一条真人の体当たり実験室
「見る」と「撮る」が高次元で融合 − ソニーの録画双眼鏡「DEV-3」を試す
■観察しながら、ここぞという場所で撮影開始できる便利さ
実際にロケで3Dモードでいろいろなものを見ていると、2Dや3Dのビデオカメラで見ている場合よりも映像が格段に緻密に観察できることが実感できた。
これは3Dで見られるからという理由は当然として、ビデオカメラの液晶ディスプレイを明るい環境下で見る場合より、DEV-3のファインダー(122.7万ドットのEVF)で見た方が、条件も解像度も高いためだ。また発色もごく自然で、撮像素子やディスプレイを通した映像という違和感が少ない。
ちなみに倍率は、動画時で2D表示では0.8〜10倍、3D表示で0.5〜5.4倍になる。3D表示では約5倍程度しかないため、数値的にはやや不足感があるが、実際に使ってみると3D表示時の5倍でも、十分遠くにあるものを近くに引き寄せる力があると感じた。また、3D映像によって、今までのビデオカメラなどでは未体験ゾーンの世界が手前に現出する。
最近の光学双眼鏡は倍率が8〜10倍程度のものが多いようなので、2Dモードの場合の10倍というのは、光学双眼鏡と比較しても及第点と言えるだろう。さらに双眼鏡と比較した場合のDEV-3の利点は、言うまでもなく、単純に映像を見るだけでなく撮影も行えることだ。
遠くを観察しながら、ここぞというところで録画、あるいは撮影ボタンを押すだけで、静止画や動画を撮影することができるのは、かなり楽しい。
撮影時のレスポンスもビデオカメラを作り慣れているソニーらしく、問題はない。映像の品位に関しても、フルHD 3DのAVCHD 3Dで撮影でき、3Dビデオカメラ並みのクオリティで撮影できる。
レコーダーに動画を転送し、ソニーの“BRAVIA"HX820で3D映像を視聴してみたが、やや立体感が強調され気味とは感じたものの、2Dとは比べものにならない臨場感が得られ、3D撮影の楽しさを実感させられた。