適用範囲や試験方法を見直し
身近になるIoT家電をより安全に、Sマーク認証が遠隔操作に関する運用基準を改正
■Sマークに「RC Ready」の追加表記も
スマホで外出先からも遠隔操作することができる「IoT家電」を集めたコーナーが家電量販店でも目に付くようになった。ますます快適で便利になる私たちの生活を広く紹介するためのものだ。
例えば、「今日は暑いから部屋を涼しくしておこう」と、帰りに最寄り駅に着いたら、スマホでスイッチをオンにして部屋を涼しくできるエアコン。外出先からも運転予約の設定や運転状況の確認ができ、自動運転終了時刻を帰宅のタイミングに合わせれば、帰宅後すぐに洗濯物が干せる洗濯機など、対応する家電や機能は日に日に拡大している。
新しいアイテムとしては、外出先からでもスマホで開け閉めできるスマートカーテン(カーテン自動開閉機)などもある。旅行で長期にわたって不在にする際には、防犯対策として家に人がいるように装うこともできる。
しかし、便利なところに思わぬ落とし穴がある。安心・安全な家電製品を表すSマーク認証では、事故の防止や新製品の出現、新技術の採用による技術革新へ対応するため、「追加基準」あるいは「運用基準」を制定して安全性へ対応している。
有名な例として知られるのが、「電気ケトルのやけど事故」への対応だ。「必要な分だけお湯をサッと沸かせて経済的」「小型軽量で持ち運びもしやすい」など、電気ケトルの人気が急上昇し始めた当初、子どもを中心とした転倒によるやけど事故が多発して社会問題となった。これに対し、追加基準として転倒流水試験を設け、事故防止にいち早く対応した。
外出先から操作できるIoT家電の遠隔操作について、Sマーク認証では2013年5月29日、「エアコンの遠隔操作機構に関するSマーク認証の運用基準」を制定。各メーカーでは電気製品認証協議会(SCEA)が制定したこの運用基準をもとに、スマホのアプリで外出先からもオン・オフや温度調節などの遠隔操作が可能になるエアコンを次々に商品化した。2015年1月15日には、エアコン以外の機器にも適用範囲を拡大できるように運用基準の見直しが行われた。そして2020年5月22日、IoT家電の普及がさらに加速する中で、この2つの運用基準を見直して1つにまとめた、遠隔操作機構に関するSマーク認証の運用基準が新たに制定された。外出先からスマートフォンで操作できるIoT家電に加えて、スマートスピーカーによる遠隔操作について、新たな運用基準を適用し、運用を開始した。
適用範囲は電気製品と遠隔操作機構をあわせたシステム全体に適用するものなのか、或いは、電気製品側だけに適用するものなのか。試験においては、遠隔操作を行うことができる製品の判定方法、通信回線が故障等で途絶した際の遠隔操作される機器に対する安全性の維持、不意な動作に対する抑制対策、公衆回線を利用する場合の安全対策、同時に2カ所以上からの遠隔操作を受け付けない対策、誤操作防止対策、出荷状態における遠隔操作機能の無効化などが定められた。
なお、今回の運用基準では、遠隔操作機構に対するリスクアセスメントの実施が一部の製品に求められ、リスクアセスメントが行われた製品であることを識別する追加表示も定められた。遠隔操作(Remote control)の頭文字をとってRC Readyと表記される。
便利なことに慣れてしまうと、いつしか、どれもが当たり前なこと、信用できるものと過信しがちになる。しかし、危険は身近に潜んでおり、きちんと注意することを忘れてはならない。電気製品を使用、購入する際にも、安全性に対する意識をきちんと持つとともに、正しい使い方を常に心掛けたい。
スマホで外出先からも遠隔操作することができる「IoT家電」を集めたコーナーが家電量販店でも目に付くようになった。ますます快適で便利になる私たちの生活を広く紹介するためのものだ。
例えば、「今日は暑いから部屋を涼しくしておこう」と、帰りに最寄り駅に着いたら、スマホでスイッチをオンにして部屋を涼しくできるエアコン。外出先からも運転予約の設定や運転状況の確認ができ、自動運転終了時刻を帰宅のタイミングに合わせれば、帰宅後すぐに洗濯物が干せる洗濯機など、対応する家電や機能は日に日に拡大している。
新しいアイテムとしては、外出先からでもスマホで開け閉めできるスマートカーテン(カーテン自動開閉機)などもある。旅行で長期にわたって不在にする際には、防犯対策として家に人がいるように装うこともできる。
しかし、便利なところに思わぬ落とし穴がある。安心・安全な家電製品を表すSマーク認証では、事故の防止や新製品の出現、新技術の採用による技術革新へ対応するため、「追加基準」あるいは「運用基準」を制定して安全性へ対応している。
有名な例として知られるのが、「電気ケトルのやけど事故」への対応だ。「必要な分だけお湯をサッと沸かせて経済的」「小型軽量で持ち運びもしやすい」など、電気ケトルの人気が急上昇し始めた当初、子どもを中心とした転倒によるやけど事故が多発して社会問題となった。これに対し、追加基準として転倒流水試験を設け、事故防止にいち早く対応した。
外出先から操作できるIoT家電の遠隔操作について、Sマーク認証では2013年5月29日、「エアコンの遠隔操作機構に関するSマーク認証の運用基準」を制定。各メーカーでは電気製品認証協議会(SCEA)が制定したこの運用基準をもとに、スマホのアプリで外出先からもオン・オフや温度調節などの遠隔操作が可能になるエアコンを次々に商品化した。2015年1月15日には、エアコン以外の機器にも適用範囲を拡大できるように運用基準の見直しが行われた。そして2020年5月22日、IoT家電の普及がさらに加速する中で、この2つの運用基準を見直して1つにまとめた、遠隔操作機構に関するSマーク認証の運用基準が新たに制定された。外出先からスマートフォンで操作できるIoT家電に加えて、スマートスピーカーによる遠隔操作について、新たな運用基準を適用し、運用を開始した。
適用範囲は電気製品と遠隔操作機構をあわせたシステム全体に適用するものなのか、或いは、電気製品側だけに適用するものなのか。試験においては、遠隔操作を行うことができる製品の判定方法、通信回線が故障等で途絶した際の遠隔操作される機器に対する安全性の維持、不意な動作に対する抑制対策、公衆回線を利用する場合の安全対策、同時に2カ所以上からの遠隔操作を受け付けない対策、誤操作防止対策、出荷状態における遠隔操作機能の無効化などが定められた。
なお、今回の運用基準では、遠隔操作機構に対するリスクアセスメントの実施が一部の製品に求められ、リスクアセスメントが行われた製品であることを識別する追加表示も定められた。遠隔操作(Remote control)の頭文字をとってRC Readyと表記される。
便利なことに慣れてしまうと、いつしか、どれもが当たり前なこと、信用できるものと過信しがちになる。しかし、危険は身近に潜んでおり、きちんと注意することを忘れてはならない。電気製品を使用、購入する際にも、安全性に対する意識をきちんと持つとともに、正しい使い方を常に心掛けたい。