メッセ・ベルリン、イエンズ・ハイテッカー氏らに訊く
<IFA GPC>IFA NEXTで日本は輝けるのか?4人のキーマンに聞く「IFA2019の見どころ」
世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA2019」が9月6日から11日まで開催される。今年のイベントの見どころを4人のキーマンにインタビューした。
■IFA NEXTの初代グローバルパートナー国に日本が決定
2017年からIFAと併催されているスタートアップのイベント「IFA NEXT」には、欧州を中心に世界のスタートアップが多数参加することから今年は早くも熱い視線が注がれている。さらに今年はIFA NEXTとして初めての試みとなる「グローバル・イノベーション・パートナー」のプログラムがスタートする。第1回目のパートナー国に日本が選ばれた理由など、今年のIFAのハイライトをメッセ・ベルリン IFAグローバル統轄本部長のイエンズ・ハイテッカー氏に、IFAグローバル・プレスカンファレンスに参加した日本人記者一同でグループインタビューした。(以下、登場人物コメント部は敬称略)
――IFA NEXTグローバル・イノベーション・パートナーとはどのようなプログラムなのでしょうか。
ハイテッカー:IFA NEXTは今年3回目を迎えます。これまでIFA NEXTを実施してきて、ジャーナリストやトレードビジターだけでなく、足を運んでいただいた行政関係者、業界団体の方々からも大変に良い反響をいただいています。イベントを次のステージに高めるために、今回初めて世界のイノベーションにスポットライトを当てるためのグローバル・イノベーション・パートナーという枠組みを用意しました。
いくつかの国・地域に呼びかけてきましたが、初めてのパートナーが日本に決定したことをとても嬉しく思っています。言うまでもなく日本はテクノロジー先進国であり、豊かな可能性のあるスタートアップが多く立ち上がっています。この機会にぜひ、IFAに集まる多くの方々に日本のイノベーションに触れてほしいと期待しています。
――グローバル・イノベーション・パートナーの出展は他と違うのでしょうか。どのようなものが出展されると期待していますか。
ハイテッカー:IFA NEXTのホールレイアウトは今年も変わらず「ホール26」で大規模に行います。パートナー国である日本のブースロケーションはとっておきの場所をご用意したいと考えています。サークル状の展示ブースのセンターにあるプレゼンテーションスペースでの発表会・説明会も有意義にお使いいただきたいと思っています。
出展内容についてはメッセ・ベルリンがパートナー国に何かを期待するという立場にはありません。むしろ、日本の出展者の皆様にIFAを最大限に活用してもらいたいと考えています。特に日本の国内外の出展者どうしがIFA NEXTに出展したことによってつながって、良い「コ・イノベーション」が生まれてほしいと願っています。
出展者の皆様にはIFAの可能性を最大限に活用してもらいたいと思います。時代はグローバルイノベーションの方向に向かっています。もはやエレクトロニクスが単体で孤立したまま成長する時代でもありません。私たちは皆、国の外に出てチャレンジしながら、外部からのアイデアに対してオープンマインドに構えてイノベーションのチャンスを求めています。日本のブランド力、技術力は高いレベルにあり、世界から注目されているということを、出展いただくパートナーの皆様にぜひ意識してほしいと思います。
――日本からIFAへ視察に訪れるトレードビジターがこの頃増えていると聞きます。実際の反響はいかがですか。
ハイテッカー:日本からも多くの販売店、トレード関連の方々に足を運んでいただいていることは私たちにとって大きな励みになっています。皆様にIFAの魅力をお伝えすることに引き続き注力して参ります。
トレードビジターの方々からは、IFAがその年のクリスマスセール(年末商戦)前に主力となる商品を見つけて、この場所で有意義な商談ができる貴重な機会であるというコメントを多くいただいています。確かに、日本からベルリンは近くはありません。でも、年に一度、とても効率良くエレクトロニクスの現状と良い製品を視察できる場所であることを考えれば、足を運んでいただく価値があろうかと思います。毎年ラスベガスで開催されているCESに比べると、IFAの会場はコンパクトで回りやすいので、2・3日も滞在すればイノベーションの全貌に触れることができます。
メッセ・ベルリンではIFAの成功モデルを、毎年中国で開催している姉妹イベントのCE Chinaにも持ち込んで大きな反響を得ています。中国本土を舞台に多くのブランドと出会える場所であり、トレードビジターの方々にブランドの戦略、主力商品を知っていただくためのプレゼンテーション「IFA Retail University」が特に注目されています。こちらにも足を運んでいただければ、多くのトレードビジターの方々に新たなブランド、商品との出会いをつかんでいただけるのではないでしょうか。今年は9月19日から21日までの3日間、中国広州市で開催します。
――ゼンハイザーと共同で発表した「IFAグローバル・オーディオ・パートナー」とは何ですか。ほかの分野にも同様のパートナーシップを今後発表されるのでしょうか。
