新たなカーライフ実現間近
あのボーズも参戦、CESで見た「自動運転」最前線
同じように音声認識に「アレクサ」を採用したのはフォルクスワーゲンだ。次世代ユーザーインターフェイス(UI)を備えたコックピットとして、3次元ディスプレーとヘッドアップディスプレー、視線追跡機能を搭載したデモ機を出展。
同社が強く推したのは音声認識によるUIで、それが今後のUIの要になるとも主張。そこにアマゾンの「アレクサ」を採用することで、家電ともつながるスマートホームの世界を描いている様子だった。見逃せないのは、アマゾンまでも自動車の世界へと積極的に進出して来ていることで、これまでeコマースで成功を遂げてきた同社がどのような展開を見せるかが注目される。
■自動運転時の「乗り心地」に着目したボーズ
自動運転が実現すると車内の環境も大きく変わってくる。そんな状況に取り組んだのがボーズだ。同社はCES2017の開催に合わせ、乗車中の振動を最小限に抑えるパーソナル・サスペンション技術「Bose Ride」を発表した。
将来の「レベル5」の自動運転車では乗車中の人は完全な“ハンズオフ”“アイズオフ”となるわけで、その時はひたすら快適な乗り心地が求められるはず。このシステムはそれを見越した上での開発でもある。ボーズは早い段階からヘッドホンのノイズキャンセリング技術で先鞭をつけてきた。ボーズはそうした抑制技術を、将来登場する新たなカーライフにもマッチさせていこうというわけだ。
■クラリオンはオートパーキングをスマホで実現
夢が語られることが多いCES会場の中で、実現間近な自動運転技術も数多く実演もされた。そのひとつがオートパーキングだ。既に一部高級車で搭載が始まっているが、クラリオンをはじめとするサプライヤー各社はこの技術を積極的にデモしていた。
このうち、クラリオンはスマートフォンにインストールした専用アプリでこれを実現。クルマから降りて誰でも簡単に駐車できるスマートさをデモを通して実演してくれた。同社の場合も数年内にはほぼ実用化の目途が立ったとしており、リモコン操作で誰もが簡単に駐車できるのを体験すると、数年内には「駐車が苦手」なんて声はなくなるかも知れない。
(会田肇)