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ShureやWestone、Fostexなど集結

<ヘッドフォン祭>10万円超の開放型ヘッドホンも専用ブースでじっくり試聴!個性豊かな製品が勢揃い

公開日 2023/04/29 17:58 編集部:成藤 正宣
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ポータブルオーディオの展示試聴イベント「春のヘッドフォン祭 2023」が、本日4月29日に東京・中野サンプラザで開催。本稿では、ShureやWestone、Meze Audio、Audezeなど、完実電気取り扱いブランドが中心となった15階 エトワールブースの様子をお伝えする。

エトワールルームの一角を占めていたのが、(株)静科の可搬式吸音パネル「SHIZUKA-SDM」で囲まれた試聴ブース。賑やかになりがちなイベント会場の中、普段聴ける機会があまりないハイエンドヘッドホン、特に開放型ヘッドホンの音にも集中できるようにと設置されたものだ。

中野サンプラザ 15階 エトワールルームには、吸音パネルに囲まれたハイエンドヘッドホン試聴ブースが。イベントの賑やかさが少し抑えられ、開放型ヘッドホンも聴きやすくしようとの試みだ

本ブースには、グラミー賞受賞のスタジオ・エンジニアが監修したAudezeの平面駆動型ヘッドホン「MM-500」、Meze Audioの平面駆動/密閉型ヘッドホン「Elite」、フォステクスのプレミアム密閉型ヘッドホン「TH900mk2」および開放型「TH909」など、10万円を超える各ブランドの高級モデルが集結。

Audeze、Meze Audio、フォステクスなどの最上位ヘッドホンが集結

接続先の機器も、太陽インターナショナルが取り扱うdCSブランドより、独自のAPEX Ring DAC技術を搭載した「BARTOK APEX DAC」(ヘッドホンアンプ搭載モデル:税込385万円)や、アンプ/DAC/マスタークロックの3筐体に分かれたヘッドホン再生システム「LINA」(3筐体合わせて税込558万8000円)など、決してヘッドホンに位負けしないものが選ばれた。

太陽インターナショナルが取り扱うdCSブランドから、100万円以上のハイエンドDAC/アンプが選ばれた。写真左が「BARTOK APEX DAC」、右が「LINA」システム

また、今後登場予定のモデルも参考出展。Audezeからは、MM-500の弟分として開発中という平面駆動型ヘッドホン「MM-100」が公開。まだ音の出ないモックではあるが、MM-500よりもスマートに引き絞られたヘッドバンドなどの特徴をいち早く確認できる。Meze Audioでは、Eliteの新カラーバリエーション “タングステン” が、装着性を高める新形状のイヤーパッドを装着した状態で披露された。

Audezeから登場予定の平面駆動型ヘッドホン「MM-100」のモックアップ(左)。「MM-500」(右)の弟分で、各部のデザインが変わっていることが分かる

Meze Audio「Elite」の新バリエーションとなる予定の“タングステン”(右)。本モデルの登場とともに、イヤーパッドの仕様変更も行われるとか

さらに、フジヤエービックが取り扱う静電型ヘッドホンブランド Dan Clark Audio(ダン・クラーク・オーディオ)も本ブースで出展。すでに発売中の密閉型モデル「STEALTH」、開放型モデル「EXPANSE」だけでなく、今後登場予定の最新モデル「CORINA」が参考展示された。

フジヤエービックが取り扱うDan Clark Audioより、新モデル「CORINA」が参考出展

Shureブースでは、BAイヤホン最上位モデルの「SE846 第2世代」、リスニング向けイヤホン「AONIC 3/4/5」、昨年デザインや装着感などのリニューアルが行われたモニターヘッドホン「SRH840A」「SRH440A」といった製品を展示。

第2世代に刷新された「SE846」などが登場

特に「SRH840A」「SRH440A」に関しては、本日4月29日から発売となる新アクセサリー「RMCH1-UNI」(税込5940円前後)もトピック。前述の両モデルに付属していない長さ1.2mのリモコンマイク付きケーブルで、新デザインのモニターヘッドホンが普段づかいしやすくなるアクセサリーだ。

モニターヘッドホン「SRH840A」「SRH440A」用ケーブル「RMCH1-UNI」は本イベントと同日発売。スマホなどでも使いやすくなる

その隣に構えるEtymotic Research/Westone Audioブースには、2ブランドの豊富なラインナップが勢ぞろい。Etymoticは初の3BAドライバーイヤホン「EVO」に、シングルBAドライバーイヤホンの定番モデル的位置づけの「ER4SR」「ER4XR」、Westone Audioは昨年8モデルを一斉発表したBAイヤホン “MACHシリーズ” を訴求した。

Etymotic初のマルチドライバーイヤホン「EVO」(イヤーピースはWestoneのもの)

Westone「MACHシリーズ」の中でもブース担当者イチオシという7ドライバーモデル「MACH 70」

フォステクスブースには、こちらも本日4月29日から発売のUSB-DAC「HP-A3mk2」(税込4万5000円前後)が登場。2010年から長い間販売していた「HP-A3」をリニューアルし、192kHzまでの音源再生やUSB Type-C接続など新しい仕様に対応させたモデル。USBバスパワー駆動かつ汎用ドライバーで動作するため、PCにUSBケーブルで繋ぐだけで使い始めることができる。

