2022年度の事業報告を発表
JASRAC、2022年度の著作権使用料は徴収/分配とも過去最高額に。音楽教室との協議や私的録画補償金の取り組みも
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、2022年度の事業報告書を発表。著作権使用料について、徴収額、分配額ともに過去最高を更新したことなどを明らかにした。
徴収額は1290億1000万円(前年度比122億8000万円増)。サブスクリプションサービスや動画投稿サービスが好調を維持したインタラクティブ配信に加え、各種行動制限(新型コロナウイルス感染対策)の緩和が追い風となった演奏等も大幅な増となったという。これらを受け、全体として、これまでの過去最高であった2019年度の実績額(1176億9000万円)を上回った。
分配額は1256億4000万円(同96億7000万円増)。インタラクティブ配信が好調を維持したほか、演奏等も大幅な増となり、こちらも、これまでの過去最高であった2020年度の実績額(1206億3000万円)を上回った。
なお、徴収における内訳を見てみると、サブスク配信などのインタラクティブ配信が前年度の374億5000万円から446億6000万円へと大きく伸長。一方で、CDやレコード、BD/DVDなどのいわゆるフィジカルメディアは前年度を下回った。また、新型コロナウイルス対策としての入場定員の制限などが緩和されたコンサートなどの「演奏」ジャンルにおいても前年度の徴収額を大きく上回ったという。
また、分配については、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)から受領する授業目的公衆送信補償金について、分配規程を新たに制定。2023年3月分配期から分配を開始するなどした。
加えて、経常費用の支出が予算内に収まる見込みとなったことから、2023年3月分配期に適用する管理手数料実施料率の一部を引き下げ。また、2023年度予算の策定過程において、経常収益が経常費用を上回る見込みとなったことから、2023年度の各分配期に適用する管理手数料実施料率の一部を引き下げることを決定した。
著作権使用料の徴収・分配における2022年度のJASRACの主な活動としては、YouTubeに関する新たな許諾契約の締結や、メタバースでの音楽利用についての告知、放送番組の同時配信サービスに関しての利用者団体や放送事業者との協議などが挙げられる。YouTubeにおいては、管理楽曲の利用状況をより精緻に使用料の分配に反映させることを目的としてContent IDの活用を本格的に開始した。
音楽教室での演奏が著作権使用料の徴収対象になるか否かについての裁判について判決が確定したのも2022年度のこと。音楽教室における教師の演奏および録音物の再生には著作権が及ぶ一方で、生徒の演奏には著作権が及ばないことが確定した。これを受けJASRACでは、手続きの推進に向け、訴訟を提起した音楽教室事業者らで構成される団体との協議を行ったという。
また、8月にはブルーレイディスクレコーダーを私的録画補償金の対象に追加する内容の著作権法施行令改正案について意見募集が実施されたことを受け、改正に賛成する意見を提出するとともに、18の権利者団体と連名で改正を強く支持する旨のプレスリリースを実施。10月には、JASRACが社員として運営に参画している一般社団法人私的録音録画補償金管理協会(sarah)が私的録画補償金についても指定管理団体となり、ブルーレイディスクレコーダー等に係る補償金の徴収開始に向けた準備を進めた。
そのほか、無断複製したDVDをインターネット上のオークションで販売していた事案など計3件の刑事告訴を行うなど、著作物の違法利用に対する活動も。ファイル共有ソフトを利用して音楽ファイルを無断でアップロードしていた事案1件の刑事告訴を行ったほか、リーチサイト・リーチアプリについて、広告主団体に対する広告出稿抑止の要請、広告事業者に対する広告削除の要請も実施するなどした。
また、CISAC(著作権協会国際連合)が実施している「Creators for Ukraine」と連携して、ウクライナのクリエイターらを支援する取り組みも実施。JASRACからは2022年3月25日に1500万円を送金したほか、6月と9月には委託者および役職員から募った支援金合計199万8000円を送金した。これらの支援金はNGO-UACRR(ウクライナの著作権管理団体)の会員や職員への支援等に充てられたという。
