は「AccuReflexは特に、空間再現を担う小さな音に効いてきます。これにより情報量が増え、より奥行き深い空間表現が可能になります」と説明していた。
また八重口氏は、ONKYOブランドが2機種のイネーブルドスピーカーをラインナップしていることも強調。「天井にトップスピーカーを設置するのは、一般のユーザーにとってはやはりハードルが高いです。ONKYOでは、イネーブルドスピーカーを今使っているスピーカーの上に設置するだけで、生活空間でもオブジェクトオーディオならではの没入感を味わえることをアピールしていきたいと思います」とコメントしていた。
■11.2MHz DSDにも対応したハイレゾ再生機能
DACについては、AKMの384kHz/32bit DACを搭載。DSPは、シーラス・ロジック製のクアッドコアDSPを1基搭載する。
ハイレゾ再生については、前述の通り11.2/5.6/2.8MHz DSDのネットワーク再生/USB-A(USBメモリー)再生に対応。その他、192kHz/24bitまでのAIFF、WAV、FLAC、ALAC、ドルビーTure HD(USBメモリーのみ)の再生も可能だ。
従来モデルから引き続きWi-FiおよびBluetoothを内蔵するが、本機では機能を強化。Wi-Fiはデュアルバンド(5GHz/2.4GHz)に、BluetoothはAACコーデックに新たに対応した。ワイヤレスオーディオ再生については、AirPlayに加えて、Google Cast(音声のみ)にも7月下旬のファームウェアアップデートにて対応を予定している。インターネットラジオ「radiko.jp」「tune in」の試聴も可能だ。
ネットワーク再生の選曲やAVアンプの操作については、同社製アプリ「Onkyo Remote 3」から行える。そのほかFM/AMチューナーも搭載する。
■4K/60p、HDR、BT.2020など最新の映像規格もカバー
HDMIによる映像入力については、4K/60p、HDRおよびBT.2020のパススルーに対応。HDMI3入力・2出力においてHDCP2.2にも対応している。また、超解像技術「Super Resolution」による4Kアップスケーリングにも新たに対応した。
本機からGUIも刷新。より鮮明で見やすくすることを狙ったという。スクリーンセーバーにはオンキヨーの音質思想を伝えるメッセージが表示される。リモコンも刷新され、ボタン数を絞ったシンプルな構成となった。
HDMI端子は8入力/2出力を搭載。音声入力端子は、同軸デジタル×1、光デジタル×2、アナログLR×7、フォノ(MM)×1を搭載。音声出力端子については、サブウーファー×2、7chプリアウト×1、ZONE(アナログ)×2を備える。映像入力端子は、コンポーネント×2、コンポジット×2を搭載する。
全高調波歪率は0.08%(20Hz〜20kHz、ハーフパワー)、周波数特性は5Hz〜100kHz(+1dB、−3dB、Directモード)、S/Nは106dB。消費電力は570W(待機時0.1W)。外形寸法は435W×201.5H×395Dmm、質量は14kg。
■“Emotion. Delivered”を掲げ、製作者の想いを余すことなく伝える
プレス向け発表会では、前出の八重口氏が本機の詳細を解説してくれた。本機の開発にあたっては、同グループ内にてONKYOとPIONEERという2つのAVアンプ・ブランドを展開することをふまえ、改めて各ブランドがどのような音作りを行うのかを明確化。「Emotion. Delivered」というスローガンを掲げ、前述したダイナミックオーディオアンプ思想を追求したという。
八重口氏は本機のコンセプトについて「1番の狙いは、製作者の想いを伝えるためにスピーカーをしっかり鳴らし切ることです。音を実際に鳴らす役目を果たすスピーカーの力を極限まで引き出してあげることで、ディスクに備わった情報もとことん引き出せると考えました。これがダイナミックオーディオアンプ思想であり、“Emotion. Delivered”を体現するのです」と説明していた。
関連リンク
- ジャンルAVアンプ
- ブランドONKYO
- 型番TX-RZ810
- 発売日2016年4月下旬
- 価格¥128,000(税抜)
【SPEC】<アンプ部>●パワーアンプch数:7ch ●定格出力:130W/ch(8Ω、20Hz〜20kHz、THD+N 0.08%以下、2ch駆動時(非同時駆動)) ●実用最大出力:215W/ch(6Ω、1kHz、1ch駆動(非同時駆動)) ●ダイナミックパワー:300W(3Ω、Front)、250W(4Ω、Front)、150W(8Ω、Front) ●全高調波歪率:0.08%(20Hz〜20kHzハーフパワー) ●入力感度/インピーダンス:LINE…200mV/47kΩ、PHONO MM…3.5mV/47kΩ ●周波数特性:5Hz〜100kHz(+1dB,-3dB、Direct/Pure Audio mode) ●S/N比:106dB(LINE,IHF-A)、80dB(PHONO MM,IHF-A) ●スピーカー適応インピーダンス:6〜16Ω <端子>●接続端子:HDMI×入力8/出力2、コンポーネント映像入力×2、コンポジット映像入力×2、光デジタル音声入力×2、同軸デジタル音声入力×1、アナログ音声入力×6、PHONO入力×1、LINE出力×2、サブウーファープリアウト×2、マルチチャンネルプリアウト…7ch×1、ヘッドホン出力×1、スピーカー出力×7、USB×1、LAN×1 <Bluetooth部>●バージョン:Ver.4.1 ●対応プロファイル:A2DP/AVRCP/HOGP-Host/HOGP-HID Device/HID Service ●対応コーデック:SBC/AAC <その他>●消費電力:570W(待機時0.1W) ●外形寸法:435W×201.5H×395Dmm(最大) ●質量:14kg