ハイテッカー:昨今スマートオーディオへの関心が世界的に高まっています。一方で利便性の側面にばかり目が向きがちで、肝心の音質にも人々の注目が注がれるべきではないかと考えていたところ、オーディオのスペシャリストであるゼンハイザーに賛同をいただきました。ゼンハイザーは今年のIFAの「オーディオ」分野のグローバル・パートナーです。今年は唯一のパートナーですが、来年以降も展開するとしたらエクスクルーシブな関係ではありません。また他の出展分野にもグローバルパートナーを設けることについては今のところ考えていません。
――昨年から始まったIFAの期間中に併催されるコネクテッドカー、モビリティのイベント「Shift Automotive」に今年は展示スペースも設けられるのでしょうか。
ハイテッカー:Shift Automotiveはオートモーティブ産業のことばかりを取り上げるイベントではありません。未来のデジタルモビリティがメインテーマです。デジタルモビリティといえば、自動車以外にも様々な交通手段、インフラやこれを制御するためのネットワーク管理システム、サービスも含む全てのテクノロジーが集まるテーマです。今年は富士通、Smartの参加が決定しています。
昨年はトーク・ピッチセッションが中心のイベントでしたが、今年は展示スペースも設けられる予定です。ただ、現時点でどのような展示になるのか詳細は申し上げられません。出展の可能性のある多くの企業、スタートアップの方々とディスカッションをしているところです。開催期間は9月10日・11日の2日間です。日本の方々にも出展のお声かけをしています。IFA NEXTのグローバル・イノベーション・パートナーの取り組みの中でも一緒に面白いことができればと期待しています。
――今年は写真・映像関連の展示会・見本市である「フォトキナ2019」の開催が見送られました。出展を予定していた企業がIFAに軸足を移したり、影響はありそうですか。
ハイテッカー:フォトキナの件については慎重にコメントしなければならないと思っています。なぜならいまフォトキナの将来像については様々なシナリオが議論されているからです。ここでその内容について詳しく触れることはしませんが、2020年のフォトキナは5月に開催されることが決まっているようです。私たちとしては、IFAが開催される9月はカメラ業界にとっても、特にクリスマス商戦に向けた良いセールスシーズンであることを強調しておきたいと考えています。
■日本はIFA NEXTで何を見せるのか
IFA NEXTのグローバル・パートナー国を代表して、日本から経済産業省の商務情報政策局長である西山圭太氏がIFAグローバル・プレスカンファレンスに参加して、日本人記者からのグループインタビューに応じた。西山氏からはイベントを成功させるための戦略が語られた。
■IFA NEXTの初代グローバルパートナー国に日本が決定
2017年からIFAと併催されているスタートアップのイベント「IFA NEXT」には、欧州を中心に世界のスタートアップが多数参加することから今年は早くも熱い視線が注がれている。さらに今年はIFA NEXTとして初めての試みとなる「グローバル・イノベーション・パートナー」のプログラムがスタートする。第1回目のパートナー国に日本が選ばれた理由など、今年のIFAのハイライトをメッセ・ベルリン IFAグローバル統轄本部長のイエンズ・ハイテッカー氏に、IFAグローバル・プレスカンファレンスに参加した日本人記者一同でグループインタビューした。(以下、登場人物コメント部は敬称略)
――IFA NEXTグローバル・イノベーション・パートナーとはどのようなプログラムなのでしょうか。
ハイテッカー:IFA NEXTは今年3回目を迎えます。これまでIFA NEXTを実施してきて、ジャーナリストやトレードビジターだけでなく、足を運んでいただいた行政関係者、業界団体の方々からも大変に良い反響をいただいています。イベントを次のステージに高めるために、今回初めて世界のイノベーションにスポットライトを当てるためのグローバル・イノベーション・パートナーという枠組みを用意しました。
いくつかの国・地域に呼びかけてきましたが、初めてのパートナーが日本に決定したことをとても嬉しく思っています。言うまでもなく日本はテクノロジー先進国であり、豊かな可能性のあるスタートアップが多く立ち上がっています。この機会にぜひ、IFAに集まる多くの方々に日本のイノベーションに触れてほしいと期待しています。
――グローバル・イノベーション・パートナーの出展は他と違うのでしょうか。どのようなものが出展されると期待していますか。
ハイテッカー:IFA NEXTのホールレイアウトは今年も変わらず「ホール26」で大規模に行います。パートナー国である日本のブースロケーションはとっておきの場所をご用意したいと考えています。サークル状の展示ブースのセンターにあるプレゼンテーションスペースでの発表会・説明会も有意義にお使いいただきたいと思っています。
出展内容についてはメッセ・ベルリンがパートナー国に何かを期待するという立場にはありません。むしろ、日本の出展者の皆様にIFAを最大限に活用してもらいたいと考えています。特に日本の国内外の出展者どうしがIFA NEXTに出展したことによってつながって、良い「コ・イノベーション」が生まれてほしいと願っています。
