キーマンにインタビュー
オンキヨーも協力。犬と人間の共生を目指すドッグパーク「AHBASE」は墨田区と共に成長する
AHBは、ペット業界のマーケットが年々活性化する一方で、ブリーダーやペットショップ、飼い主のモラルが問われる現状に問題意識を持ち、動物と人間の共生社会に貢献するための様々な活動を行ってきた。その中で、飼い主の元から離れてしまったペットの譲渡のような部分的な解決はもちろん、ペットの存在、ペットと共に生活することに対する世の中の理解を深めることが大切だと考えたという。
同社の考えに、幅広い分野で社会貢献活動を行うリバースプロジェクトが賛同。「ワンちゃんのために何かできることはないか」と一緒にコンセプトを練り上げ、具現化したのがAHBASEだった。この施設では情報発信と教育という2つの観点から、犬と暮らす人もそうでない人も利用できる施設をつくること、ひいては利用者ひとりひとりの行動を促して、ペットと人間それぞれの幸せをシェアできる循環型社会へと変革していくことを目標にしているという。
■オンキヨーはなぜAHBASEの取り組みに参加したのか
このAHBASEの取り組みにオンキヨーが参加したきっかけは、リバースプロジェクトが地域貢献の一環として、墨田区に本拠を置く企業とのコラボレーションを模索したことだった。同社の呼びかけにオンキヨーも賛同。「音を通じて墨田区の発展に貢献したい」とAHBASEの立ち上げに参加した。
リバースプロジェクトの福島氏は施設をプロデュースする上で、「音にもこだわりたい」と考えたという。それに答えて、オンキヨーは施設の設計段階から参加。設備の提案から実際のインストールまでを行った。
ちょうどその時期、オンキヨーはグループ内にインストール事業を中心に手がけるオンキヨーマーケティングを設立していた。オンキヨーは2000年代初頭から住宅メーカーとコラボしたホームシアター設計を行っていたが、AHBASEから声がかかったタイミングはこの事業を新会社として独立させたタイミングだった。
「気を使ったのは、あえて目立たせるところと目立たせないところのメリハリを付けるところでした」と語るのはオンキヨーの小林氏。スピーカーについては、音質を優先しつつインテリアとの調和にも配慮できるSpeakerCraft社のシーリングスピーカーを採用。サラウンド用スピーカーにはONKYOブランドの「D-PS100」を用いた。
いずれもIntegraブランドのAVアンプで駆動・コントロールされており、ゾーン切り替えで場所ごとに音量をコントロールできる。AHBASEの1階は横長に広いスペースとなっているため、あるときには各場所ごとの独立性を保ちつつ、イベントなどで全体を使用する場合は一体感を演出することが求められる。リバースプロジェクトとオンキヨーで綿密な打ち合わせが重ねられ、最終的な音響設備の仕様が決まった。店内には3機のモニターが設置されているが、これらもIntegraのAVアンプで連動する。
また、調音パネルを使ったルームアコースティックの調整もオンキヨーが担当。Doggies Roomの上方には、同社が取り扱うコスモプロジェクトの調音・消臭パネル「林薫」を配置している。天然の羊毛を用いているというこのパネルは消臭と調音の両方で効果を発揮するという。
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