国内の展示会に初登場
アルファードが「立体音響空間」に!Dolby Atmos for Carsの没入感に驚いた
ドルビージャパンは、2023年1月25日(水)〜27日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第15回 オートモーティブワールド」に出展し、「Dolby Atmos for Cars」の体験デモブースを展開する。これに先駆け、メディア向けの体験会が実施された。
日本国内の展示会でDolby Atmos for Carsを体験できる実車を展示するのは初の試み。体験会の冒頭では、Dolby AtmosやDolby Atmos for Carsについて説明が行われた。
同社のライセンス&エコシステム ディレクターを務める鈴木克典氏は、「ドルビーは、エンターテインメントの世界で、『クリエイターの意図をそのまま視聴者に届ける』ことをミッションとしています。サラウンド技術に対して高さ方向のサウンドも加え、オブジェクトベースの音声データ配置を実現することで制作者の意図を忠実に再現する立体音響技術Dolby Atmosも、映画やドラマ、アニメといった映像作品だけでなく、Dolby Atmos Musicとして音楽コンテンツにも採用が広がっています」と、Dolby Atmosの拡大について語る。
2019年から各社で採用が始まっているDolby Atmos Musicだが、制作サイドでは、ワーナー・ミュージック・グループやユニバーサル・ミュージック・グループをはじめとするレーベルからリリースされている。また音楽ストリーミングサービスは、国内ではApple MusicやAmazon Music、海外では左記に加えてTIDAL、QQ MusicでもDolby Atmosを採用した音楽コンテンツが楽しめるという。
そんななか、ユーザーがDolby Atmosを再生できる環境も広がりを見せている。今回紹介されたDolby Atmos for Carsは、家庭内だけでなく、車でもDolby Atmosを楽しめるようにする技術だ。
Dolby Atmos for Carsは、2021年3月21日にルシードが世界初のDolby Atmos対応車「Lucid Air」を発表したのを皮切りに、中国ブランドのニオ、理想汽車(リ・オート)やシャオペン、そしてメルセデス・ベンツ「Maybach」やポールスター、ロータス、ボルボといった、名だたるメーカーの自動車で採用がはじまっているとのこと。
国内メーカーではパナソニックやヤマハも、Dolby Atmosへの対応を進めている。自動車メーカーだけでなく、車載用ミドルウェアを開発するメーカーにも採用され、強力なエコシステムを築きつつある。
アメリカ・ラスベガスで開催された最大級の規模を誇るエレクトロニクス・ショーの「CES2023」では、Dolby Atmos for Carsに対応したメルセデス・ベンツ「EQE SUV」の市販車が展示。また、「デトロイトモーターショー2022」や「NAMM 2022」といったイベントでも体験の場が提供されていたが、今回初めて国内イベントでもデモカーが登場するということで、今後の日本での展開にも期待が高まる。
Dolby Atmos for Carsは、車に搭載されているスピーカーシステムの構成に応じた2種類の再生ソリューションを用意している。天井スピーカーを搭載している場合は「Configuration A」、天井スピーカーが搭載されていない場合は、バーチャライザーを活用した「Configuration B」が搭載されるという。
今回、イベントでも展示予定のデモカーを体験することができた。デモカーの車種はトヨタ「アルファード」で、7.1.6chのチャンネル数で全21個のスピーカーが搭載されている。
構成としては30mm トゥイーター/170mm ウーファーで1ch構成としたスピーカーを、フロントLR/センター/サラウンドLR/サラウンドバックLRに採用。そして、250mm サブウーファーを1基、50mm トゥイーターをフロントハイトLR/ミドルハイトLR/リアハイトLRに天井スピーカーとして搭載している。また今回のデモカーのチューニングは、セカンドシートのセンター席をリスニングポイントして最適化した調整が施されている。
実際にデモカー内で、7.1.6chのスピーカーをフル活用した「Configuration A」と、天井スピーカーを使用しないDolby Atmos バーチャライザーを使用した「Configuration B」の両方のサウンドを試聴した。
EDMサウンドが特徴的なTiësto & Sevennの『BOOM』をConfiguration Aで聴くと、音楽が始まった途端、楽曲に含まれるキックのダイナミックな重低音に一気に包まれる。ボーカルはフロントガラスのセンターに口元があるように定位し、さまざまなサウンドエフェクトが周囲に散りばめられた。車内全体に隙間なく音が満ちているため、車全体が音楽の中に飛び込んだような感覚を味わうことができる。
Configuration Bで試聴してみると、天井スピーカーがあるときよりもすっきりとしたサウンドになるが、音楽に包まれるような感覚は変わらず体感できた。フロントからサラウンドバックまでの平面的なシステムだけで鳴っているとは思えない、空間再現性の高さを持ち合わせている。
変わってConfiguration Aでクラシック音源を試聴。ジョン・ウィリアムズ『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』に収録されている「帝国のマーチ(『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』から)」は、まるでコンサート会場の前列で聴いているような感覚。フロントガラスの端から端まで楽器隊が並んでいて、各楽器が鳴っている位置が見えてくるような定位感、また車内全体がコンサートホールになったような空気感を体感できた。
今回、特別に映像コンテンツも視聴できた。それぞれの作品の音作りによっても感覚は異なると思うが、BGMとSE、そしてセリフの音のバランスが、「まるで映画館で鑑賞しているかのような」という感覚というより、「作品の中へと入り込んでいるような没入感」の方が強く味わえた。この今までのカーオーディオでは味わうことのできなかった没入感の特徴が、Dolby Atmos for Carsならではの魅力なのだろう。
