今年も多数の新製品が登場予定
<CES>8K/HDRやオーディオ、AI、IoTまで − 「CES 2018」みどころチェック
その年のトレンドを占う世界最大級の家電見本市、「2018 International CES」が、米ラスベガスにて、1月9日から12日まで開催される。
今年も当サイト取材班が現地から速報ニュースやレポートをお届けする。開催をまえに、見どころを簡単に解説していこう。
■プレスカンファレンスなどのプレイベント
例年通り、各社のプレスカンファレンスの日程をチェックしていく。プレスカンファレンスは本会期より前に行われるが、ここで大きな発表があり、くわしくはブースで…という流れになるのが通例で、極めて重要なのだ。なお、日時はすべて日本時間となる。
【1月8日】
・「CES Unveiled」10:00〜13:30
【1月9日】
・「LG電子 プレスカンファレンス」 01:00〜01:45
・「Monster プレスカンファレンス」 02:00〜02:45
・「パナソニック プレスカンファレンス」 03:00〜03:45
・「Hisense プレスカンファレンス」 04:00〜04:45
・「サムスン プレスカンファレンス」 07:00〜07:45
・「クアルコムプレスカンファレンス」 8:00〜8:45
・「ソニー プレスカンファレンス」 10:00〜10:45
日本時間の1月8日中には、CES Unveiledで見かけた展示内容をレポートできるはずだ。
また1月9日の早朝〜夕方にかけて、LG、パナソニック、サムスン、ソニーといった大メーカーの発表内容を続々と速報でお伝えしていく予定だ。楽しみにして頂きたい。
■映像分野では4K/HDRの進化、そして8Kの展開にも期待
昨年のCESでは、ソニー、パナソニックが4K有機ELテレビを発表した。その後、日本でも4K有機ELテレビが続々と登場し、高画質を追求するAVファンにとって画期的な年になったのはご承知の通りだ。
毎年、ソニーとパナソニックの2社は、このCESをテレビ新製品発表の場と位置づけている。今年のCESでも、両社からテレビ新製品が登場することを期待したい。
4K/HDRに対応するのは、すでに当たり前になった。また有機ELパネルが高画質であることも衆目の一致するところだろう。その上で、今年はHDRソースや有機ELパネルをいかに使いこなすか、ということに焦点が当たりそうだ。
たとえばHDRでは、UHD BDの標準規格である「HDR10」だけでなく、ドルビービジョンやHLGに加え、最近になって新たにHDR10+という新規格も登場している。CESでもHDR10+対応テレビが登場すると見られ、実際の効果も確かめられるだろう。また、HDR映像を最適化してより美しく表示する技術にも注目が集まりそうだ。
4K以外では、すでにLGが展示を発表しているように、「8K」が新たなトピックになりそうだ。8Kの大型ディスプレイは数年前から展示されていたが、いずれもデモンストレーションの域を出なかった。一方で日本では、今年12月1日に8K放送がスタートする。それをにらみ、シャープはすでに日本で8Kテレビの販売を開始している。こういった背景があるだけに、メーカーも商品化レベルで8Kテレビを検討する段階に来ていると言えるだろう。
また、これらの高解像度映像を伝送するための、HDMI 2.1などの新規格の動向にも注目したい。すでにHDMI 2.1は昨年11月に正式リリースされており、今後はコンプライアンステスト仕様書が段階的に提供される予定だ。
■オーディオ
ハイファイオーディオメーカーが新製品発表のねらいを定めるのは、毎年5月頃にミュンヘンで行われる「HighEnd」へ、年々シフトしている印象がある。だが依然としてCESも、アメリカという大きな市場を抱えているだけに重要な場所だ。
またポータブルオーディオブランドはCESで積極的に新製品発表を行う傾向があり、こちらはさらに強く期待できる。
オーディオで、まず気になるのがテクニクスの動向だ。例年同社は、CESで新製品発表を行っている。焦点は、昨年発表したターンテーブル「SP-10R」の価格、発売日が発表されるかどうかということ。日本でも登場を待ちわびているファンが多いだけに注目したい。
一方でアメリカを代表する数々のオーディオブランドを束ねる、ハーマンインターナショナルグループの展示も見逃せない。
ハーマンは例年通り、ハードロックホテルでJBLやAKG、harman/kardonなど傘下のブランドの新製品を多数展示することが予想されるほか、ハイファイオーディオについても、ベネチアンホテルでJBL/マーク・レビンソン/REVELの出展を行う。
ポータブルオーディオから超ハイエンドまで、幅広い製品群を取りそろえるハーマングループ。こちらも速報記事でしっかりとお伝えしたい。
