高橋敦が徹底テスト
ノートPCの音を良くするならコレ! OlasonicのUSBスピーカー「TW-S7」に注目すべき理由
■USBバスパワー駆動なのに驚きの駆動能力
それではまず技術的な特長を紹介していこう。
パソコンとの接続にはUSBを用いる。多くのパソコン向けパワードスピーカーは、パソコンのヘッドホン出力などを利用したアナログ接続。対してUSB接続はデジタル接続なので音質ロスが少なく、音質面で有利だ。
デジタルで受け取った信号をスピーカーで鳴らすには、スピーカー側でデジタル/アナログ変換という処理が必要となり、その処理の精度も音質に影響する。しかし前述のように、東和電子はその道のプロ。この点にも不安はない。
電源供給能力を持つこともUSB端子の特長だ。TW-S7はUSBバスパワーで駆動するので、ACアダプターの接続や電池交換を必要としない。この点は使いやすさに大きく貢献する。
しかし、USBの電源供給能力は最大5V/500mA=2.5W。本来であれば、スピーカーを力強く駆動するのは無理があるスペックだ。
TW-S7では、コンデンサーという電子部品をうまく利用して、その問題を回避している。同社が「スーパー・チャージド・ドライブ・システム」と呼んでいる技術だ。
コンデンサーというのは、電気の力を一時的に溜め込む電子部品。ここでは、瞬間的に充電・放電する超小型充電池と考えてもらってもよい。
再生する音楽の音量が小さい瞬間には、電力の余裕をコンデンサーにチャージして、音量が大きくなる瞬間には溜めておいた電力を放出する。このシステムによって、2.5Wの供給能力しかないUSBバスパワーを用いながらも、TW-S7のアンプ出力は左右各最大10Wに達している。スピーカーを駆動するのに十分以上の性能だ。
■卵型スピーカーやデフューザーなども高音質化に貢献
アンプ部分だけではなくスピーカー部分も、考え抜かれた設計である。
筐体は卵形。この形は、音質を乱す反射や回折、定在波などの現象の大部分を回避できるという優位性を持つ。それによってフォーカスの決まった、ピシッとした音像を実現。サイズは成人男性の両手で包み込める程度だが、内部容積も十分に確保されている。
そして背面には、パッシブラジエーターと呼ばれる機構が搭載されている。スピーカーユニット本体の振動に共振することで、低音を増強する仕組みだ。手頃なサイズを維持しながらも、低音を不足させないための装備である。
またユニット前面には、音を適度に拡散させるデフューザーというパーツが置かれ、音場の広がりを生んでいる。
実際にパソコンに接続、試聴をしていこう。ノートパソコンの両脇に設置してニアフィールド(近距離)でのリスニングを行った。実際、このタイプのスピーカーは、このようなセッティングで使われることが大半だろう。
また、TW-S7には電源ボタンも音量ボタンもない。いまどきのアンプの待機電力は微少なので、電源をオフにする必要もないのだろう。音量についてはパソコン本体や再生に使うソフトの音量調整で対応できる。余計なボタン類がないのはデザイン的にもすっきりしてよい。
なお、本機をカタログハウス「通販生活」のウェブサイトで購入すると、通常の同梱品に加えて、製品を持ち運べるナイロン製のキャリーポーチと、ブラックのシリコン製台座が特典としてついてくる。購入を検討している人は要注目と言えるだろう。