平井一夫CEOが登壇
ソニー11年ぶりの犬型ロボット、新「aibo」発表。198,000円、1月11日発売
「しかしその後もAIやロボティクスの開発を様々な分野で続けてきた」とし、Cogitaiへの出資や「Partnership on AI」への日本企業初の参加、「Xperia Hello!」や“New Concept Cart”(ニューコンセプトカート)「SC-1」の開発など、ソニーがAKやロボティクスに注力し続けていることを紹介。
そうしたバックボーンの上に開発されたaiboを「人と心のつながりを持って、育てる喜びがあって、愛情の対象となるエンターテイメントロボット」だと表現する。
そして「人々の好奇心を刺激する会社であり続けることがソニーのミッションだと言い続けてきた」とし、aiboがそのミッションを体現するものだと説明。「自ら好奇心を持って人と寄り添いながら、毎日をともに楽しく生活し成長していくaiboが、オーナーの皆さんとともにかけがえのない物語を紡いでくれるものと確信している」と自信を見せた。
開発を担当した川西氏は、「ソニーで唯一自律的、能動的に人に近づき、人に寄り添うプロダクトを作ろうというコンセプトからスタートした」とaiboについて説明。「人との物理的な距離、心の距離のもっとも近いところに寄り添う、『ラストワンインチ』を超えて『ラストゼロインチ』を実現することがaiboの目指した世界だ」と語る。
そしてaiboの特徴は「愛らしさ(デザイン)」「知的認識(センシング)」「表現力(メカトロニクス)」「学習・育成(AI)」の4点だと説明。丸みを帯びたフォルムによって思わず触れたくなるような親近感を演出するデザインを採用したことなどを紹介した。
川西氏は「これは挑戦の始まりにすぎない」とコメント。「AIロボティクス技術を活用し商品やサービスを通じて生活をより刺激的に、豊かに、便利にすることがソニーの使命。好奇心を刺激し続ける存在を目指し、これからも様々な提案をしていく」と語った。
■質疑応答
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.初代aiboとの一番の違いはどこだと考えているのか。
A.先代aiboは1999年発売で2006年に発売停止。それから12年経ち、AI技術、ネットワーク、そしてソニーの強みであるメカトロニクスが進化している。そのなかでも最も違うのはAI性能の進化だろう。
Q.開発に携わった人間としてもう一度aiboを売り出せることをどう感じているのか
A.非常に感慨深い。社内にはロボットを作りたいエンジニアが潜在的に多かった。機が熟してこの日を迎えられたのをうれしく思っている。
Q.今回の新製品にaiboを選んだ理由はなんなのか?
A.ロボットを商品として企画しようとした段階で、もう一度aiboからリスタートしたかったからだ。
Q.先代aiboをまだ使っている人に対する修理サービスの再開などはあるのか。
A.基本的にはサポート終了となる。
Q.主にどういった顧客層を想定しているか。
A.様々なユーザー層を想定しているが、まずは高年齢層かなと思う。比較的年齢層の高いところを考えている。そのほかにも、かわいいデザインなので子供のいる家庭などを始め、幅広く考えている。
Q.人の言葉で会話することはできないのか。
A.企画段階でも社内でモメたが、犬型ロボットなので人の言葉は話さないことにした。やるとしても、そういったものはaiboではなく今後、別の商品でということになるだろう。
Q.将来的にスマートスピーカー機能を追加するような可能性はあるのか。
A.そういった使い方がいいかどうかはまだ分からないが、音声認識はできるようにつくっている。それをどう使うかは今後の検討事項だ。
Q.他社との協業について、もう少し具体的に聞きたい。
A.内部的なOSはLinuxとLOSの組合せでやっており、この環境を全公開するかどうかは検討中だが、そこで動くソフトウェア開発できるものを提供していきたいと考えている。オリジナルモーション制作ソフトの提供との2段構えでやっていく。教育関係や企業の方などがお客様として想定されるが、ケースバイケースで相談させていただきたいと思っている。
Q.サードパーティが新しいソフトを作ったとして、ユーザーはどのようにそれをaiboに入れられるのか。アプリストアのようなものが用意されるのか。
A.ダウンロードストアを用意するような形を考えている。
Q.数量目標を教えて欲しい。
A.非公開だ。予約状況もみながら考えていきたい。
Q.市場をどう見ているのか。先代aibo程度の規模になると思うか、それともそれより大きくなると見ているのか。
A.読みづらい点もあるが、エンタメロボット市場を切り開いたのはソニーなのでここを大きくしてきたい。先代aiboは15万台くらいを出荷した。まずはそれを目指していく。
Q.バッテリーやアクチュエータなどのパーツをどのようにして持続的に提供していくつもりなのか。
A.デバイス関連は出来る限り継続できるような準備をしていく。長期的な部分では、いまの部品が10年間すべて揃っているかというとそうとは限らないだろう。そのためマイナーチェンジは考えられる。そのように継続していきたい。
Q.コジタイの技術を使ってるのか。
A.まだ使っていない。いずれどこかの段階で部分的に入ってくるのかなとは思う。