ビデオカメラにも低価格化の波
2万円で買えるソニーのHDカメラ“Webbie” − その実力を会田肇が自腹テスト
そして、本機が持つもう一つの大きな特徴、それは撮影した映像を出掛けた先から簡単にネット上へアップロードできるというものである。今までならPCに接続してYouTubeなどのソフトを立ち上げてアップロードしなければならなかったが、出掛けた先でPCを借りて行うなど実際は不可能に近い。それが本機には「PMB Portable」という、ソニー製ビデオカメラに添付されているソフト「Picture Motion Browser」の簡易版が組み込まれており、本機をUSBケーブルでPCに接続すれば、相手のPCにソフトが入っていなくてもアップロードに必要な環境が整うというわけだ。
本機をPCに接続すると、ドライブとして認識されるのはメモリースティック、内蔵メモリー、それとPMB Portableがある内蔵メモリ領域の3つ。この中からPMB Portableを選ぶと、PCへの保存だけでなく、あらかじめアップロードが可能になるというワケだ。また、このソフトには撮影したファイルを再生する機能も備わっている。別に付属する「Picture Motion Browser」で再生するよりもPCには負担が少なくなるように配慮されているようで、CPUパワーの低いPCでもスムーズな動きを確認することができた。
“WEBBiE”MHS-CM1は、まさに“2万円で買えるHDビデオカメラ"であるわけだが、そのコストパフォーマンスは十分納得がいくものだった。もちろん、画質は日本で発売されているハンディカムのフルHD映像とまともに比較できるレベルではない。撮影条件が厳しくなればなるほど、その差はさらに大きくなる。
しかし、本機は210gという軽量ボディに加えて、どこにでも気軽に持ち歩けるサイズを備えている。今時、ホテルに泊まればPCぐらい常備されているのが当たり前。出掛けた先で撮影した映像を多くの人に見てもらえるという、新たな使い方を提案するビデオカメラでもあるのだ。
春にはポケットにも入る「MHS-PM1」が追加発売される。カメラ部分が違うぐらいで基本機能はMHS-CM1とほぼ同じ。こちらは価格が169.99ドルとさらに安い。これから先、下がった燃油サーチャージ分でアメリカ土産として買って帰る人も増えるのではないだろうか。
(会田肇)