地域事情に精通した販売が強み
高齢化が進む地域社会の拠り所になる「街のでんきやさん」。「パナハートおおさわ」(埼玉・長瀞町)を訪ねる
■地域事情に精通したエアコン、テレビ販売が強み
埼玉県秩父郡長瀞町のパナソニックショップ「パナハートおおさわ」は、4月3日(土)・4日(日)の両日に創業61周年を記念した創業祭を開催すると同時に、「ネットワーク&エコハウス(N&E)」として新たなスタートを切った。
創業当時には町営住宅の庭先に商品を野積みにして営業を行っていたという。61年を経て御年86歳となった大沢昭夫会長もバリバリの現役。大沢貢社長を中心に、ひまわりスタッフを含めた3名体制で、約650世帯のお客様をフォローする。
一年前となる昨春は、節目となる“満60年”を迎えての創業祭となった。「新型コロナの感染が徐々に拡大していくなかで、本当に悩みに悩んだ末に開催することを決断しました」と振り返る大沢貢社長。しかし、そこには多くのお客様がお祝いに駆けつけ、数多くの商品を購入され大盛況だったという。まさに同店が地域に根差し、多くのお客様に愛されていることの証と言えるだろう。
コロナの影響により、その後、一時的に売上げが落ち込んだものの、特別定額給付金の給付をきっかけにエアコンや冷蔵庫が動き始め、猛暑の後押しもあって好調に推移。「地デジ切り替え時に購入されたテレビの買い替え需要も、昨夏くらいから目に見えて増え始めました」とすっかり持ち直した。年明けには珍しく冷蔵庫が立て続けに売れるなど好調を持続。ところが、「3月に入ると動きがピタリと止まってしまいました。修理の電話1本すらかかってこないものですから心配になりましたが、3月後半からまた動き始めました」。
昨年秋口には大きなリフォーム案件もあったが、「前々から話が進んでいたもので、リフォームそのものは、年間ではまだ数件に過ぎません。売上げに占める構成比も1割にも及ばず、中心となるのはやはり家電販売です」と地域のお客様へのきめ細かなフォローによる大型家電の買い替えが大きな柱だ。
現在、販売ウエイトが最も大きいのがエアコン。「山中の集落になりますから、取り付けにはそれぞれの住宅事情にあわせた工夫が必要となる場合が少なくありません。配管を一度廊下に出し、そこから穴をあけて下に通したり、また、天袋に通したりしたこともあります。量販店では腰が引けてしまうようなケースも珍しくないようで、実際に取り付ける場所の状況を量販店で説明されたお客様が、『地元の電気店にお願いされた方がいいですね』と言われたこともあるそうです」と説明する。
テレビについても同様だ。お客様の住まいがある場所により、電波障害のケースは個々に異なるという。「アンテナの向きひとつとっても、必ずしも中継局の方角が良いとは限りません。敢えて山の方に向けてやることで、そこから反射して良く映るケースもあります」とひとつひとつ丁寧に対応していく。「お客様にどう納得いただくか。経験ですよ」と目を細める。
現在の年商は約4,000万円だが、「ピーク時には倍くらいのスケールがありました」と語る大沢昭夫会長。「昔は世帯人員も5人、6人というのが当たり前でしたからね。それが今は高齢のご夫婦や単身世帯ばかりになってしまいました。購買力が落ちるのも当然です」と60年もの月日が流れ、商圏の様子も大きく変化している。
しかし、そんな高齢化時代を迎えたいまだからこそ、地域にとってなくてはならない存在感が一層際立つ。「田舎ですから新型コロナの感染者数も実際には増えているわけではなく、ピリピリと張り詰めた感じもありません。ただ、ご高齢のお客様が多いため、大手を振ってお客様のお宅を訪問するのはまだむずかしいですね」と語る大沢貢社長。
それでもコロナ対策に万全を配し、「これから暖かくなりますから、エアコン点検の声掛けなども行っていきたいですね。エアコン取り付けの繁忙期に修理が重なってしまったら大変ですから」と訴える。そして何より、「ご年配のお客様の中には、話し相手として私たちが来るのを待ち望んでいる方も少なくありませんから」と顔をほころばせる。地域のお客様の心の拠り所として愛され続け、61年目の春を迎えた。