オートモーティブワールドでのドルビージャパン出展ブースは東5ホール 42-52。ただしオートモーティブワールドはビジネス向けの展示会となるため、一般の方や18歳未満、学生の入場はできない。
日本国内の展示会でDolby Atmos for Carsを体験できる実車を展示するのは初の試み。体験会の冒頭では、Dolby AtmosやDolby Atmos for Carsについて説明が行われた。
同社のライセンス&エコシステム ディレクターを務める鈴木克典氏は、「ドルビーは、エンターテインメントの世界で、『クリエイターの意図をそのまま視聴者に届ける』ことをミッションとしています。サラウンド技術に対して高さ方向のサウンドも加え、オブジェクトベースの音声データ配置を実現することで制作者の意図を忠実に再現する立体音響技術Dolby Atmosも、映画やドラマ、アニメといった映像作品だけでなく、Dolby Atmos Musicとして音楽コンテンツにも採用が広がっています」と、Dolby Atmosの拡大について語る。
2019年から各社で採用が始まっているDolby Atmos Musicだが、制作サイドでは、ワーナー・ミュージック・グループやユニバーサル・ミュージック・グループをはじめとするレーベルからリリースされている。また音楽ストリーミングサービスは、国内ではApple MusicやAmazon Music、海外では左記に加えてTIDAL、QQ MusicでもDolby Atmosを採用した音楽コンテンツが楽しめるという。
そんななか、ユーザーがDolby Atmosを再生できる環境も広がりを見せている。今回紹介されたDolby Atmos for Carsは、家庭内だけでなく、車でもDolby Atmosを楽しめるようにする技術だ。
Dolby Atmos for Carsは、2021年3月21日にルシードが世界初のDolby Atmos対応車「Lucid Air」を発表したのを皮切りに、中国ブランドのニオ、理想汽車(リ・オート)やシャオペン、そしてメルセデス・ベンツ「Maybach」やポールスター、ロータス、ボルボといった、名だたるメーカーの自動車で採用がはじまっているとのこと。
国内メーカーではパナソニックやヤマハも、Dolby Atmosへの対応を進めている。自動車メーカーだけでなく、車載用ミドルウェアを開発するメーカーにも採用され、強力なエコシステムを築きつつある。
アメリカ・ラスベガスで開催された最大級の規模を誇るエレクトロニクス・ショーの「CES2023」では、Dolby Atmos for Carsに対応したメルセデス・ベンツ「EQE SUV」の市販車が展示。また、「デトロイトモーターショー2022」や「NAMM 2022」といったイベントでも体験の場が提供されていたが、今回初めて国内イベントでもデモカーが登場するということで、今後の日本での展開にも期待が高まる。
Dolby Atmos for Carsは、車に搭載されているスピーカーシステムの構成に応じた2種類の再生ソリューションを用意している。天井スピーカーを搭載している場合は「Configuration A」、天井スピーカーが搭載されていない場合は、バーチャライザーを活用した「Configuration B」が搭載されるという。
今回、イベントでも展示予定のデモカーを体験することができた。デモカーの車種はトヨタ「アルファード」で、7.1.6chのチャンネル数で全21個のスピーカーが搭載されている。
構成としては30mm トゥイーター/170mm ウーファーで1ch構成としたスピーカーを、フロントLR/センター/サラウンドLR/サラウンドバックLRに採用。そして、250mm サブウーファーを1基、50mm トゥイーターをフロントハイトLR/ミドルハイトLR/リアハイトLRに天井スピーカーとして搭載している。また今回のデモカーのチューニングは、セカンドシートのセンター席をリスニングポイントして最適化した調整が施されている。
実際にデモカー内で、7.1.6chのスピーカーをフル活用した「Configuration A」と、天井スピーカーを使用しないDolby Atmos バーチャライザーを使用した「Configuration B」の両方のサウンドを試聴した。
EDMサウンドが特徴的なTiësto & Sevennの『BOOM』をConfiguration Aで聴くと、音楽が始まった途端、楽曲に含まれるキックのダイナミックな重低音に一気に包まれる。ボーカルはフロントガラスのセンターに口元があるように定位し、さまざまなサウンドエフェクトが周囲に散りばめられた。車内全体に隙間なく音が満ちているため、車全体が音楽の中に飛び込んだような感覚を味わうことができる。
Configuration Bで試聴してみると、天井スピーカーがあるときよりもすっきりとしたサウンドになるが、音楽に包まれるような感覚は変わらず体感できた。フロントからサラウンドバックまでの平面的なシステムだけで鳴っているとは思えない、空間再現性の高さを持ち合わせている。
変わってConfiguration Aでクラシック音源を試聴。ジョン・ウィリアムズ『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』に収録されている「帝国のマーチ(『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』から)」は、まるでコンサート会場の前列で聴いているような感覚。フロントガラスの端から端まで楽器隊が並んでいて、各楽器が鳴っている位置が見えてくるような定位感、また車内全体がコンサートホールになったような空気感を体感できた。
今回、特別に映像コンテンツも視聴できた。それぞれの作品の音作りによっても感覚は異なると思うが、BGMとSE、そしてセリフの音のバランスが、「まるで映画館で鑑賞しているかのような」という感覚というより、「作品の中へと入り込んでいるような没入感」の方が強く味わえた。この今までのカーオーディオでは味わうことのできなかった没入感の特徴が、Dolby Atmos for Carsならではの魅力なのだろう。
オートモーティブワールドでのドルビージャパン出展ブースは東5ホール 42-52。ただしオートモーティブワールドはビジネス向けの展示会となるため、一般の方や18歳未満、学生の入場はできない。