■徴収額は1290億超、分配額は1256億超
徴収額は1290億1000万円(前年度比122億8000万円増)。サブスクリプションサービスや動画投稿サービスが好調を維持したインタラクティブ配信に加え、各種行動制限(新型コロナウイルス感染対策)の緩和が追い風となった演奏等も大幅な増となったという。これらを受け、全体として、これまでの過去最高であった2019年度の実績額(1176億9000万円)を上回った。
分配額は1256億4000万円(同96億7000万円増)。インタラクティブ配信が好調を維持したほか、演奏等も大幅な増となり、こちらも、これまでの過去最高であった2020年度の実績額(1206億3000万円)を上回った。
なお、徴収における内訳を見てみると、サブスク配信などのインタラクティブ配信が前年度の374億5000万円から446億6000万円へと大きく伸長。一方で、CDやレコード、BD/DVDなどのいわゆるフィジカルメディアは前年度を下回った。また、新型コロナウイルス対策としての入場定員の制限などが緩和されたコンサートなどの「演奏」ジャンルにおいても前年度の徴収額を大きく上回ったという。
また、分配については、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)から受領する授業目的公衆送信補償金について、分配規程を新たに制定。2023年3月分配期から分配を開始するなどした。
加えて、経常費用の支出が予算内に収まる見込みとなったことから、2023年3月分配期に適用する管理手数料実施料率の一部を引き下げ。また、2023年度予算の策定過程において、経常収益が経常費用を上回る見込みとなったことから、2023年度の各分配期に適用する管理手数料実施料率の一部を引き下げることを決定した。
■「音楽教室からの徴収」「BDレコーダーの私的録画補償金追加」などに関する取り組みも
著作権使用料の徴収・分配における2022年度のJASRACの主な活動としては、YouTubeに関する新たな許諾契約の締結や、メタバースでの音楽利用についての告知、放送番組の同時配信サービスに関しての利用者団体や放送事業者との協議などが挙げられる。YouTubeにおいては、管理楽曲の利用状況をより精緻に使用料の分配に反映させることを目的としてContent IDの活用を本格的に開始した。
音楽教室での演奏が著作権使用料の徴収対象になるか否かについての裁判について判決が確定したのも2022年度のこと。音楽教室における教師の演奏および録音物の再生には著作権が及ぶ一方で、生徒の演奏には著作権が及ばないことが確定した。これを受けJASRACでは、手続きの推進に向け、訴訟を提起した音楽教室事業者らで構成される団体との協議を行ったという。
また、8月にはブルーレイディスクレコーダーを私的録画補償金の対象に追加する内容の著作権法施行令改正案について意見募集が実施されたことを受け、改正に賛成する意見を提出するとともに、18の権利者団体と連名で改正を強く支持する旨のプレスリリースを実施。10月には、JASRACが社員として運営に参画している一般社団法人私的録音録画補償金管理協会(sarah)が私的録画補償金についても指定管理団体となり、ブルーレイディスクレコーダー等に係る補償金の徴収開始に向けた準備を進めた。
そのほか、無断複製したDVDをインターネット上のオークションで販売していた事案など計3件の刑事告訴を行うなど、著作物の違法利用に対する活動も。ファイル共有ソフトを利用して音楽ファイルを無断でアップロードしていた事案1件の刑事告訴を行ったほか、リーチサイト・リーチアプリについて、広告主団体に対する広告出稿抑止の要請、広告事業者に対する広告削除の要請も実施するなどした。
また、CISAC(著作権協会国際連合)が実施している「Creators for Ukraine」と連携して、ウクライナのクリエイターらを支援する取り組みも実施。JASRACからは2022年3月25日に1500万円を送金したほか、6月と9月には委託者および役職員から募った支援金合計199万8000円を送金した。これらの支援金はNGO-UACRR(ウクライナの著作権管理団体)の会員や職員への支援等に充てられたという。