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東芝REGZAの最新モデルをレビュー

驚きの調整メニューを持った「懐の深い」新REGZA − VGP審査員5氏が「ZG2」シリーズを徹底解剖

公開日 2011/07/04 12:34 大橋伸太郎/林正儀/村瀬孝矢/折原一也/岩井喬
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オートもマニュアルも巧みな映像表現力に感嘆させられた
総評/大橋伸太郎


ZG2の特長の一つに、映像調整をした場合の画質の変化の鋭敏さがあった。今回チェックした55ZG2はそれがさらに研ぎ澄まされていた。開発チーム同席で数本の映画BDソフトを視聴したが、技術者との意見交換による調整で本機があたかも生き物のように作品が持つ本来の表現に一体化していく小気味よさに鳥肌が立った。しかも、「この映画のこのシーンはこうしたい」という映像のイメージに至る道筋が一つでなく複数存在し、それらがパラメーター上もつれあったり齟齬をきたすことがない。精密に設計された路線図のように目的地へと迷いなく導くのである。

テレビの世界では数年に一度、現代の映像を丸ごと表現することに挑戦するようなチャレンジングでマニアックな製品が現れる。東芝ZG2がそれである。これはフイルムでなく電気的に変換されたビデオグラムだから、というエクスキューズがここには最早ない。コンテンツのあるべき姿と観る者の感性とイメージにどこまでも寄り添っていくしなやかさ、迫力がある。しかも、従来のレファレンス機と違いオート設定が「この映像はこう見たい」という思いを概ね先取りしてくれている。もしあなたが映像コンテンツの情報に通じたマニアなら、マニュアルモードで積極的に調整することでもっと高画質に出来ますよ、という二面性をZG2は有している。

事実55ZG2を調整することは超高性能スポーツカーを自由自在にコントロールするような快感があった。しかし、それを機械任せの自動操縦にスイッチすることもできるその的確な仕事ぶりを見つめることにも本機を所有する喜びがある。




活躍するステージがさらに広がることを予感させてくれる
総評/林 正儀


レグザエンジンCEVO Duoを得たREGZAのアドバンテージは大きい。その一つがより詳細な画質調整機能を得たことだ。さらなる進化を遂げた超解像関連の項目を始め、多くの項目で画質の追い込みに関わる内容を開放している。筆者が担当したビデオ素材の関係では、通常はオートでよいフィルムモードや原画解像度、プログレッシブ処理をそのコンテンツに合わせ込むことで最高画質が得られることが分かった。今後30pで撮影されたBDソフトも増えることであろう。REGZAの活躍の舞台がさらに広がるのは間違いない。地上デジタル番組、DVDアップコンバート作品といったように、スペックに応じた使いわけが可能なことも魅力だ。




液晶テレビとして現在の時点で明らかにトップレベル
総評/村瀬孝矢


レグザエンジンCEVO Duoと新IPSパネル、LEDバックライト、そして巧みな映像技術が結集した成果がZG2に現れている。Z2も含めての結論だが、いずれも現時点の液晶テレビとしてはトップレベルに位置付けられる出来映えだ。特にエンジンとパネルの進歩が大きく、確実に画質向上の成果があなたも実感できるはずだ。エッジ処理の巧さ、解像度を高めてもノイズを浮かせないテクニック、さらに「映画プロ」モードで分かるように絶妙なガンマ設計など、REGZAの冠に恥じない高画質ぶりなのだ。今回は47型(47ZG2)を中心に視聴したが、サイズ違いの42型、55型ももちろん推奨に値する。設置条件等をふまえてピッタリの一台を選んで欲しい。




デフォルト+αでコンテンツの実力を全て引き出せる
総評/折原一也


強力な映像エンジンを搭載したZG2/Z2シリーズだが、デフォルトだけでも動きの多い音楽番組に余裕で対応するオート画質の完成度の高さに感心した。さらに調整を施した上で、海外制作ソース(欧州サッカー)もAVファンとして満足できる仕上がりを得ることができた。超解像関連技術もいよいよ第6世代まで進化。これも標準のままで普段は問題ないが、特別にノイジーなソースに対して非常に効果的なことが分かった。全体の調整及び個別の調整も自由自在でカスタマイズ性が非常に良い。放送と一口に言ってもソースの特性は千差万別なだけに、画質設定を積極的に開放し、ユーザーのこだわりを反映できるREGZAの自由度の高さは大歓迎だ。




アニメーションでは細部がすっきりしたクリアな映像である
総評/岩井 喬


新たに採用されたブロックノイズやモスキートノイズを抑制するブロックノイズクリアCEVOは特に地上波放送において真価を発揮するものだ。「アニメ」モードでは、それらのNRも含め、最適な値に設定されている。主にセル画調の作品を意識しているとのことであるが、今回のBDパッケージ作品でもNR効果は細部まで行き渡り、すっきりとしたクリアな画質を手に入れることができた。放送を録画したDVD-R/BD-Rなどの再生でもこの恩恵はもちろん得られるわけで、パッケージ作品以上に画質調整機能を有効に活用して、元素材に近い追い込みもできるはず。コアなアニメユーザーであるほどに、本機は使いこなしの幅を感じられる理想のモデルだ。


【製品に関する問い合わせ先】
東芝 テレビご相談センター
TEL/0120-97-9674

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