埼玉県秩父郡長瀞町のパナソニックショップ「パナハートおおさわ」は、4月3日(土)・4日(日)の両日に創業61周年を記念した創業祭を開催すると同時に、「ネットワーク&エコハウス(N&E)」として新たなスタートを切った。
創業当時には町営住宅の庭先に商品を野積みにして営業を行っていたという。61年を経て御年86歳となった大沢昭夫会長もバリバリの現役。大沢貢社長を中心に、ひまわりスタッフを含めた3名体制で、約650世帯のお客様をフォローする。
一年前となる昨春は、節目となる“満60年”を迎えての創業祭となった。「新型コロナの感染が徐々に拡大していくなかで、本当に悩みに悩んだ末に開催することを決断しました」と振り返る大沢貢社長。しかし、そこには多くのお客様がお祝いに駆けつけ、数多くの商品を購入され大盛況だったという。まさに同店が地域に根差し、多くのお客様に愛されていることの証と言えるだろう。
コロナの影響により、その後、一時的に売上げが落ち込んだものの、特別定額給付金の給付をきっかけにエアコンや冷蔵庫が動き始め、猛暑の後押しもあって好調に推移。「地デジ切り替え時に購入されたテレビの買い替え需要も、昨夏くらいから目に見えて増え始めました」とすっかり持ち直した。年明けには珍しく冷蔵庫が立て続けに売れるなど好調を持続。ところが、「3月に入ると動きがピタリと止まってしまいました。修理の電話1本すらかかってこないものですから心配になりましたが、3月後半からまた動き始めました」。
昨年秋口には大きなリフォーム案件もあったが、「前々から話が進んでいたもので、リフォームそのものは、年間ではまだ数件に過ぎません。売上げに占める構成比も1割にも及ばず、中心となるのはやはり家電販売です」と地域のお客様へのきめ細かなフォローによる大型家電の買い替えが大きな柱だ。
現在、販売ウエイトが最も大きいのがエアコン。「山中の集落になりますから、取り付けにはそれぞれの住宅事情にあわせた工夫が必要となる場合が少なくありません。配管を一度廊下に出し、そこから穴をあけて下に通したり、また、天袋に通したりしたこともあります。量販店では腰が引けてしまうようなケースも珍しくないようで、実際に取り付ける場所の状況を量販店で説明されたお客様が、『地元の電気店にお願いされた方がいいですね』と言われたこともあるそうです」と説明する。
テレビについても同様だ。お客様の住まいがある場所により、電波障害のケースは個々に異なるという。「アンテナの向きひとつとっても、必ずしも中継局の方角が良いとは限りません。敢えて山の方に向けてやることで、そこから反射して良く映るケースもあります」とひとつひとつ丁寧に対応していく。「お客様にどう納得いただくか。経験ですよ」と目を細める。
現在の年商は約4,000万円だが、「ピーク時には倍くらいのスケールがありました」と語る大沢昭夫会長。「昔は世帯人員も5人、6人というのが当たり前でしたからね。それが今は高齢のご夫婦や単身世帯ばかりになってしまいました。購買力が落ちるのも当然です」と60年もの月日が流れ、商圏の様子も大きく変化している。
しかし、そんな高齢化時代を迎えたいまだからこそ、地域にとってなくてはならない存在感が一層際立つ。「田舎ですから新型コロナの感染者数も実際には増えているわけではなく、ピリピリと張り詰めた感じもありません。ただ、ご高齢のお客様が多いため、大手を振ってお客様のお宅を訪問するのはまだむずかしいですね」と語る大沢貢社長。
それでもコロナ対策に万全を配し、「これから暖かくなりますから、エアコン点検の声掛けなども行っていきたいですね。エアコン取り付けの繁忙期に修理が重なってしまったら大変ですから」と訴える。そして何より、「ご年配のお客様の中には、話し相手として私たちが来るのを待ち望んでいる方も少なくありませんから」と顔をほころばせる。地域のお客様の心の拠り所として愛され続け、61年目の春を迎えた。