デノン、13ch／約1600W出力の “モンスター級” AVアンプ「AVC-X8500H」。HDMI 2.1やAlexaにも対応予定

ネットワークオーディオ機能には、ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」の機能も搭載。簡単なセットアップで、SpotifyやAWAなどの音楽ストリーミング、インターネットラジオ、NASやUSBメモリーなどに保存したローカル音源を、「HEOS」アプリからの直感的な操作で再生することができる。マルチルーム再生機能も特徴で、上述の様な音源を同ネットワーク内のHEOS対応機器へ配信したり、同期させて再生することもできる。

なおHEOSについては、すでに北米でAmazonの音声アシスタント機能「Alexa」に対応。国内でもすでに準備状態となっており、Amazon側の状況が整い次第、本機を含むHeos対応モデルがAlexaに対応できるという。

iOSデバイス／Android／Kindle Fire向けに専用アプリ「DENON 2016 AVR Remote」を用意。入力切り替えなどの基本的な操作が可能。前述の「HEOS」アプリとのも連携する。

SBC、AACコーデックに対応したBluetoothも内蔵している。チューナーは非搭載だが、「チューナーを搭載しない分、北米モデルよりも音質面ではさらに有利」（高橋氏）とのことだ。

■天井を含む全方向にわたって厚みと繊細さを兼ね備えたサウンド

プレス向け内覧会では、短時間ながら実際にAVC-X8500Hのサウンドを確認することができた。デノンの試聴室には7.2.6chスピーカーが用意されていた。フロア5.1chがB&W800シリーズで、フロント「802 D3」、センター「HTM1 D3」、サラウンド「804 D3」という構成。サラウンドバックはDALI。トップ6chは天井埋め込みスピーカーだ。

『ブレード・ランナー』の冒頭や『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のカーチェイスを再生すると、ステレオ再生で802 D3を悠々と鳴らす高い駆動力を、全チャンネルに渡って備えていることが実感できる。天井を含む全方位、全帯域にわたる分厚い音が、「点」ではなく「面」で押し出してくる。なおかつ瞬発力もすさまじい。高橋氏は「ドルビーアトモス収録等のソフトではトップスピーカーにも低音をしっかりと割り振っているものも多いが、全13chにわたって同一クオリティの本機であれば、こうしたソフトも余裕を持って鳴らせる」と説明していた。

その一方で『ラ・ラ・ランド』のエピローグのシーンでは、音楽主体のシーンを、むしろ壁が消えるようなサウンドステージの広がりで描き出す。各楽器のセパレーションも実に優れているのだが、S/Nや歪みの少なさによる音の余白・背景や“間”の静寂感も際立っていることも、こうした音場表現に繋がっているのだろう。また、ピアノなどアコースティックな楽器の質感をしっかりと再現していることも印象に残った。山内氏の言う「繊細さと力強さを高い次元でバランスさせている」という言葉を、試聴を通して実感することができた。

■主な仕様

HDMI以外の入力端子については、映像がコンポジット入力×4、コンポーネント入力×3、コンポジット出力×2（モニター×1、ゾーン2×1)、コンポーネント出力×1を搭載。音声はアナログRCA入力×7、フォノ入力×1、7.1chアナログ入力×1、光デジタル入力×2、同軸デジタル入力×2、15.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドホン出力×1を備える。

そのほか、Denon Link HD端子、LAN端子、USB-A端子（フロント、音楽再生用）、USB-A端子（5V/1.5A、給電専用）などを備えている。

消費電量は900W（待機時最小0.1W）。外形寸法は434W×195H×482Dmm（アンテナを寝かせた場合）、質量は23.3kg。