そのほか、今年はAstell&Kernがラスベガス・コンベンション・センターのセントラル・ホールにブースを構える。セントラルと言えば、大手ブランドが巨大ブースを連ねる、まさにCESの中心地。どんな展示が行われるのか楽しみだ。
ポータブルオーディオ関連では、昨年に引き続きワイヤレスイヤホン/ヘッドホンが中心になることが予想される。昨年大ヒットした完全ワイヤレスイヤホンについても、各社がさらなる差別化を図ってくると考えられ、新展開に期待したいところだ。
昨年ブレイクしたと言えば、スマートスピーカーも忘れてはならない。特に日本では昨年秋、Googleアシスタント搭載スピーカーとAlexa搭載スピーカーが上陸を果たした。今後、サードパーティ製のスマートスピーカーもさらに増えることは間違いない。この分野に積極的なオンキヨー・パイオニアの動向も気になる。
また、音声アシスタント機能と連携するAV機器や白物家電、その他IoT機器が日本でも多数発売されるだろう。生活をさらに便利にするこれらの機器にも注目していきたい。
■その他
ここまではコンシューマー向けの最終製品の発表状況について見てきたが、CESは新たなテクノロジーやビジョンを示す場でもある。AppleやFacebookなど、現在のテクノロジーをリードする企業が参加していないのは残念だが、AmazonやGoogleは参加している。ほかにもデバイスメーカーや通信系企業もブースを構えるため、新たな潮流がわかりやすく紹介されるはずだ。
5Gが、今年の大きなキーワードになるのは間違いない。4Gに比べ圧倒的な高速化・低遅延化を実現する通信規格で、2020年頃の実用化が見込まれているが、すでに5G実用化後をにらんで、様々な提案が行われている。高画質な動画配信、高音質な音楽配信などはもちろん、VRやAR、MRなどの「xR」をリアルタイムで実現するにも重要なテクノロジーだ。さらには自動運転やIoTが高度化するうえでも重要な技術基盤となる。
オートモーティブの話題も引き続き盛り上がりを見せるだろう。各社が自動運転の実用化にむけて研究開発を加速させており、その成果が披露されるはず。これまでよりさらに進化した自動運転、そしてそれを支えるエレクトロニクスや機械学習、深層学習などの成果が発表されると考えられる。
機械学習、深層学習をAV機器に採り入れる取り組みも増えるはず。特に映像解析や高画質化回路との相性は良さそうで、具体的な製品への落とし込みが行われても不思議ではない。
◇
今年も盛りだくさんの内容となりそうな、2018年のCES。ファイルウェブではテキストレポートはもちろん、動画レポートもまじえて、現場の熱気、興奮をあまさずお伝えしていく予定だ。ご期待頂きたい。
今年も当サイト取材班が現地から速報ニュースやレポートをお届けする。開催をまえに、見どころを簡単に解説していこう。
■プレスカンファレンスなどのプレイベント
例年通り、各社のプレスカンファレンスの日程をチェックしていく。プレスカンファレンスは本会期より前に行われるが、ここで大きな発表があり、くわしくはブースで…という流れになるのが通例で、極めて重要なのだ。なお、日時はすべて日本時間となる。
【1月8日】
・「CES Unveiled」10:00〜13:30
【1月9日】
・「LG電子 プレスカンファレンス」 01:00〜01:45
・「Monster プレスカンファレンス」 02:00〜02:45
・「パナソニック プレスカンファレンス」 03:00〜03:45
・「Hisense プレスカンファレンス」 04:00〜04:45
・「サムスン プレスカンファレンス」 07:00〜07:45
・「クアルコムプレスカンファレンス」 8:00〜8:45
・「ソニー プレスカンファレンス」 10:00〜10:45
日本時間の1月8日中には、CES Unveiledで見かけた展示内容をレポートできるはずだ。
また1月9日の早朝〜夕方にかけて、LG、パナソニック、サムスン、ソニーといった大メーカーの発表内容を続々と速報でお伝えしていく予定だ。楽しみにして頂きたい。
■映像分野では4K/HDRの進化、そして8Kの展開にも期待
昨年のCESでは、ソニー、パナソニックが4K有機ELテレビを発表した。その後、日本でも4K有機ELテレビが続々と登場し、高画質を追求するAVファンにとって画期的な年になったのはご承知の通りだ。
毎年、ソニーとパナソニックの2社は、このCESをテレビ新製品発表の場と位置づけている。今年のCESでも、両社からテレビ新製品が登場することを期待したい。
4K/HDRに対応するのは、すでに当たり前になった。また有機ELパネルが高画質であることも衆目の一致するところだろう。その上で、今年はHDRソースや有機ELパネルをいかに使いこなすか、ということに焦点が当たりそうだ。
たとえばHDRでは、UHD BDの標準規格である「HDR10」だけでなく、ドルビービジョンやHLGに加え、最近になって新たにHDR10+という新規格も登場している。CESでもHDR10+対応テレビが登場すると見られ、実際の効果も確かめられるだろう。また、HDR映像を最適化してより美しく表示する技術にも注目が集まりそうだ。
