「CRI Full Digital Audio Solution」
<ヘッドフォン祭>CRI・ミドルウェア、スピーカーまでデジタルで駆動する「フルデジタルアンプ」を初出展
CRI・ミドルウェアは、4月29日(土・祝)に中野サンプラザにて開催された「春のヘッドフォン祭 2023」にて、独自のFPGA技術を活用した “フルデジタル” アンプ技術「CRI Full Digital Audio Solution」を披露した。
この技術は、文字通りオーディオ信号の入力から出力までフルデジタルで実現していることに特徴があり、スピーカーまでデジタル信号で送り出されているという。
CRI・ミドルウェアは元々ゲームコンテンツの音声処理技術に強みを持つ会社であり、例えばスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の音声演出や圧縮などにもCRIの技術が搭載されているという。他にも、IoT家電などに組み込まれる音声技術もサポート。そういった、「コスト要求の厳しい」業界で鍛えられたオーディオの技術を、ハイファイオーディオの世界でも活かすことができないかと考えて生まれたのがこの「CRI Full Digital Audio Solution」だという。
「CRI Full Digital Audio Solution」は、音声出力処理を「CRI D-Amp Driver」という独自のソフトウェアで行っている。CRI D-Amp Driverは、PWM変換をするためのFPGAの制御部分と、増幅を行うH-ブリッジから構成されている。いずれもアナログ部がなくすべてデジタルで伝送するためにノイズが少ないこと、また高価なオーディオ専用部品ではなく、汎用的なパーツで組み上げることができるのでコストを抑えることができるという。
また、信号経路上にボリューム回路が入っていないことも大きな特徴。通常のデジタルボリュームでは、ビット落ちによる音質劣化という大きな課題を持つが、このCRI D-Amp Driverでは電源電圧を変動させることで音量を変えることができる。イベントの会場では、試作機の後ろに大型の電圧変動マシンが置かれていたが、これはスピーカーを駆動するためにこのサイズが必要になるということで、ヘッドホンなどより小さい出力でいい場合はもっと小型化することもできるとのこと。
さらに、FPGAにはさまざまなDSPを組み込むことができることもフルデジタルだからこそのメリットのひとつ。CRI・ミドルウェアはルーム補正技術のDiracと国内代理店契約を結んでいるため、たとえばこのフルデジタルアンプとDiracの組み合わせによる音質チューニング、といった展開も期待できそうだ。
発表会では、TADのスピーカー「TAD-MD1」を試作モデルで再生するデモが行われた。女性ジャズヴォーカルの「Round Midnight」では、立ち上がりの良さやベースの低域の切れ味やゴリっとした質感の素直さが印象的。サン・サーンスの「オルガンつき」では、オルガンのスケール感や迫力をしっかり描き出してくる。
ブースの外にはヘッドホンアンプの試作機も用意されており、こちらも素直でストレートな出音という感触。フロントディスプレイに表示されているのがボリューム用の電圧で、かなり細かいボリューム調整ができる模様。この素性をベースにオーディオメーカーがどう音を作り込んでいくか期待も高まる。
CRI・ミドルウェアとしても、最終的な製品を自社で送り出すというより、このプロジェクトに賛同してくれるメーカーに技術を提供し、メーカーの製品づくりをバックアップするような形でのビジネス展開を考えているという。
この技術は、文字通りオーディオ信号の入力から出力までフルデジタルで実現していることに特徴があり、スピーカーまでデジタル信号で送り出されているという。
CRI・ミドルウェアは元々ゲームコンテンツの音声処理技術に強みを持つ会社であり、例えばスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の音声演出や圧縮などにもCRIの技術が搭載されているという。他にも、IoT家電などに組み込まれる音声技術もサポート。そういった、「コスト要求の厳しい」業界で鍛えられたオーディオの技術を、ハイファイオーディオの世界でも活かすことができないかと考えて生まれたのがこの「CRI Full Digital Audio Solution」だという。
「CRI Full Digital Audio Solution」は、音声出力処理を「CRI D-Amp Driver」という独自のソフトウェアで行っている。CRI D-Amp Driverは、PWM変換をするためのFPGAの制御部分と、増幅を行うH-ブリッジから構成されている。いずれもアナログ部がなくすべてデジタルで伝送するためにノイズが少ないこと、また高価なオーディオ専用部品ではなく、汎用的なパーツで組み上げることができるのでコストを抑えることができるという。
また、信号経路上にボリューム回路が入っていないことも大きな特徴。通常のデジタルボリュームでは、ビット落ちによる音質劣化という大きな課題を持つが、このCRI D-Amp Driverでは電源電圧を変動させることで音量を変えることができる。イベントの会場では、試作機の後ろに大型の電圧変動マシンが置かれていたが、これはスピーカーを駆動するためにこのサイズが必要になるということで、ヘッドホンなどより小さい出力でいい場合はもっと小型化することもできるとのこと。
さらに、FPGAにはさまざまなDSPを組み込むことができることもフルデジタルだからこそのメリットのひとつ。CRI・ミドルウェアはルーム補正技術のDiracと国内代理店契約を結んでいるため、たとえばこのフルデジタルアンプとDiracの組み合わせによる音質チューニング、といった展開も期待できそうだ。
発表会では、TADのスピーカー「TAD-MD1」を試作モデルで再生するデモが行われた。女性ジャズヴォーカルの「Round Midnight」では、立ち上がりの良さやベースの低域の切れ味やゴリっとした質感の素直さが印象的。サン・サーンスの「オルガンつき」では、オルガンのスケール感や迫力をしっかり描き出してくる。
ブースの外にはヘッドホンアンプの試作機も用意されており、こちらも素直でストレートな出音という感触。フロントディスプレイに表示されているのがボリューム用の電圧で、かなり細かいボリューム調整ができる模様。この素性をベースにオーディオメーカーがどう音を作り込んでいくか期待も高まる。
CRI・ミドルウェアとしても、最終的な製品を自社で送り出すというより、このプロジェクトに賛同してくれるメーカーに技術を提供し、メーカーの製品づくりをバックアップするような形でのビジネス展開を考えているという。