裁判官全員一致での判決
「音楽教室での著作権使用料」裁判、JASRACの上告を最高裁が棄却。「生徒の演奏は徴収対象外」判断が確定
音楽教室でのレッスンにおける楽曲使用の著作権使用料について、音楽教室運営事業者とJASRAC(日本音楽著作権協会)が争っていた裁判が、最高裁判所で結審。JASRACからの上告が棄却され、「生徒の演奏は徴収対象にならない」「教師の演奏のみが対象になる」とした高裁判断が確定した。
本件は、2017年、教師であれ生徒であれ音楽教室で演奏される楽曲すべてが著作権使用料の徴収対象になるとした判断したJASRACに対して、ヤマハ音楽振興会を始めとする多数の音楽教室事業者によって構成される「音楽教育を守る会」が裁判に訴えたもの。東京地裁での第一審はJASRACが全面勝訴し、音楽教室側が控訴した第二審では上記の「生徒の演奏は徴収対象にならない」「教師の演奏のみが対象になる」との判決になった。そして、この判決を不服としてJASRACが上告していたが、今回、これが棄却された格好だ。
主な争点は「生徒の演奏に関して音楽教室側が楽曲の利用主体にあたるかどうか」。JASRACは「生徒は教師の強い管理下で演奏し、その生徒の演奏によって音楽教室が経済的利益を得ているのに、生徒は楽曲利用の主体にはあたらない(そのため生徒の演奏分に対しては著作権使用料は徴収できない)という高裁の判断には、法令の解釈適用の誤りおよび判例違反がある」と主張していた。
これに対し最高裁は、「生徒の演奏は技術向上が目的であり、課題曲の演奏はその手段に過ぎない」「教師による伴奏や各種録音物の再生も、生徒の補助にとどまる」と判断。課題曲の選定、演奏の指示・指導についても「生徒の技術力向上を助力するものにすぎない」とし、「生徒は、飽くまで任意かつ自主的に演奏するのであって、演奏することを強制されるものではない」とした。
また、音楽教室の受講料は「演奏技術等の教授を受けることの対価であり、課題曲を演奏すること自体の対価ということはできない」と説明。「これらの事情を総合考慮すると、レッスンにおける生徒の演奏に関し、音楽教室が本件管理著作物の利用主体であるということはできない」とし、裁判官全員一致で上告棄却だと判決。高裁判断を正当であると結論付けた。
本件は、2017年、教師であれ生徒であれ音楽教室で演奏される楽曲すべてが著作権使用料の徴収対象になるとした判断したJASRACに対して、ヤマハ音楽振興会を始めとする多数の音楽教室事業者によって構成される「音楽教育を守る会」が裁判に訴えたもの。東京地裁での第一審はJASRACが全面勝訴し、音楽教室側が控訴した第二審では上記の「生徒の演奏は徴収対象にならない」「教師の演奏のみが対象になる」との判決になった。そして、この判決を不服としてJASRACが上告していたが、今回、これが棄却された格好だ。
主な争点は「生徒の演奏に関して音楽教室側が楽曲の利用主体にあたるかどうか」。JASRACは「生徒は教師の強い管理下で演奏し、その生徒の演奏によって音楽教室が経済的利益を得ているのに、生徒は楽曲利用の主体にはあたらない(そのため生徒の演奏分に対しては著作権使用料は徴収できない)という高裁の判断には、法令の解釈適用の誤りおよび判例違反がある」と主張していた。
これに対し最高裁は、「生徒の演奏は技術向上が目的であり、課題曲の演奏はその手段に過ぎない」「教師による伴奏や各種録音物の再生も、生徒の補助にとどまる」と判断。課題曲の選定、演奏の指示・指導についても「生徒の技術力向上を助力するものにすぎない」とし、「生徒は、飽くまで任意かつ自主的に演奏するのであって、演奏することを強制されるものではない」とした。
また、音楽教室の受講料は「演奏技術等の教授を受けることの対価であり、課題曲を演奏すること自体の対価ということはできない」と説明。「これらの事情を総合考慮すると、レッスンにおける生徒の演奏に関し、音楽教室が本件管理著作物の利用主体であるということはできない」とし、裁判官全員一致で上告棄却だと判決。高裁判断を正当であると結論付けた。