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【レビュー】iPad/iPhoneが3波フルセグテレビに − Softbank「デジタルTVチューナー」を試す
本機の画質は「高画質」「標準」「低画質(帯域節約)」の3モードが用意されている。
まずはiPad 2で視聴した。「高画質」モードでの画質は非常に良好。iPadの解像度は今のところ1,024×768だが、解像度が高い映像を圧縮していることもあり、非常に精細感が高い。ワンセグ放送とはまったく別次元の、HD放送であることを十分実感できるクオリティを実現している。H.264圧縮に伴うノイズなども気にならない。フルセグのクオリティの高さを強く実感させられた。
画質が良いのは、もちろんIPSパネルの実力もあるだろう。視野角が広いこともあり、ゴロ寝しながらなど、やや角度の付いた状態で視聴する場合でも自然な映像を楽しめそうだ。
パネル性能だけでなく、画作り自体もよくまとまっている。彩度やコントラスト、シャープネスなどはいずれも不自然な誇張が無く、ソースをそのまま表示することを主眼に置いた素直な画作りだ。テレビのダイナミックモードを見慣れた方には地味に感じるのではと心配になるほどだが、iPadはOSで画質調整ができないだけに、これは嬉しいポイントだ。
画質モードを「標準」にすると、少しノイズが乗って、映像に破綻が出る部分が増えてくる。特に動きのある映像になると圧縮ノイズが目立ち、ディテールもベタっとする。だが解像感は維持しており、日常用途で、画質をそれほど気にせず見る分には問題なく使えるレベルだ。
低画質(帯域節約)モードにすると、さすがにノイズがかなり目立つ。シーンが切り替わるたび画面全体にノイズがブワっと出るし、動きが激しく情報量の多い番組では、終始圧縮ノイズが画面全体に広がってしまい、画質云々を語るレベルではなくなる。ただしニュースなど映像の動きがあまり大きくない番組ではディテールもある程度残り、問題なく見られた。
続いてiPhone 4Sでも視聴。こちらも非常に好印象だ。iPhone 4/4Sは960×640ピクセルと、iPadに比べて解像度はそれほど変わらない。この画素数が、3.7インチという小画面に凝縮しているのだから、その精細感が高いのは当然だ。実際のデジタル放送の画面も、Retinaディスプレイの性能がフルに発揮された印象で、とてもクオリティが高い。
音声は、5.1ch音声であっても2chにミックスダウンされる。iPad本体のスピーカーで聴く場合はスピーカーが1つしかないのでモノラル音声になるが、イヤホンで聴けばステレオで楽しめる。
なお、音声はイヤホン端子以外から外部出力することはできない。映像の外部出力も当然行えず、キャプチャー操作を検知すると視聴画面がブラックアウトし、アプリを起ち上げ直さなければならなくなる。ちなみにテレビ画面をタップするとボリュームスライダーの脇にAirPlayアイコンが表示され、Apple TVも選択できる。もしかしてApple TVに映像を出力できるかも…と一瞬期待したのだが、試してみると案の定再生できなかった。
■使い勝手を左右する様々な項目をテスト
テレビとして使うのだから、バッテリーの持続時間、電波の到達範囲、チャンネル切替速度などの使い勝手も気になるところ。実際にiPad 2を使って試してみた。