高画質+録画機能+手頃な価格
一条真人が太鼓判、今が「買い得」のシャープ“AQUOS”DR3/DZ3ライン
続いてDZ3ラインについて見ていこう。DZ3ラインは別売りのUSBハードディスクへの録画に対応し、LEDバックライトを備えていることが特徴だ。20V型から52V型まで幅広い画面サイズを用意し、そのうち52/46/40/32/26V型はUV²Aパネルを備えるなど、画質にも力の入ったモデルとなっている。
■USBハードディスクを最大4台まで増設可能
ハードディスクはごく普通の汎用的なUSBハードディスクを利用できるため、容量あたりのコストパフォーマンスが高い。ちなみにメーカーが動作確認しているドライブはこちらで確認することができる。
今回のテストでは、あえてリストには記載されていなかったバッファローの「HD-CL1.0TU2」という1TBモデルを接続してみたが、問題なく録画・再生することができた。実際には、リスト以外の多くのUSBハードディスクドライブで動作するものと思われる。
ハードディスクに録画するためには、まずAQUOSとUSBで接続し、初期化処理と機器登録を行う必要がある。機器登録は最大16台まで行えるので、大量に録画を行う方でも十分だろう。また本体のUSB端子は1端子だが、USBハブを使うことで同時に4台までのドライブを接続することができる。ちなみに録画に指定できるドライブは1度に1台なので、複数のドライブを接続した場合、録画設定時にドライブを選択する必要がある。
今回使ったUSBハードディスクは、それまでWindowsで使っていたものだったのだが、初期化は1分もかからずに終わった。通常は初期化処理と同時に、自動的に機器登録が行われる。
ちなみにDZ3の録画機能は長時間録画には対応しておらず、デジタル放送のデータをそのまま記録するDR録画となる。1TBのハードディスクに地上デジタルを録画した場合、約120時間の録画が行える。
■上位機譲りの洗練されたユーザーインターフェース
予約録画は番組表から行える。目的の番組を選択し、決定ボタンを押すだけで予約でき、もう一度決定ボタンを押すと詳細を設定できる操作体系はDR3ラインと変わらない。
視聴中の番組を録画するには、リモコンの「録画」ボタンを押せば、現在の番組が終了するまで録画し、番組が終わったら録画が自動で停止される。
再生もファミリンクパネルから「録画リスト」を選択して決定したり、「ホーム」メニューで操作することで、録画番組をリスト表示される。再生したい録画を選択、決定すれば、すぐさま再生が始まる。なお、リストで録画を選択すると画面左にサムネイルが表示され、内容を確認することができる。
■LED+UV²Aパネルの高い性能を活かしたナチュラルな画質
映像の傾向としては、同じくLEDバックライトとUV²Aパネルを搭載したDR3ラインと同じく、素直で明るくコントラストの高い画質という傾向に変わりはない。「LEDスキャン倍速」や「高画質マスターエンジン」、「好画質センサー」なども効果的に働くことを確認できた。
ブルーレイソフトの再生でも十分に高いコントラスト感があり、細部までクリアに描写されている。
音質面では、1ビットデジタルアンプやスピーカーBOXシステム、CMオートボリューム機能など、仕様や機能はDR3とほぼ同等。通常の視聴では全く問題ない音質だ。
なお、このモデルも「お好み画質・音質設定」を搭載しているため、自分好みの画質、音を簡単に設定することができる。
ネットワーク機能もDR3ラインと同じく充実。DLNAクライアント機能に対応しているほか、AQUOS.jpやYahoo! JAPAN for AQUOS、アクトビラビデオ・フル、ひかりTVなどが利用できる。
さらにDZ3ラインはエコ性能も強く意識。テレビの前に人がいないと自動的に節電モードになるムーブセンサーを備える。テレビをつけっぱなしにしたまま他の部屋で用事をしたり、あるいは外出してしまったりしても、自動的に節電モードに移行したり、電源を切るなど、消費電力を削減してくれるのだ。
ほかにも、リモコンに「セーブモード」を備え、このボタンを押すだけで省エネモードに切り替えられるなど、様々な工夫が盛り込まれている。
■万人にオススメできる新世代のスタンダードテレビ
DZ3ラインは、画面サイズが豊富に揃っていることからもお分かりの通り、パーソナルテレビからメインテレビまで、幅広い用途に対応できるテレビだ。
すでに大画面テレビやレコーダーをお持ちの方なら、ベッドルームや個室のテレビの置き換えに、中小型モデルがお薦めできる。USBハードディスクによる録画機能を加えるかは、それぞれの利用スタイルに応じて決めればよい。また使い始めた後であっても、録画機能が欲しいと思ったら、その時にUSBハードディスクを買ってくればよい。
もちろんメインテレビとしても、本機は十分活躍する。あまり録画を行わず、録画した番組のアーカイブもしないという方なら、USBハードディスクによる録画機能で対応すれば良い。
また、録画をヘビーに行い、すでにブルーレイレコーダーを所有しているという方でも、カジュアルに使えるUSBハードディスク録画という選択肢が用意されているのは心強い。
DZ3ラインは、幅広いユーザーにお勧めできる新世代のスタンダードテレビだ。
一条真人 プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。