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『ブラック・スワン』の難シーンをプラズマ“Wooo”はどう再現したか
■プラズマテレビに難しいシーンが多い本作
P50-XP07で最初に感心したことは、プラズマテレビのRGBの残光速度の違いから生ずるトラッキングエラーによる色割れノイズの妨害がほぼ抑圧できていること。これは霧や水煙といった画面を白く覆う映像に色が付くPDP方式特有の弱点で、つい最近までどのメーカーの製品も克服できていなかった。『ブラック・スワン』にもこうした映像があるが、P50-XP07はトラッキングエラーが見られない。
グレインノイズ(粒状感)はクライマックス、ニナの心のダークサイドが<発動>してからより鮮明に現れるが、これをわざわざ足し込んだのは、主人公ニナの心を覆う<霧>を表現したかったからであろう。だから、グレインの粒子が肥大化したり暴れたりしては困るのだが、P50-XP07の場合、ポートマンのクローズアップにじっとりと絡みつき、一体化したような見事な質感である。
P50-XP07は解像感、階調表現共に素晴らしく、ナタリー・ポートマンがさぞかしダイエットに励んで達成したであろう、顔の鋭角的な輪郭と照明で生まれる凄みのある陰影を豊かな立体感を伴って迫真の描写を行う。この映像をナタリー本人に見せたくなったくらいだ。
まさに女優冥利、アカデミー主演女優賞の本作は、これくらいの表現力のディスプレイ(テレビ)で見ないと、主演女優に失礼というものである。最後に調整結果を下記に紹介しておく。
映像モード:シアタープロ
明るさ:0
黒レベル:-4
色の濃さ:-12
色あい:±0
シャープネス:-12
色温度:低
音声モード:シアター
ディテール:切
コントラスト:リニア
コントラストレベル:3
黒補正、LTI、CTI,YNR,CNR、全て切
シネマスキャン:入
Deep Color:入
カラーリミッター;切
色温度調節:する
Rドライブ:0(MAX)
Gドライブ:0
Bドライブ:0
Rカットオフ:0
Gカットオフ:0
Bカットオフ:0
ピクセルマネージャー:オフ
映像クリエーション:切
モスキートNR,ブロックNR:全て切
(大橋伸太郎)