独自開発高品位スピーカーとの相性はいかに
世界初のDTS Premium Suite搭載PC − オンキヨー「E713」シリーズでその実力を試す
E713シリーズの音を支える要素としては、スピーカーに加えてもうひとつ、この製品が世界初の「DTS Premium SuiteTM」搭載PCであることにも注目しなくてはならない。
DTS社は、最近ではBDに採用されるロスレス音声フォーマットDTS-HD Master AudioTMでもよく知られている技術集団だ。音声技術の研究開発と製品化に尽力しているプロフェッショナルである。そのDTS社が、PCのオーディオ環境を改善するトータルオーディオパッケージとして提供するのが、今回E713シリーズにてPCに初搭載※されたDTS Premium SuiteTMだ。
※2010年5月24日現在、DTS,Inc.調べ。PCへの搭載として
DTS Premium SuiteTMの主なテクノロジーには以下のようなものがある。
・高品位なバーチャルサラウンド:DTS Surround Sensation UltraPCTM
・ボリュームバランスの自動最適化:DTS SymmetryTM
・音圧レベル最大化:DTS BoostTM
・PCとホームシアターシステムの連携:DTS ConnectTM
・ロスレスオーディオデコーダー:DTS-HD Master AudioTM
これらの中で、オンキヨーE713シリーズとの組み合わせにより、大きな効果を体感できるのはDTS Surround Sensation UltraPCTMだ。フロント左右のスピーカーだけでサラウンド音場を生成できるほか、一般的なヘッドホンでもサラウンド音場が楽しめるという、いわゆるバーチャルサラウンド技術である。
E713シリーズのオールインワンスタイルのメリットを最大限に享受するのであれば、せっかくならサラウンド再生はリアスピーカーの増設なしで手軽に楽しみたい。バーチャルサラウンド技術を搭載したというE713シリーズの選択は、オールインワンスタイルでの高品位なBD再生を考えたときに、必然的と言えるだろう。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」を中心に効果を確認した。サラウンド空間の表現は実に自然だ。エントリープラグ内の水泡の音。流し込まれるアナウンスやアラーム。そういったものが全方位から押し寄せるが、しかし、定位を大きく振って音数を強引に詰め込んだような、そういった違和感は全くない。「これがサラウンド再生でございます」といわんばかりの作為や強調はなく、音の広がり感も情報量も、すっと届けてくれる感触だ。
台詞も同様に自然だ。フロントサラウンド技術の中には、オンにするとセンターの台詞の輪郭が明らかにぶれるものもある。しかし本機のDTS Surround SensationTMでは、気になるほどの大きな変化はない。
このようにセンターチャンネル成分のナチュラルな再現力だけでなく、効果音=サラウンド感も十二分である。ディスクを再生したまま設定画面で機能のオン/オフを切り替えてみると、オフにした瞬間に、左右にも後方にも広がっていた音場が、画面にしゅっと吸い込まれていくような感覚だ。本機能は飛び道具としてではなく、常用の機能として使うことのできる、完成度の高いサラウンド再生である。
サラウンド収録の音楽はどうかと、「DTS MUSIC DEMO DISC」(BD盤)収録のKing Crimson「Frame By Frame」を試聴した。曲をリードするギターのシーケースフレーズがサラウンドで広げられた空間に配置され、音場に余白が生まれる。結果として他のひとつひとつの音も明瞭に届き、King Crimsonらしい構築感をさらに楽しめる。
なお、同機能はヘッドホン再生時にも適用することができる。スピーカーで音を出しづらい、深夜の映画鑑賞などに活躍してくれるだろう。
ボリュームバランスの自動最適化技術であるDTS SymmetryTMも、様々な場面で効果的だ。この手の機能でよく言われている使い方としては、「テレビの本編とCMの音量差を自動調整してうるさくないように整える」といった活用法がある。しかしPC向けに調整され、PCで楽しめる様々なコンテンツ再生時に働く本機能が活躍する場面は、さらに広範に渡りそうだ。そのわかりやすい一例を挙げるとすれば、YouTube動画を見るような場合である。
YouTubeに投稿されている動画のボリュームレベルは、テレビで視聴する番組間のそれよりもずっと大小のばらつきが大きい。突然の大音量に驚かされたり、周囲に迷惑をかけたり、逆に小音量で聴き取りにくかったりと、このような経験のある方も少なくないだろう。DTS SymmetryTMはネット動画に対しても効果を発揮し、音量を均一化してくれる。
内部的にはゲイン調整やコンプレッサーが働くわけだが、それらは高度な聴覚心理技術に基づいて設定・制御されており、より正確で自然な動作を実現しているのがポイントだ。とはいえさすがに、音楽や映画を聴き込むときに本機能を適用すると、音量・音圧の圧縮感が少し気になる。普段E713シリーズでテレビを視聴したり、動画サイトを見るときにはオンにして、音楽や映画を楽しむ際にはオフと、使い分けるのがよいだろう。
