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AVアンプとして世界初のアトモス 7.1.6に対応

デノン、13ch/約1600W出力の “モンスター級” AVアンプ「AVC-X8500H」。HDMI 2.1やAlexaにも対応予定

公開日 2018/01/17 11:00 編集部:小澤貴信
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回路の構成については、デノンが1979年発売のパワーアンプ「POA-3000」から磨きあげてきた伝統のシンメトリーレイアウトを採用。電源トランスを中心として13ch分のアンプ基板およびヒートシンクを左右対称に配置する。チャンネルセパレーションの向上とクロストークの排除を徹底して、AVアンプにおいてHi-Fiクオリティーを追求している。

POA-3000から続くシンメトリーレイアウトを本機も採用

サウンドマネージャーの山内氏は本機で狙った音について、「ラインナップの頂点として、音もそれに見合ったものを目指しました。具体的には、ディテールの再現と音の厚みを絶妙にバランスさせることで、繊細さと力強さを高い次元で共存させました。静寂感にまで踏み込んだ、彫りの深い再現を行うことができます」と語っていた。

また、直近のモデルを通じて練り上げられてきたアンプ部の音質対策も本機に全面的に反映されている。これらについては後述する。

重さ8.2kgのEIトランスを搭載。強力な電源部を実現

13ch分のパワーアンプを駆動する電源部も強力だ。13ch同時出力時にもクリーンかつ安定した電源供給を行うべく、専用のEIコアトランスを開発。コアサイズは111mm、積圧は90mm。質量はトランス単体で8.2kgにもなる。ちなみに9chアンプの従来モデル AVR-X7200WAのEIトランスは6.1kgで、これと比較してもその重さがわかる。

8.2kgにもなる専用EIトランスを搭載

電源部のブロックコンデンサーには、専用にチューニングされた22,000μFのカスタムコンデンサーを2基搭載する。これらで構成された電源部によりハイスピードかつ安定した電力供給を行うことができ、重心の低さと鮮烈さを兼ね備えたサウンドが実現できたという。

専用にチューニングされた22,000μFのカスタムコンデンサー


32bit 2ch DAC「AK4490」を合計8基搭載

D/A変換については、旭化成エレクトロニクス(AKM)の32bit 2ch DACチップ「Ak4490」を合計8基搭載して、13.2ch分のD/A変換回路を構成。このD/A変換回路は専用基板にマウントして、映像回路やネットワーク回路から独立させることで相互干渉を排除する。

独立して設けられたD/A変換回路基板

また専用基板を用いることでD/A変換回路、信号ライン、電源ラインのレイアウトも最適化。音質対策パーツの選定やポストリフターの再設計と合わせて、DACチップの性能を最大限に引き出すとしている。

AVアンプとして世界初のアトモス 7.1.6chに対応

13chアンプをフル活用してのオブジェクトオーディオのデコードやアップミックス、音場補正に対応するべく、最新DSPを採用。従来は4チップ構成だったのに対して、本機はより性能を高めた32bitデュアルコアDSP「SHARC」プロセッサーの最新チップを2チップ搭載。処理速度を大幅に向上させ、高負荷処理も同時に行うことを可能にすると共に、今後のアップデートによる進化も見据えて余裕を持たせているという。

こちらはDSPなどを配置したデジタル基板

DSP刷新に伴い、従来の4チップ構成を2チップ構成に。処理能力を大幅に向上させた

また、DSPを心臓部としたサラウンド再生のための回路設計には、デノンがAVアンプにおいて一貫して採用してきたD.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circuit)を、32bitプロセッシングを行う最上位バージョン「D.D.S.C.-HD32」として採用する。

イマーシブオーディオについては、オブジェクトベースのドルビーアトモスとDTS:X、チャンネルベースのAuro-3Dに対応する(Auro-3Dは今年5月にアップデートで対応予定)。

アトモス/DTS:Xに対応。Auro-3Dにもアップデートで対応

ドルビーアトモスについては、フロント/ミドル/リアの合計6基のトップスピーカーを用いた「7.1.6」chに対応。これはAVアンプとして世界初だという。さらには近年のモデルでは省略されていたワイドスピーカー(フロントL/Rの外側に配置)を復活させての「9.1.4」chにも対応する。DTS:Xについてはレギュレーション上限だという「7.1.4/9.1.2」chまで構築できる。

ドルビーアトモスの再生イメージ。天井6chをフルに活用できる

Auro-3Dについては、フロアスピーカー 7.1ch、ハイトレイヤー 5ch、トップレイヤー 1ch(ボイスオブゴッド)による合計13.1chまで対応する予定だ。

次ページ各アンプを自在に割り当てることが可能。バイアンプもスピーカーごとに設定

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドDENON
  • 型番AVC-C8500H
  • 発売日2018年2月中旬
  • 価格480000
【SPEC】●搭載パワーアンプ数:13ch ●定格出力:150W+150W(8Ω、20Hz 〜 20kHz、THD 0.05%、2ch駆動) ●実用最大出力:260W(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動、JEITA) ●適合インピーダンス:4Ω〜16Ω ●HDMI端子:入力×8(フロント×1)、出力×3(モニター×2、ゾーン2×1) ●アナログ映像入出力端子:コンポジット入力×4、コンポーネント入力×3、コンポジット出力×2(モニター×1、ゾーン2×1)、コンポーネント出力×1 ●音声入出力端子:アナログ音声入力×7、フォノ入力×1、7.1ch入力×1、光デジタル入力×2、同軸デジタル入力×2、15.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドホン出力×1 ●その他の入出力端子:Denon Link HD×1、Network×1、フロントUSB×1、リアUSB×1(5V/1.5A 給電専用)、Wi-Fi/Bluetoothアンテナ端子 × 2、セットアップマイク入力×1、RS-232C×1、DCトリガー出力×2、リモートコントロール(IR)入出力×各1 ●外形寸法:434W×195H×482Dmm (アンテナを寝かせた場合、フット、端子、つまみ、アンテナを含む) ●質量:23.3kg