出展者の皆様にはIFAの可能性を最大限に活用してもらいたいと思います。時代はグローバルイノベーションの方向に向かっています。もはやエレクトロニクスが単体で孤立したまま成長する時代でもありません。私たちは皆、国の外に出てチャレンジしながら、外部からのアイデアに対してオープンマインドに構えてイノベーションのチャンスを求めています。日本のブランド力、技術力は高いレベルにあり、世界から注目されているということを、出展いただくパートナーの皆様にぜひ意識してほしいと思います。
――日本からIFAへ視察に訪れるトレードビジターがこの頃増えていると聞きます。実際の反響はいかがですか。
ハイテッカー:日本からも多くの販売店、トレード関連の方々に足を運んでいただいていることは私たちにとって大きな励みになっています。皆様にIFAの魅力をお伝えすることに引き続き注力して参ります。
トレードビジターの方々からは、IFAがその年のクリスマスセール(年末商戦)前に主力となる商品を見つけて、この場所で有意義な商談ができる貴重な機会であるというコメントを多くいただいています。確かに、日本からベルリンは近くはありません。でも、年に一度、とても効率良くエレクトロニクスの現状と良い製品を視察できる場所であることを考えれば、足を運んでいただく価値があろうかと思います。毎年ラスベガスで開催されているCESに比べると、IFAの会場はコンパクトで回りやすいので、2・3日も滞在すればイノベーションの全貌に触れることができます。
メッセ・ベルリンではIFAの成功モデルを、毎年中国で開催している姉妹イベントのCE Chinaにも持ち込んで大きな反響を得ています。中国本土を舞台に多くのブランドと出会える場所であり、トレードビジターの方々にブランドの戦略、主力商品を知っていただくためのプレゼンテーション「IFA Retail University」が特に注目されています。こちらにも足を運んでいただければ、多くのトレードビジターの方々に新たなブランド、商品との出会いをつかんでいただけるのではないでしょうか。今年は9月19日から21日までの3日間、中国広州市で開催します。
――ゼンハイザーと共同で発表した「IFAグローバル・オーディオ・パートナー」とは何ですか。ほかの分野にも同様のパートナーシップを今後発表されるのでしょうか。
ハイテッカー:昨今スマートオーディオへの関心が世界的に高まっています。一方で利便性の側面にばかり目が向きがちで、肝心の音質にも人々の注目が注がれるべきではないかと考えていたところ、オーディオのスペシャリストであるゼンハイザーに賛同をいただきました。ゼンハイザーは今年のIFAの「オーディオ」分野のグローバル・パートナーです。今年は唯一のパートナーですが、来年以降も展開するとしたらエクスクルーシブな関係ではありません。また他の出展分野にもグローバルパートナーを設けることについては今のところ考えていません。
――昨年から始まったIFAの期間中に併催されるコネクテッドカー、モビリティのイベント「Shift Automotive」に今年は展示スペースも設けられるのでしょうか。
ハイテッカー:Shift Automotiveはオートモーティブ産業のことばかりを取り上げるイベントではありません。未来のデジタルモビリティがメインテーマです。デジタルモビリティといえば、自動車以外にも様々な交通手段、インフラやこれを制御するためのネットワーク管理システム、サービスも含む全てのテクノロジーが集まるテーマです。今年は富士通、Smartの参加が決定しています。
昨年はトーク・ピッチセッションが中心のイベントでしたが、今年は展示スペースも設けられる予定です。ただ、現時点でどのような展示になるのか詳細は申し上げられません。出展の可能性のある多くの企業、スタートアップの方々とディスカッションをしているところです。開催期間は9月10日・11日の2日間です。日本の方々にも出展のお声かけをしています。IFA NEXTのグローバル・イノベーション・パートナーの取り組みの中でも一緒に面白いことができればと期待しています。
――今年は写真・映像関連の展示会・見本市である「フォトキナ2019」の開催が見送られました。出展を予定していた企業がIFAに軸足を移したり、影響はありそうですか。
ハイテッカー:フォトキナの件については慎重にコメントしなければならないと思っています。なぜならいまフォトキナの将来像については様々なシナリオが議論されているからです。ここでその内容について詳しく触れることはしませんが、2020年のフォトキナは5月に開催されることが決まっているようです。私たちとしては、IFAが開催される9月はカメラ業界にとっても、特にクリスマス商戦に向けた良いセールスシーズンであることを強調しておきたいと考えています。
■日本はIFA NEXTで何を見せるのか
IFA NEXTのグローバル・パートナー国を代表して、日本から経済産業省の商務情報政策局長である西山圭太氏がIFAグローバル・プレスカンファレンスに参加して、日本人記者からのグループインタビューに応じた。西山氏からはイベントを成功させるための戦略が語られた。
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