新たなカーライフ実現間近
あのボーズも参戦、CESで見た「自動運転」最前線
■トヨタとホンダは自動運転を「親しみあるもの」にする提案
AIを駆使した人工知能によって、ドライバーと共に学び成長していくコンセプトカー『CONCEPT-愛i』を発表したのがトヨタだ。
走行中は他車や通行人にウインクをして合図をし、車体後方では右左折のメッセージも流して周囲とのコミュニケーションを図る。その動きの先にはAIが状況を判断して最適な対応を行うのだ。
出展されたコンセプトカーはあくまで走らないモックアップではあるが、ガルウイング仕様のデザインはそれだけでも目立つ存在。トヨタは自動運転が実現しても「温かく親しみのある」ドライブができる技術にしたいと夢を語った。
ホンダがCESで公開したのは、ソフトバンクと共同研究中のAIを備えた自動運転の電気自動車「NeuV」(ニューヴィー)だ。このAIは「感情エンジン」と呼ばれるもので、運転手の顔色・表情・声色等からストレスの有無・軽重を知った上で、安全運転を目指すように設計されている。
さらにユニークな取り組みとして注目されたのが、乗っていないときにNeuVが勝手にお金を稼いでくるというもの。オーナーがNeuVで出勤したら、その空き時間にカーシェアリングとしてクルマを貸し出し、さらには電気自動車としての特性を活かして電気の需要が高い時期に売電する。つまり、無人自動運転が完全実用化すれば、クルマがより有効活用されていくという発想が基本にある。
■アマゾンの音声認識技術「アレクサ」搭載モデルも登場
アメリカ勢ではフォードの発表が目を引いた。運転操作を完全に自動化する「レベル4」と呼ばれる完全自動運転車を2021年までに実用化する計画を掲げたのだ。
フォードは現在、フォードの主力中型セダン『フュージョン』をベースとしたテスト車両で自動運転車の走行テストに取り組んでいるが、CES2017では最新の『フュージョン ハイブリッド』ベースとした次世代の自動運転車両を出展した。
さらにアマゾンが開発したAI音声認識システム「アレクサ」を搭載したスピーカー型デバイス「エコー」と、フォードのテレマティクスサービス「シンク」を接続し、自宅の部屋から音声で車内の空調を変えたり、充電残量をチェックできるような機能も追加している。
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