それにしてもDTS Premium SuiteTMの各機能はユーザーのPCエンターテインメントをさらに豊かなものにしてくれそうだ。そしてまた、オールインワンPCとして異例とも言えるほどの高性能スピーカーを搭載するE713シリーズとの組み合わせだからこそ、相乗効果で良好な結果を生み出していると感じさせられた。両社がそれぞれ積み重ねてきた技術と先見性が出会い、ひとつの製品に結実した製品がE713シリーズということだ。
【オンキヨー製品の問い合わせ先】
ONKYO DIRECT
TEL/0570-001900
※2010年5月24日現在、DTS,Inc.調べ。PCへの搭載として
DTS Premium SuiteTMの主なテクノロジーには以下のようなものがある。
・高品位なバーチャルサラウンド:DTS Surround Sensation UltraPCTM
・ボリュームバランスの自動最適化:DTS SymmetryTM
・音圧レベル最大化:DTS BoostTM
・PCとホームシアターシステムの連携:DTS ConnectTM
・ロスレスオーディオデコーダー:DTS-HD Master AudioTM
これらの中で、オンキヨーE713シリーズとの組み合わせにより、大きな効果を体感できるのはDTS Surround Sensation UltraPCTMだ。フロント左右のスピーカーだけでサラウンド音場を生成できるほか、一般的なヘッドホンでもサラウンド音場が楽しめるという、いわゆるバーチャルサラウンド技術である。
E713シリーズのオールインワンスタイルのメリットを最大限に享受するのであれば、せっかくならサラウンド再生はリアスピーカーの増設なしで手軽に楽しみたい。バーチャルサラウンド技術を搭載したというE713シリーズの選択は、オールインワンスタイルでの高品位なBD再生を考えたときに、必然的と言えるだろう。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」を中心に効果を確認した。サラウンド空間の表現は実に自然だ。エントリープラグ内の水泡の音。流し込まれるアナウンスやアラーム。そういったものが全方位から押し寄せるが、しかし、定位を大きく振って音数を強引に詰め込んだような、そういった違和感は全くない。「これがサラウンド再生でございます」といわんばかりの作為や強調はなく、音の広がり感も情報量も、すっと届けてくれる感触だ。
台詞も同様に自然だ。フロントサラウンド技術の中には、オンにするとセンターの台詞の輪郭が明らかにぶれるものもある。しかし本機のDTS Surround SensationTMでは、気になるほどの大きな変化はない。
このようにセンターチャンネル成分のナチュラルな再現力だけでなく、効果音=サラウンド感も十二分である。ディスクを再生したまま設定画面で機能のオン/オフを切り替えてみると、オフにした瞬間に、左右にも後方にも広がっていた音場が、画面にしゅっと吸い込まれていくような感覚だ。本機能は飛び道具としてではなく、常用の機能として使うことのできる、完成度の高いサラウンド再生である。
サラウンド収録の音楽はどうかと、「DTS MUSIC DEMO DISC」(BD盤)収録のKing Crimson「Frame By Frame」を試聴した。曲をリードするギターのシーケースフレーズがサラウンドで広げられた空間に配置され、音場に余白が生まれる。結果として他のひとつひとつの音も明瞭に届き、King Crimsonらしい構築感をさらに楽しめる。
ボリュームバランスの自動最適化技術であるDTS SymmetryTMも、様々な場面で効果的だ。この手の機能でよく言われている使い方としては、「テレビの本編とCMの音量差を自動調整してうるさくないように整える」といった活用法がある。しかしPC向けに調整され、PCで楽しめる様々なコンテンツ再生時に働く本機能が活躍する場面は、さらに広範に渡りそうだ。そのわかりやすい一例を挙げるとすれば、YouTube動画を見るような場合である。
YouTubeに投稿されている動画のボリュームレベルは、テレビで視聴する番組間のそれよりもずっと大小のばらつきが大きい。突然の大音量に驚かされたり、周囲に迷惑をかけたり、逆に小音量で聴き取りにくかったりと、このような経験のある方も少なくないだろう。DTS SymmetryTMはネット動画に対しても効果を発揮し、音量を均一化してくれる。
内部的にはゲイン調整やコンプレッサーが働くわけだが、それらは高度な聴覚心理技術に基づいて設定・制御されており、より正確で自然な動作を実現しているのがポイントだ。とはいえさすがに、音楽や映画を聴き込むときに本機能を適用すると、音量・音圧の圧縮感が少し気になる。普段E713シリーズでテレビを視聴したり、動画サイトを見るときにはオンにして、音楽や映画を楽しむ際にはオフと、使い分けるのがよいだろう。
それにしてもDTS Premium SuiteTMの各機能はユーザーのPCエンターテインメントをさらに豊かなものにしてくれそうだ。そしてまた、オールインワンPCとして異例とも言えるほどの高性能スピーカーを搭載するE713シリーズとの組み合わせだからこそ、相乗効果で良好な結果を生み出していると感じさせられた。両社がそれぞれ積み重ねてきた技術と先見性が出会い、ひとつの製品に結実した製品がE713シリーズということだ。
【オンキヨー製品の問い合わせ先】
ONKYO DIRECT
TEL/0570-001900