まずはエントリー者への招待制でスタート
Spotify、本日9月29日から日本でサービスイン。無料と有料の2プラン、有料は月額980円
楽曲再生に関しては上記のように制限があるものの、プレイリスト再生はすべてのプレイリストにアクセス可能。プレイリストの共有や、「Discover Weekly」「Release Rader」のレコメンド機能も利用できる。
有料プランの「Spotify Premium」では、広告表示がないほか、楽曲のスキップなども自由に行うことが可能。プレミアムプランは30日間の無料体験期間も用意している。
また、音質もフリープランよりも高音質な320kbpsで提供。なお、フリープランでのビットレートは公表されていないが、「プレミアムプランの半分くらい」(同社スタッフ)とのことだった。また、音楽ファイル形式は非公表。
また、楽曲をスマホ等の端末にいったん保存してのオフライン再生機能も利用可能。キャッシュしておける楽曲数の上限などはなく、もちろんアルバムまるごとやプレイリストまるごとを一括保存することもできる。
なおプレミアムプランの料金支払はクレジットカードに対応。ドコモ、KDDI、ソフトバンクのキャリア決済や、コンビニエンスストア決済、オンラインバングおよびATMでの支払いにも近日中に対応する予定。そのほかSony Entertainment Networkアカウントのウォレットにも対応している。
■Spotifyが音楽業界全体の成長に寄与
発表会には創立者でCEOのダニエル・エク氏や、Spotify JAPAN(株)の代表取締役を務めるハネス・グレー氏らも登場。ダニエル氏が「日本市場は独特で重要視している。(日本でローンチする)今日という日を本当に楽しみにしていた」とあいさつするなどした。
ハネス・グレー氏は、2008年にスウェーデンでサービスを開始して以来、現在は1億人のアクティブユーザーを抱え、そのうち4,000万人が有料会員であることを紹介。この有料会員数は他サービスの約2倍の高い数字だという。
また、「Spotifyはテクノロジー企業でなく音楽を扱う会社。どうしたらたくさんの音楽を届けられるかを日々考えている」とし、そのためにプレイリストのキュレーションやレコメンド機能に力を入れていると説明。
歌詞表示機能についても「歌詞にあわせて歌えないと日本でローンチする意味がないと思った」と述べ、「私もこの機能で日本語を学ぶことができた(笑)」と言葉を続けた。
なお、スポティファイジャパンとしては、これまでアマゾンジャパンでKindle事業本部 統括事業本部長を務めていた玉木一郎氏が10月1日付けで代表取締役社長に就任。これに伴い、ハネスグレー氏は同日付けでグローバル ヘッド オブ ニューマーケットに就任する。
スポティファイジャパンでライセンシング&レーベルリレーションズ ディレクターを務める野本晶氏は、同サービスの創立以来50億ドル(約5,000億円)をアーティストや権利者に還元していることを紹介。Spotifyが音楽業界全体の底上げに寄与していると語る。
また、日本の音楽市場について、CDを始めとする物理メディアの売上が落ち込む一方で、有料サブスプクリプションサービスの急成長によってデジタル配信の売上が伸びている状況に言及。「我々がこれから数年でさらにこれを伸ばしていきたい。日本の音楽産業の健全な成長に寄与することをお約束する」と述べた。
加えて、「CD売上がまだ過半数だが市場全体としては縮小傾向という点で、日本と状況が似ている」というドイツでの事例に言及。Spotifyの参入によって2012年から4年連続で音楽業界全体が伸長したほか、ドイツ国内のみでヒットしていたアーティストがSpotifyに参加したことによって世界的ヒットにつながったことを紹介した。
そして日本でもこうした事例を作ると説明。「日本のアーティストと1億人のユーザーを結びつける」「新しい音楽、新しいアーティストの発見の場を提供する」「音楽業界の成長に貢献できる収益源の確立する」という3点を行っていくとした。