AVアンプとして世界初のアトモス 7.1.6に対応
デノン、13ch/約1600W出力の “モンスター級” AVアンプ「AVC-X8500H」。HDMI 2.1やAlexaにも対応予定
デノンは、13chアンプを内蔵、最大13.2chプロセッシングに対応したフラグシップAVアンプ「AVC-X8500H」を2月中旬より発売する。価格は480,000円(税抜)。
1月初旬に米ラスベガスで開催されたCES 2018で北米仕様モデル「AVR-X8500H」(関連ニュース)が先行して発表されたが、AVC-X8500Hは同じ製品の日本仕様モデルとなる。北米仕様モデルは型番が示すとおりチューナー内蔵だが、日本仕様の本機はチューナー非搭載。そのため「AVR(AVレシーバーの意)」ではなく、「AVC(AVセンターの意)」という型番になっている。
AVC-X8500Hは全ch同一クオリティ・独立基板構成の13chアンプを内蔵。定格出力は150W+150W(8Ω、2ch駆動)、実用最大出力は260W(6Ω、1ch駆動)となる。
プロセッシングは最大13.2chに対応。イマーシブオーディオはドルビーアトモスおよびDTS:Xに対応。アトモスについては世界初という7.1.6ch、フロントワイドチャンネルを復活させての9.1.4ch構成が可能。DTS:Xも7.1.4/9.1.2chが構築可能だ。さらには今年5月のファームウェア・アップデートにてAuro-3D(最大13.1ch)にも対応予定。プロセッシングなどを担うDSPも刷新された。
プリアウト端子は15.2ch分、スピーカー端子は15ch分を搭載する。フレキシブルなアンプアサインが可能な点も特徴で、アンプの割り当てを自由にカスタムしたり、スピーカーごとにバイアンプを設定したりすることもできる。
HDMI端子は8入力・3出力を搭載し、いずれもHDCP2.2に対応。4K/HDRの入出力をはじめ、ドルビービジョンやHLGなど最新規格にも対応する。また、8K映像の伝送などが可能なHDMIの次世代規格「HDMI2.1」にも有償アップグレードで対応することを想定しているという。本機の質量は23.3kgとなる。
発表に先立って開催されたプレス向け内覧会では、本機の設計を担当した高橋佑規氏、デノンのサウンドマネージャーを務める山内慎一氏、マーケティング担当の宮原利温氏が製品について説明を行った。以下に本機の詳細について紹介していく。
■AVC-A1HD以来となる「真のフラグシップAVアンプ」
デノンの従来のフラグシップAVアンプは2015年5月に発売された「AVR-X7200WA」で、AVC-X8500Hはその後継モデルという位置付けになる。ただし、AVR-X7200WAが35.5万円だったのに対して、AVC-X8500Hは48万円と価格帯は異なる。同社はAVC-X8500Hを、2007年に発売された一体型AVアンプのフラグシップ「AVC-A1HD」(57万円、関連ニュース)以来のハイエンドモデル、“真のフラグシップAVアンプ”と位置づけて開発を行ったという。
本機の開発には約3年を要したとのこと。それもあり、「AVR-X6400H」など本機に先行するAVアンプに搭載された技術の中には、AVC-X8500Hへの採用を前提としてそもそも開発されたものが多数あるとのこと。また、リーマンショックや東日本大震災などの影響もあってAVC-A1HDの後継といえるモデルの開発が長い間難しかったが、高級クラスのAVアンプへの要望の高まりや最新DSPの開発などもあり、このタイミングでAVC-X8500Hの実現に至った。なお、本機の設計を担当した高橋氏は、AVC-A1HDの開発にも携わっていた人物だ。
■全13ch同時出力は1,557W。全chを独立基板および独立電源供給とする
同社が“モンスターAVアンプ”とも呼ぶAVC-X8500Hは、13chアンプを内蔵する(ちなみにAVC-A1HDは7chアンプ搭載)。1筐体にこの13chアンプを収めつつ、全チャンネル同一クオリティおよび独立電源供給を実現している。スペック上の実用最大出力として260W(定格出力は150W/ch)を可能としていることに加え、全チャンネル同時出力の測定値は13ch同時駆動時で1,557W、11ch同時駆動時で1,471W(いずれもTHD+N:0.7%)になるという。
こうした強大な出力、そして全chにわたるクオリティを実現するべく、パワーアンプ部はモノリス・コンストラクションとして、各アンプ回路をチャンネルごとに独立させた個別基板としている。これにより、チャンネル間のクロストーク、振動による音質への影響を徹底して排除することができ、チャンネルセパレーションを高めて純度の高いサウンドおよび音場再現が可能になるとする。
また、増幅素子にはHi-Fiアンプの設計思想を踏襲した大電流タイプのパワートランジスター「Denon High Current Transistor(DHCT)」を採用。このDHCTを大型ヒートシンクの上に格子状にレイアウトし、さらにヒートシンク全体をカバーする2mm厚の銅板を追加することで放熱性能を追求。大音量時でも安定したスピーカー駆動を可能とする。
