画質・音質もチェック
いよいよ発売された「iPad 2」の完成度をチェック − iPad 2はホントに“買い”か?
■画質チェック:iPad/iPad 2、画質はほとんど変わらず
画質もチェックしてみた。まず前提となるのは、初代iPadとiPad 2の液晶ディスプレイは、ともにIPS液晶を搭載し、画面解像度も1,024×768と変わらないという事実だ。発表前には画面解像度が一気に4倍になるという噂も流れたため、解像度が変わらなかったことに落胆の声もあったようだが、そのクオリティはどうなのか。
実際に比べてみると、その画質はほとんど変わらない。初代iPadの視野角はかなり広かったが、目視では初代機もiPad 2も、視野角はほぼ変わっていないように思える。また開口率もあまり変わらないようで、解像感という点でもほとんど印象は変わらない。
強いて言うならば、初代機の方が若干色温度が高く、全体的に少し青みがかっている。iPad 2の方が落ち着いた色合いだ。ただし、これは2台を並べて比べてみたとき、はじめて気づく程度の違いであり、個体差の範疇と言えるかもしれない。
なお、iPad 2の発売と同時に「Apple Digital AV Adapter」も発表された。ドック端子に接続し、HDMI出力を可能にするアクセサリーだ。このアクセサリーを使うことで、iPad 2の画面をミラーリングしながら、テレビに同じ画面を出力することが可能になる。このアクセサリーはiPhone 4や初代iPadでも利用可能だが、これらの場合はミラーリングは行えず、テレビ画面のみの表示になってしまうようだ。このアクセサリーについては、別途続報をお伝えしたいと考えている。
■音質チェック:iPad 2はiPadから低音/高音表現ともに進化
イヤホン出力の音質についても初代機とiPad 2を比べてみた。まずはiPodアプリでチェック。使用したのはオスカー・ピーターソン・トリオ「You look good to me」だ。楽曲は44.1kHz/16ビットのWAVで取り込んだものだ。
聴き比べてみると、初代機とiPad 2で音のキャラクターはかなり異なっていた。
iPad 2は、低音がそれなりに沈み、低域の微細な音も高いレベルで描き出す。一方、ブラシの実体感もしっかりと感じられ、トライアングルも高域まで伸びる。解像感はiPad初代機より高いようだ。
一方の初代機はまろやかな音という印象で、S/N感が高い。低音の絶対的な太さもiPad 2より上で、全体的に腰が据わった音。ややぼんやりしている感もあるが、こちらの方が好みという方もいるかもしれない。
iPad 2の処理能力の高さを実感できたのは、FLAC Playerをバックグラウンドで動かし、96kHz/24bitのFLACをデコードして再生しながら、ゲーム「Infinity Blade」をプレイする実験を行ったときだ。
iPad 2ではまったく問題なくゲームを遊べたが、初代iPadではFLAC Playerの音飛びこそ無かったものの、ゲームが途中で落ちてしまった。
■iPad2は現時点でタブレットの最右翼
初代iPadを買いそびれた方は買って損無し
iPad 2の全体的な印象をまとめると、初代機でも十分に完成度の高かったiPadが、さらにブラッシュアップしたという印象だ。初代iPadが欲しかったけどタイミングを逃したという方には、迷わず購入することをオススメしたい。
だが、初代iPadを持っていて、その重さや厚みに不満が無いという方なら、今のところ積極的に買い替えを行う必要は無さそうだ。iPad 2に最適化されたアプリはまだまだ数が少ないし、今後OSがアップデートされたとしても、これまでに2,000万台規模が販売されたと考えられるiPadがサポートから外れることは考えにくい。
もちろんAndroidタブレットという選択肢もある。ご存じのように、XOOMやOptimusなど、Android 3.0を搭載したタブレットが続々と発表されている。また、秋以降にはソニーの「S1」「S2」も控えている。いまはまだネイティブ対応アプリが少ないものの、ラインナップの増加に合わせて、魅力的なものが増えていくだろう。
とは言え、ハードウェアだけでなくOSの洗練度や、アプリの充実度などをトータルで考えたとき、現時点ではiPad 2がタブレットの最右翼であると言って間違いない。