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製販一丸となりさらなる飛躍を誓う

秋葉原電気街振興会が新年交歓会を開催。魅力あふれる商品でさらなる需要喚起を

公開日 2024/01/11 10:54 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■インバウンドが好転する市況の牽引役



秋葉原電気街振興会は1月9日、賛助会員や関係企業の関係者が集い、「令和6年新年交歓会」を開催した。主催者挨拶で登壇した会長の小野一志氏は「昨年後半からコロナ禍がひと段落し、秋葉原電気街にも国内外から本当にたくさんの方においでいただけるようになりました。中国からの団体のお客様も戻ってきているように思います」と日常の姿を取り戻した電気街の様子を伝えた。

秋葉原電気街振興会が「令和6年新年交歓会」を開催

この年末年始商戦も賑わいを見せたという。「昨年末はポータブルオーディオ機器、ゲーム機、大小のフィギュアなどをお求めになる方が目立ちました。年が明けて元旦は本当に素晴らしい天気に恵まれ、ここ2、3年はトレーディングカードの店に凄い行列ができ、歩くのもままならない状況でしたが、今年の正月はあちこちに店ができてお客様が分散したことで、歩くのに危険を感じるようなことはなくなりました」。

また、年始の状況について「元日から冷蔵庫や大型テレビをお求めになるお客様もいらっしゃいましたが、どちらかというと国内のお客様はちょっと少ない気がしました。その分を十分に埋め合わせる形で海外からのインバウンドのお客様があり、もしも海外からのお客様がいなかったら厳しい正月の商売になったのではないかと想像され、秋葉原で商売させていただいて本当に良かったと思います」とインバウンドが好転する市況の牽引役となっている。

秋葉原電気街振興会会長 小野一志氏

さらなる需要喚起へ向け、“賃上げ”の問題を最後に取り上げた。「今、国も経済界も賃金を上げようと取り組んでいます。しかし、賃金が上がっても、老後の生活が不安で上がった資金がそちらに回り、消費に回ってこないのであれば経済は決して強くなりません。昔は、『給料が上がったらあれが欲しいね』『ボーナスが出たらあれが買いたいね』という“あれ”の中に、電気製品がたくさん入っていました。ぜひ、今日お集りのメーカーの皆さんには、みんなが飛びつくような電気製品をつくっていただき、需要喚起していただけるようにお願いしたい」と魅力ある製品の登場を訴えた。

■7月開催のパリオリンピックを追い風に



来賓挨拶で登壇したシャープマーケティングジャパン株式会社 首都圏統轄営業部 統轄部長 岡本哲也氏は「2023年は非常に需要の見通しの厳しい、先の読めない一年だったと感じています。国内情勢ではコロナ5類への移行後、経済は少し正常化してきましたが、欧米各国の超インフレが招く円安による物価高騰やエネルギー高騰が家計を圧迫し、ひいては個人の消費マインドの冷え込みにも一部つながるなど、プラスマイナスの要素の入り混じる一年でした」と振り返った。

シャープマーケティングジャパン株式会社 首都圏統轄営業部 統轄部長 岡本哲也氏

2024年のトレンドとして“適正消費”をキーワードに挙げた。「“適正消費”という言葉がよく使われています。ユーザーの消費志向が価格から価値に移り変わってきているということです。これまでは安ければいいと超デフレの進行がありましたが、最近の消費動向を見てみますと、価値を認めたものにはたとえ高くても買い物をされます」と“変化”を指摘する。

そして今後の展開について、「先ほど小野会長から、メーカーは、皆さんの給料が上がったら買いたくなるようなものを作ってほしいというお言葉がありました。しっかりとお客様のニーズを引き出せるような価値あるものを生み出し、流通の皆様と一緒にお客様のもとへ届けていきたい。一丸になって盛り上げていきましょう」と力を込めた。

続いて、献杯の発声で登壇したパナソニックマーケティングジャパン株式会社 量販店営業センター長 齋藤伸英氏は「昨年一年間を振り返りますと、コロナの行動制限が撤廃され、経済が正常に戻った一年だったのではないかと思います。人流が回復し、サービス業やレジャー産業が加速し、経済を活性化させました。インバウンドが復活し、観光地には多くの訪日外国人が訪れました。ただし、残念ながら家電業界に目を向けますと、まだまだ巣ごもり需要の反動や為替の影響、また昨年は先が読めない異常気象によって季節商品が見通せず、今年は物流の課題もあり、引き続き厳しい環境が待ち構えていると予測しています」との見通しを示した。

パナソニックマーケティングジャパン株式会社 量販店営業センター長 齋藤伸英氏

一方、明るい話題として取り上げたのが2024年7月26日〜8月11日にわたって開催されるパリオリンピック。「昨年3月のWBC優勝を皮切りに、グローバルでの日本人選手の活躍が勇気をもたらしてくれました。本年は何と言ってもパリオリンピックがございます。しばらく低迷していたテレビの販売、時差が7時間ありますからレコーダーの販売にもしっかりとつなげていきたい」とスポーツの持つ大きな力に注目した。

「秋葉原という市場は時代とともに大きな変化を遂げてきました。電気の街、サブカルチャーの街としてビジネスポテンシャルはまだまだ高く、我々も新しい付加価値を創出していきたい。業界は常に進化を続けています。皆様方の経験・知識を共有することが将来の成長につながり、その付加価値が秋葉原に新しい風を吹き込んでくれるはずです」と秋葉原電気街のさらなる活躍に期待を寄せた。

東芝コンシューママーケティング株式会社 代表取締役社長 鈴木新吾氏

中締めの挨拶を行った東芝コンシューママーケティング株式会社 代表取締役社長 鈴木新吾氏は「昨年は非常に厳しかったなというのが私の実感です。この令和6年もフォローの風は吹きづらい。まだまだ不透明で、為替の状況もよくない厳しい環境が続きます。そういうなかでは基本に忠実にひとつひとつ取り組んでいくことが大切です。昨年も厳しいなかで、ひとつひとつ着実に取り組んできました。その成果が甲辰の今年に出る、出なくてもその芽が育ち、来年につながる。そういう年になると思います。皆様と一緒にそうした志を持って取り組んでいきたい」と力強い言葉で締めくくった。

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