PCにかかる負荷も低減
ソニー、裸眼3D“空間表示ディスプレイ”の第2世代モデル「ELF-SR2」。大画面化しつつ使い勝手も向上
ソニーは、独自技術により裸眼で高画質な立体映像を実現する“空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)”の第2世代モデル「ELR-SR2」を、2023年6月12日ごろ発売する。価格はオープンだが、市場では税込550,000円前後での実売が予想される。
空間再現ディスプレイは、独自のリアルタイムセンシング技術とアルゴリズムにより、ユーザーの左右の目の位置にリアルタイム連動した映像を生成。「マイクロオプティカルレンズ」という微細なレンズを全面に貼り付けた4Kパネルで表示することにより、目の前に実物が存在するかのような高精細な立体視を裸眼で味わえるというディスプレイ。
2020年に第1世代モデル「ELF-SR1」(以下、SR1)が発売され、3DモデルやVR/ARコンテンツ開発、建築やデザイン、医療、文化財のアーカイブといった分野で活用されてきた。
その第2世代となる本モデルでは、15.6型だったSR1と比較して画面サイズが27型に拡大。立体映像処理や画質の性能も高めることで、より没入感のある立体表示が可能となった。同時に、工業製品や人体の3Dモデルなどの原寸表示も容易となり、デザインや医療といった正確な判断が必要な分野において活用の幅が広がったとする。
さらに、リアルタイムセンシング技術の改良や、PCにかかる処理負荷の低減なども行うことで、使い勝手も向上。製品展示やプレゼンといった “見せる” 用途での普及促進も図った。
まず映像面での特徴として、同社テレビ “ブラビア” のノウハウを活かした「超解像エンジン」を搭載。エッジや高帯域信号を検出し最適な補正をかけることで、27型に拡大した画面においても解像感の高い立体映像を実現したとする。
2Kコンテンツの4Kアップコンバート機能も搭載。本機能を利用することで、接続先PCにかかるグラフィック処理の負荷を抑えることができ、SR1の際よりもGPUスペックの低いPCで使用可能となった。
加えて、大画面で目立ちやすい色モアレも徹底的に補正し、クッキリとした表現を追求。残像感などの原因となるクロストークも、SR1から改良した新アルゴリズムによって補正。左右の視線の角度差や、パネルの局所的な温度変化といったクロストークの原因を低減した。
ディスプレイとしての基本的な映像表示性能も向上。色深度は10bit、色域はAdobeRGB 約100%をカバーし、SR1よりも正確な色再現が可能になったとする。また、映像処理プロセスを再設計したことで、ユーザーによるPCアプリからの個別画質調整にも対応した。
視線を認識するリアルタイムセンシング技術も改良し、「第2世代 高速ビジョンセンサー」を搭載。視線の認識精度や追従性能を高め、低照度環境下での視線や、マスクを装着したユーザーの視線を認識しやすくなったほか、より広い角度の視線を認識可能となった。さらに、SR1ではPC側で行っていた顔認識処理を、本モデルは本体内処理に変更。接続先PCのCPU負荷を大きく抑え込んだ。
使い勝手における大きな改良点として、上述のとおり、接続先PCにかかるCPU/GPU負荷を軽減している。これにより、SR1ではタワー型のデスクトップPCクラスのスペックを要求していたところ、本モデルではゲーミングノートPCでの運用も可能になった。
ひとつの目安として、SR1では快適な動作のために「Nvidia GeForce RTX2070 SUPER」クラスのGPU性能が必要だったそうだが、本モデルではアップコンバート機能を利用することで、より安価なクラスのGPUでも動作するとのことだ。
設置面については、スタンドの着脱に対応。加えて背面に100×100のVESAマウントも搭載し、別売りスタンドやモニターアームへの取り付けが可能となった。なお設置角度については、上に45度傾けた角度がもっとも空間表現能力が高いという。
接続端子には、HDMI 2.0に加えてDisplayPort/USB Type-Cポートも搭載。USB Type-CのDP Alt modeもサポートするため、対応デバイスとUSBケーブル1本で接続して使用できる。ほか、周辺機器接続用のUSB-Aと3.5mmオーディオ出力を備える。スピーカーも内蔵するが、SR1から基数を減らし1Wのモノラル仕様となっている。
無料の独自3Dビューワー「空間再現ディスプレイプレーヤー」含む、様々なアプリケーションに対応。3D製作ツールや医療/教育用アプリ、建築や文化財アーカイブなどで活用されている「点群データ」ビューワーなど、様々な分野のパートナー製アプリをサポートする。2023年内を目処に、Autodesk社の3DCGツール「Maya」のコンテンツをリアルタイムで表示できるようにするプラグインソフトウェアも提供予定とのこと。