ロングセラーのUSB-DACをリニューアルした「HP-A3mk2」

同社のヘッドホンもラインナップ

B&O/Devialet/Master&Dynamicの3ブランド合同ブースではそれぞれワイヤレス製品を展開。B&Oはノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレス「Beoplay EX」、Devialetはノイズキャンセリングに加え音響補正技術も搭載する完全ワイヤレス「GEMINI」、Master&Dynamicはノイズキャンセリング搭載Bluetoothヘッドホン「MW75」の試聴機を用意していた。

B&O「Beoplay EX」

Devialet「GEMINI」

加えてMaster&Dynamicは、Bluetoothヘッドホンの新モデル「MH40 Wireless Gen2」を参考出展。名前の通り、既存モデル「MH40 Wireless」の第2世代という位置づけで、新しい40mmチタンドライバーの搭載、最大30時間のバッテリー持ち、aptX Adaptiveコーデックのサポートなど、内部のアップデートが図られているそうだ。

「MH40 Wireless Gen2」は、既存モデルのスペックを刷新した第2世代モデル

メルコシンクレッツの展開するDELAブランドは、同社の最上位ミュージックサーバー「N1」に、アクシスが取り扱うMSB TechnologyのDAC/アンプを組み合わせたシステムを用意。ネットワークオーディオファンの目を引き付けた。

DELAは自社ミュージックサーバーとハイエンドDAC/アンプを組み合わせたシステムを用意

Meze Audioヘッドホンもそばに展開していた

ハイエンドヘッドホン試聴ブースの向かい側には、フューレンコーディネートが取り扱うOCTAVE/Nuprimeブランド製品が展開。DAC/ヘッドホンアンプ/プリアンプの機能が一体となったNuprime「DAC-9X」(税込26万4000円)、ブランド独自の真空管技術が特徴のOCTAVE「V16 Single Ended」(税込220万)で、Meze Audioの平面駆動/開放型ヘッドホン「Empyrean」の音質を引き出していた。

OCTAVE/Nuprimeブランドのヘッドホンアンプで、Meze Audio「Empyrean」を鳴らす

光城精工は、イヤホン「Keyagu」(税込7万5900円)、ポータブルアンプ「Doyagu」(税込11万円)といった真鍮製ポータブルオーディオ製品に加え、オーディオアクセサリーの “Crystal Epシリーズ” を組み込んだヘッドホンシステムも用意。アンプやプレーヤーの空き端子に差し込むことで電位を整え、S/Nなどを改善する “仮想アース” の効果を実演していた。

光城精工では「Keyagu」「Doyagu」など真鍮製ポータブルオーディオ製品を展開

空いているジャックに差し込むことでS/N改善などの効果を発揮する“Crystal Epシリーズ” をヘッドホンシステムでもアピール

この他にも15階では、ロビーにて発売前の製品をふくむ個性豊かな製品が姿を見せる。

地球世界のブースでは、同社が取り扱う多数のブランドのうち、水月雨(MOONDROP)/SIMGOTの2ブランドから発売前の製品を参考出展。水月雨から披露されたのは、ハイブリッド型イヤホン「Blessing3」。既存モデル「Blessing2」の後継に位置づけられ、ダイナミックドライバー(DD)を1基増やした2DD+4BAのドライバー構成を採用する。従来モデルの特徴だった3Dプリンター製フィルターを受け継ぎ、ドライバー間のバランスを調整しつつ、より質の良い低域を再生できるようになったそうだ。

水月雨(MOONDROP)から登場予定の「Blessing3」。3Dプリンター製フィルターが特徴のハイブリッドイヤホン

またSIMGOTの「EW100P」は、10mm DDをひとつ搭載したシンプルかつ手頃な価格のモデル。2pinコネクターでのケーブル着脱にも対応している。同時に、ケーブル固定式モデル「EW100」や、リモコンマイク付モデルもラインナップするとのこと。

SIMGOT「EW100P」は手頃なダイナミック型イヤホン

クラウドファンディングサービスGREEN FUNDINGのブースには、クラウドファンディング実施中の2ブランドが出展。そのひとつConclusionは、高音質でラジオを楽しみたいリスナーに贈るフルデジタルFMチューナー「C-FT100」を展開中。さらに今後、ヘッドホンアンプも発表予定だという。

ConclusionはフルデジタルFMチューナー「C-FT100」(写真中段)をクラウドファンディング実施中。また、過去開発していたヘッドホンアンプ「C-HA1」(写真上段)をもとに新製品も予定しているという

もうひとつのブランドShoksは、オープンイヤー型完全ワイヤレス「OpenFit」を展開。同ブランドが得意としていた骨伝導方式に代わり、新技術「DirectPitchテクノロジー」で音を届けるモデル。開放型ではあるものの音漏れを抑え、さらにしっかりとした低音が楽しめることが長所だとしている。

Shokzの開放型完全ワイヤレスイヤホン「OpenFit」

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