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第60回通常総代会を開催

東京都電機商業組合・福田理事長、「組織増強100作戦」は地域電器店にとっての一丁目一番地

公開日 2022/06/03 10:21 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■高齢化する地域社会に地域電器店の存在感を誇示



東京都電機商業組合は、第60回通常総代会を開催。冒頭にあいさつをした福田勝則理事長は「コロナの影響でいろいろな制約を受けたが、買い替え需要や巣ごもり需要の獲得で概ねよい成果を得られたのではないか」と令和3年度の取り組みを振り返った。今年8月に60周年を迎えるにあたり、「意義ある60周年に向け、来年1月の賀詞交換会では、なんとか記念式典を実施したい」と抱負を述べた。

東京都電機商業組合 理事長・福田勝則氏

令和4年度事業計画案の説明で再び登壇した福田理事長は、新型コロナウイルスの感染状況を気に掛けるとともに、「原油価格の高騰や円安の影響を受け、ガソリン料金、電気代料金、さらには食料品全般の価格上昇などによる景気回復の遅れ、また、家電製品の値上げも懸念される」と足元の状況に言及した。

そのようななか、重点取り組みとしてまず挙げるのが「組織増強100作戦」。昨年はコロナ禍で活動も制約され、新規加入は5店と伸び悩んだが、各支部一店の増店を目標に掲げ、新しい加入促進チラシも準備し、引き続き力を入れていく。2つ目に挙げたのはWING(青年部)の組織再編成と拡充。「今後の東京都を支え、次世代を担う経営者が、地区や地域の枠を越えて議論を重ね、活動につなげていく仕組みづくりは大切。組織増強100作戦を補完する重要な事業にもなる」と力を込めた。3つ目は店主の高齢化や後継者不足による売上減の補完、店舗の継続・維持、組合からの脱退阻止を目的とした「協業化システム」の提案、作成。「協業化推進委員会により345店から寄せられたアンケート回答の分析をベースに、現状の検証および方向性を見定め、具体的な協業化システムを構築したい」と訴えた。

東京都電機商業組合は今年8月に60周年を迎える

さらに、令和5年3月31日まで申請受付期間が1年間延長されることになった、東京都が都民の省エネルギー活動を推進するため、省エネ性能の高いエアコンや冷蔵庫に買い替える都民に商品券等と交換できるミポイントを付与する「家庭のゼロエミッション行動推進事業」をはじめ、全国電商連が推進する「スマートライフコンシェルジュ講習会」、「まちのでんきやさん」の延長保証制度の活用店拡大など、多岐にわたる事業への積極的な参加を呼び掛けた。

なかでも今年度で10年目を迎える基本施策「高齢者在宅家電安全点検巡回活動」は、高齢者に対する家電製品の安心・安全の周知にとどまらず、東京都や警視庁とも連携した見守りや特殊詐欺防止の周知を行い、地域電器店の地位向上と地域貢献活動に大きく貢献する。昨年度は160店が参加して、一カ月の期間中に11,576世帯を訪問した。お客様からは多くの喜びの声が寄せられており、本年度も積極的に取り組んでいく。

「組合の基本は相互扶助であり、それを支えるのは組合員の数。しかしながら店主の高齢化や他界による廃業で、本日現在で929店と減少し、非常に危機感を抱いている。冒頭に挙げた組織増強100作戦は、我々にとって一丁目一番地の事業。令和4年度も引き続きお力添えをお願いしたい」と商圏内で存在感を示していく。

■コロナ禍が商売のターニングポイントに



来賓としてあいさつした東京都家電流通協議会 正当番会社となる、パナソニックコンシューマーマーケティング(株)LE首都圏社社長・益守亮一氏は、ここ3年のコロナ禍が商売や日々の活動のターニングポイントになっていると指摘する。「1年目は先行き不透明ななかでの活動だったが、家電事業にはフォローの風が吹いた。しかし、昨年はその反動が少しく出た。そして、本年度はまさに皆様にご苦労、ご心配をおかけする状況となっている」とサプライチェーンの混乱について説明した。「皆様の商売に貢献できるよう、メーカーの責務をしっかりと果たしていきたい」と商品供給の滞りの改善へ向け、全力を注いでいく姿勢を訴えた。

パナソニックコンシューマーマーケティング(株)LE首都圏社社長・益守亮一氏

家庭では日用品、食料品、ガソリン等の値上げが相次ぐなか、「家電も蚊帳の外ではない。お客様に対して、皆様が日々実践されている寄り添う活動を軸にしながら、メーカー各位もしっかりと支援を行っていく」と語る。また、家電のみならず、お客様のためになるリフォームなどの省エネに対する提案強化が、「これからの世の中には必須になってくる」と展望した。

また、コロナ禍はマイナス面だけでなく、「地域電器専門店ではリアルな接点活動で商売を推進されていらっしゃるが、お客様のことを考え、SNS、自店のホームページなどを活用した非接触でできる提案活動が、この3年で大きく進展している」とプラス面にも目を向け、デジタル化へ向けた支援体制も加速していく。

「カーボンニュートラルやSDGs、安心安全防犯といった提案に我々もさらに力を入れていいきたい。いよいよ気温も上がってきて、まもなく夏商戦を迎える。エアコン、冷蔵庫を中心に、皆様としっかり商売できるよう取り組んでいく」とあいさつを締めくくった。

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