4K以外では、すでにLGが展示を発表しているように、「8K」が新たなトピックになりそうだ。8Kの大型ディスプレイは数年前から展示されていたが、いずれもデモンストレーションの域を出なかった。一方で日本では、今年12月1日に8K放送がスタートする。それをにらみ、シャープはすでに日本で8Kテレビの販売を開始している。こういった背景があるだけに、メーカーも商品化レベルで8Kテレビを検討する段階に来ていると言えるだろう。
また、これらの高解像度映像を伝送するための、HDMI 2.1などの新規格の動向にも注目したい。すでにHDMI 2.1は昨年11月に正式リリースされており、今後はコンプライアンステスト仕様書が段階的に提供される予定だ。
■オーディオ
ハイファイオーディオメーカーが新製品発表のねらいを定めるのは、毎年5月頃にミュンヘンで行われる「HighEnd」へ、年々シフトしている印象がある。だが依然としてCESも、アメリカという大きな市場を抱えているだけに重要な場所だ。
またポータブルオーディオブランドはCESで積極的に新製品発表を行う傾向があり、こちらはさらに強く期待できる。
オーディオで、まず気になるのがテクニクスの動向だ。例年同社は、CESで新製品発表を行っている。焦点は、昨年発表したターンテーブル「SP-10R」の価格、発売日が発表されるかどうかということ。日本でも登場を待ちわびているファンが多いだけに注目したい。
一方でアメリカを代表する数々のオーディオブランドを束ねる、ハーマンインターナショナルグループの展示も見逃せない。
ハーマンは例年通り、ハードロックホテルでJBLやAKG、harman/kardonなど傘下のブランドの新製品を多数展示することが予想されるほか、ハイファイオーディオについても、ベネチアンホテルでJBL/マーク・レビンソン/REVELの出展を行う。
ポータブルオーディオから超ハイエンドまで、幅広い製品群を取りそろえるハーマングループ。こちらも速報記事でしっかりとお伝えしたい。
そのほか、今年はAstell&Kernがラスベガス・コンベンション・センターのセントラル・ホールにブースを構える。セントラルと言えば、大手ブランドが巨大ブースを連ねる、まさにCESの中心地。どんな展示が行われるのか楽しみだ。
ポータブルオーディオ関連では、昨年に引き続きワイヤレスイヤホン/ヘッドホンが中心になることが予想される。昨年大ヒットした完全ワイヤレスイヤホンについても、各社がさらなる差別化を図ってくると考えられ、新展開に期待したいところだ。
昨年ブレイクしたと言えば、スマートスピーカーも忘れてはならない。特に日本では昨年秋、Googleアシスタント搭載スピーカーとAlexa搭載スピーカーが上陸を果たした。今後、サードパーティ製のスマートスピーカーもさらに増えることは間違いない。この分野に積極的なオンキヨー・パイオニアの動向も気になる。
また、音声アシスタント機能と連携するAV機器や白物家電、その他IoT機器が日本でも多数発売されるだろう。生活をさらに便利にするこれらの機器にも注目していきたい。
■その他
ここまではコンシューマー向けの最終製品の発表状況について見てきたが、CESは新たなテクノロジーやビジョンを示す場でもある。AppleやFacebookなど、現在のテクノロジーをリードする企業が参加していないのは残念だが、AmazonやGoogleは参加している。ほかにもデバイスメーカーや通信系企業もブースを構えるため、新たな潮流がわかりやすく紹介されるはずだ。
5Gが、今年の大きなキーワードになるのは間違いない。4Gに比べ圧倒的な高速化・低遅延化を実現する通信規格で、2020年頃の実用化が見込まれているが、すでに5G実用化後をにらんで、様々な提案が行われている。高画質な動画配信、高音質な音楽配信などはもちろん、VRやAR、MRなどの「xR」をリアルタイムで実現するにも重要なテクノロジーだ。さらには自動運転やIoTが高度化するうえでも重要な技術基盤となる。
オートモーティブの話題も引き続き盛り上がりを見せるだろう。各社が自動運転の実用化にむけて研究開発を加速させており、その成果が披露されるはず。これまでよりさらに進化した自動運転、そしてそれを支えるエレクトロニクスや機械学習、深層学習などの成果が発表されると考えられる。
機械学習、深層学習をAV機器に採り入れる取り組みも増えるはず。特に映像解析や高画質化回路との相性は良さそうで、具体的な製品への落とし込みが行われても不思議ではない。
今年も盛りだくさんの内容となりそうな、2018年のCES。ファイルウェブではテキストレポートはもちろん、動画レポートもまじえて、現場の熱気、興奮をあまさずお伝えしていく予定だ。ご期待頂きたい。