1月初旬に米ラスベガスで開催されたCES 2018で北米仕様モデル「AVR-X8500H」(関連ニュース)が先行して発表されたが、AVC-X8500Hは同じ製品の日本仕様モデルとなる。北米仕様モデルは型番が示すとおりチューナー内蔵だが、日本仕様の本機はチューナー非搭載。そのため「AVR(AVレシーバーの意)」ではなく、「AVC(AVセンターの意)」という型番になっている。
AVC-X8500Hは全ch同一クオリティ・独立基板構成の13chアンプを内蔵。定格出力は150W+150W(8Ω、2ch駆動)、実用最大出力は260W(6Ω、1ch駆動)となる。
プロセッシングは最大13.2chに対応。イマーシブオーディオはドルビーアトモスおよびDTS:Xに対応。アトモスについては世界初という7.1.6ch、フロントワイドチャンネルを復活させての9.1.4ch構成が可能。DTS:Xも7.1.4/9.1.2chが構築可能だ。さらには今年5月のファームウェア・アップデートにてAuro-3D(最大13.1ch)にも対応予定。プロセッシングなどを担うDSPも刷新された。
プリアウト端子は15.2ch分、スピーカー端子は15ch分を搭載する。フレキシブルなアンプアサインが可能な点も特徴で、アンプの割り当てを自由にカスタムしたり、スピーカーごとにバイアンプを設定したりすることもできる。
HDMI端子は8入力・3出力を搭載し、いずれもHDCP2.2に対応。4K/HDRの入出力をはじめ、ドルビービジョンやHLGなど最新規格にも対応する。また、8K映像の伝送などが可能なHDMIの次世代規格「HDMI2.1」にも有償アップグレードで対応することを想定しているという。本機の質量は23.3kgとなる。
発表に先立って開催されたプレス向け内覧会では、本機の設計を担当した高橋佑規氏、デノンのサウンドマネージャーを務める山内慎一氏、マーケティング担当の宮原利温氏が製品について説明を行った。以下に本機の詳細について紹介していく。
■AVC-A1HD以来となる「真のフラグシップAVアンプ」
デノンの従来のフラグシップAVアンプは2015年5月に発売された「AVR-X7200WA」で、AVC-X8500Hはその後継モデルという位置付けになる。ただし、AVR-X7200WAが35.5万円だったのに対して、AVC-X8500Hは48万円と価格帯は異なる。同社はAVC-X8500Hを、2007年に発売された一体型AVアンプのフラグシップ「AVC-A1HD」(57万円、関連ニュース)以来のハイエンドモデル、“真のフラグシップAVアンプ”と位置づけて開発を行ったという。
本機の開発には約3年を要したとのこと。それもあり、「AVR-X6400H」など本機に先行するAVアンプに搭載された技術の中には、AVC-X8500Hへの採用を前提としてそもそも開発されたものが多数あるとのこと。また、リーマンショックや東日本大震災などの影響もあってAVC-A1HDの後継といえるモデルの開発が長い間難しかったが、高級クラスのAVアンプへの要望の高まりや最新DSPの開発などもあり、このタイミングでAVC-X8500Hの実現に至った。なお、本機の設計を担当した高橋氏は、AVC-A1HDの開発にも携わっていた人物だ。
■全13ch同時出力は1,557W。全chを独立基板および独立電源供給とする
同社が“モンスターAVアンプ”とも呼ぶAVC-X8500Hは、13chアンプを内蔵する(ちなみにAVC-A1HDは7chアンプ搭載)。1筐体にこの13chアンプを収めつつ、全チャンネル同一クオリティおよび独立電源供給を実現している。スペック上の実用最大出力として260W(定格出力は150W/ch)を可能としていることに加え、全チャンネル同時出力の測定値は13ch同時駆動時で1,557W、11ch同時駆動時で1,471W(いずれもTHD+N:0.7%)になるという。
こうした強大な出力、そして全chにわたるクオリティを実現するべく、パワーアンプ部はモノリス・コンストラクションとして、各アンプ回路をチャンネルごとに独立させた個別基板としている。これにより、チャンネル間のクロストーク、振動による音質への影響を徹底して排除することができ、チャンネルセパレーションを高めて純度の高いサウンドおよび音場再現が可能になるとする。
また、増幅素子にはHi-Fiアンプの設計思想を踏襲した大電流タイプのパワートランジスター「Denon High Current Transistor(DHCT)」を採用。このDHCTを大型ヒートシンクの上に格子状にレイアウトし、さらにヒートシンク全体をカバーする2mm厚の銅板を追加することで放熱性能を追求。大音量時でも安定したスピーカー駆動を可能とする。
次ページ重さ8.2kgのEIトランスを搭載。強力な電源部を実現