2018年方針説明会を開催
DAZN、ダウンロード視聴対応へ。Jリーグ中継はカメラ台数増加
また、DAZNはユーザーのネット回線状況などを判断して自動で画質が変動する仕組みだが、HD画質で視聴できているユーザー数が増えていると紹介。「(DAZN側の設備増強や技術革新によって)この5ヶ月でかなりHD視聴ユーザー数も改善してきた。HD品質の配信をさらに届けられるようにしていきたい」とした。なお4Kへの対応については「(将来的な対応も視野に)コンテンツホルダーとの連携を深めていきたい」と答えるにとどめた。
DAZNは2016年8月のサービスインから1年間で、加入者数100万人を突破。「具体的な数字は言えないが、以後も同じペースで加入増が続いている」という。「Jリーグとの提携も大きく寄与したが、メイウェザー対マクレガー戦の独占生中継など、単発イベントでも加入者が大きく伸びた」(DAZN マーケティング・パートナーシップ バイスプレジデント 大崎貴之氏)。。
しかも、こうした単発イベント目当てでの加入した後も契約を続けるユーザーが多いとのことで「興味を持ってもらえそうな周辺のコンテンツをしっかりプロモーションして楽しんでもらえたことで、想定していたより解約が少なかった」とした。
また、DAZNは契約を一時停止しておけるポーズ機能も用意しており、同機能もかなり好評だと説明。「シーズンオフに解約して開幕したら入り直すという手間がかからない。これに代表されるようにDAZNは非常にユーザーフレンドリーなサービスだ」とアピールする。
また大崎氏は「Jリーグの試合観戦でスタジアムに行くと、並行して行われている他会場の試合をDAZNで観たり、生観戦している試合中のリプレイをその場でチェックしたりといったシーンを見かけることがあった。(自宅などで観るだけではない)立体的な視聴体験が出てきているなと感じる」とコメント。
2018年のマーケティング活動においては「我々にはスポーツビジネスに深く携わってきたスタッフも多い。ただ単純に試合会場でブースを展開するなどではなく、そうしたスタッフが情熱を持って、コアなファンの方々に『わかってるね』と感じてもらえるような活動をして、スポーツを次のレベルに持っていきたい」と語った。
■「まだこれは序章に過ぎない」
会場には、Jリーグの村井満チェアマンと、DAZNのアンバサダーを務めるボクシングの村田諒太選手もゲストとして登場。
村井チェアマンは「JリーグはDAZNと組んで大きく変わった。DAZNにも協力を仰ぎながら初めて自分たちで映像制作を行うようになり、その映像をSNSなどで積極的に拡散することで大きな反響を得られた」とコメント。
「こうした活動の結果、2017年シーズンは過去最高の入場者数を記録した。また、Jリーグは観戦者の平均年齢が年々上がり続けていたのだが、ファン層の拡大ができ、J1では観戦者平均年齢が初めて下がった。これもDAZNとのパートナーシップのおかげだ」と述べた。
また、今季からJリーグは「フライデーナイトJリーグ」と銘打ち、金曜日の夜にも試合を行うが、これもDAZNとの連携によるもの。「Jリーグ各クラブには『週末でないと集客が下がるのでは』という懸念を持つところも多かったが、我々(Jリーグ)の会議にDAZNも参加してもらい、欧州での実績データを紹介してもらうなどで各クラブも納得できた」とし、「『週末は家族や恋人と過ごしたいのだけど試合は見たい。平日だったら観られるのに…』という層がいることもデータで分かった」(村井チェアマン)という。
村田選手はボクシング以外の競技をDAZNでよく観戦するとのことで、「ボクシングだけだとなかなか見えてこないものもある。サッカーではどういう体の動かし方をしているのかなど、他のスポーツを観て気づくことも多い」と語った。
そのほか会見でジェームズ・ラシュトンCEOは、テレビ/PC/スマートフォン/タブレットなどマルチデバイスでDAZNを視聴できることに触れ、PS4/PS3やAmazon Fire TVなども含めて「日本では90%以上のデバイスでDAZNを利用できる」と紹介。「スポーツを観るためにはテレビが必要という考えをユーザーに強制したくない。次世代のファンは自宅でも屋外でもマルチデバイスでスポーツを消費するようになってきている」と、DAZNが新たなニーズに応えるサービスであるとした。
また、日本において2,000万時間超のライブ中継を行ってきたこと、多様なコンテンツを揃えていることもアピール。「まだこれは序章に過ぎない。これからもっとサービスを拡充していきたいし、そのための投資を惜しまない」と語った。