アプリ開発者向けに「空間再現ディスプレイSDK2.0」も用意。Unreal Engine4/5やUnity、OpenGL、DirectX11/12といった開発環境をサポートする。
空間再現ディスプレイは、独自のリアルタイムセンシング技術とアルゴリズムにより、ユーザーの左右の目の位置にリアルタイム連動した映像を生成。「マイクロオプティカルレンズ」という微細なレンズを全面に貼り付けた4Kパネルで表示することにより、目の前に実物が存在するかのような高精細な立体視を裸眼で味わえるというディスプレイ。
2020年に第1世代モデル「ELF-SR1」(以下、SR1)が発売され、3DモデルやVR/ARコンテンツ開発、建築やデザイン、医療、文化財のアーカイブといった分野で活用されてきた。
その第2世代となる本モデルでは、15.6型だったSR1と比較して画面サイズが27型に拡大。立体映像処理や画質の性能も高めることで、より没入感のある立体表示が可能となった。同時に、工業製品や人体の3Dモデルなどの原寸表示も容易となり、デザインや医療といった正確な判断が必要な分野において活用の幅が広がったとする。
さらに、リアルタイムセンシング技術の改良や、PCにかかる処理負荷の低減なども行うことで、使い勝手も向上。製品展示やプレゼンといった “見せる” 用途での普及促進も図った。
まず映像面での特徴として、同社テレビ “ブラビア” のノウハウを活かした「超解像エンジン」を搭載。エッジや高帯域信号を検出し最適な補正をかけることで、27型に拡大した画面においても解像感の高い立体映像を実現したとする。
2Kコンテンツの4Kアップコンバート機能も搭載。本機能を利用することで、接続先PCにかかるグラフィック処理の負荷を抑えることができ、SR1の際よりもGPUスペックの低いPCで使用可能となった。
加えて、大画面で目立ちやすい色モアレも徹底的に補正し、クッキリとした表現を追求。残像感などの原因となるクロストークも、SR1から改良した新アルゴリズムによって補正。左右の視線の角度差や、パネルの局所的な温度変化といったクロストークの原因を低減した。
ディスプレイとしての基本的な映像表示性能も向上。色深度は10bit、色域はAdobeRGB 約100%をカバーし、SR1よりも正確な色再現が可能になったとする。また、映像処理プロセスを再設計したことで、ユーザーによるPCアプリからの個別画質調整にも対応した。
視線を認識するリアルタイムセンシング技術も改良し、「第2世代 高速ビジョンセンサー」を搭載。視線の認識精度や追従性能を高め、低照度環境下での視線や、マスクを装着したユーザーの視線を認識しやすくなったほか、より広い角度の視線を認識可能となった。さらに、SR1ではPC側で行っていた顔認識処理を、本モデルは本体内処理に変更。接続先PCのCPU負荷を大きく抑え込んだ。
使い勝手における大きな改良点として、上述のとおり、接続先PCにかかるCPU/GPU負荷を軽減している。これにより、SR1ではタワー型のデスクトップPCクラスのスペックを要求していたところ、本モデルではゲーミングノートPCでの運用も可能になった。
ひとつの目安として、SR1では快適な動作のために「Nvidia GeForce RTX2070 SUPER」クラスのGPU性能が必要だったそうだが、本モデルではアップコンバート機能を利用することで、より安価なクラスのGPUでも動作するとのことだ。
設置面については、スタンドの着脱に対応。加えて背面に100×100のVESAマウントも搭載し、別売りスタンドやモニターアームへの取り付けが可能となった。なお設置角度については、上に45度傾けた角度がもっとも空間表現能力が高いという。
接続端子には、HDMI 2.0に加えてDisplayPort/USB Type-Cポートも搭載。USB Type-CのDP Alt modeもサポートするため、対応デバイスとUSBケーブル1本で接続して使用できる。ほか、周辺機器接続用のUSB-Aと3.5mmオーディオ出力を備える。スピーカーも内蔵するが、SR1から基数を減らし1Wのモノラル仕様となっている。
無料の独自3Dビューワー「空間再現ディスプレイプレーヤー」含む、様々なアプリケーションに対応。3D製作ツールや医療/教育用アプリ、建築や文化財アーカイブなどで活用されている「点群データ」ビューワーなど、様々な分野のパートナー製アプリをサポートする。2023年内を目処に、Autodesk社の3DCGツール「Maya」のコンテンツをリアルタイムで表示できるようにするプラグインソフトウェアも提供予定とのこと。
アプリ開発者向けに「空間再現ディスプレイSDK2.0」も用意。Unreal Engine4/5やUnity、OpenGL、DirectX11/12といった開発環境をサポートする。