【レビュー】最新スマートフォン 9機種のカメラ性能を一斉テスト！

■照明を落とした室内で人物撮影性能をテスト

次にスマホのカメラが活躍するシチュエーションとして、カラオケや飲食店のような、暗めの照明の室内を設定。人物撮影のテストを行った。

スマホはカメラのようなストロボを搭載しない代わり、暗所撮影を行うためのLEDフラッシュを搭載するのが一般的だ。ただしLEDフラッシュは、発光量という面でストロボの代替手段にはならない。今回はすべての機種でLEDフラッシュを使わずに撮影し、高感度画質をテストした。

なお、撮影時の設定はシーンの自動検出はすべてオート（最適なモードの手動選択は行わない）状態とし、顔認識機能のあるモデルはすべてオンにして、必ず顔を認識した状態でシャッターを切った。


▲“ARROWS X LTE" 「F-05D」。暗部の撮影ながらフラッシュなしで全体を明るく補正することに成功し、人物の肌色、部屋の壁も実際の見た目に近い。精細感もしっかりと保持しながら、ノイズが発生していないことも高評価。評価：★★★★★


▲“GALAXY NEXUS” 「SC-04D」。照度不足で電球色に偏ってしまっている。顔は判別できるものの、背景にはノイズも乗っており、補正も難しそうだ。評価：★★★


▲“Xperia acro HD” 「SO-03D」。補正のレベルは弱めのようで、仕上がった写真も顔が暗く、判別しづらい。ただし無理に色を出していないため、レタッチするなら問題ないだろう。ノイズは感じられるが精細感はある。評価：★★★


▲“GALAXY S II WiMAX”「ISW11SC」。補正は全く行われていないようで、仕上がった写真を見てもほとんど人物を判別できないレベルになってしまった。精細感自体はあるが、レタッチを施すにも難しそうだ。評価：★★☆


▲“Optimus X”「IS11LG」。色は電球色の赤系に大きく引っ張られてしまっており、違和感の大きな画質になってしまった。ノイズも大きくディテールも出ておらず、暗所撮影は苦しい。評価：★★☆


▲“MOTOROLA RAZR”「IS12M」。暗所からの補正は色味のみのようで、室内の人物撮影用としては全く機能していない。ノイズも全体に乗っているものの、フォーカスの合っている箇所には情報量を残している。評価：★★☆


▲「iPhone 4S」。暗所からの補正はやや弱めで、顔を映すにはちょっと苦しい。ノイズリダクションは控え目で、背景にはノイズが多めに残るものの、暗所撮影としては制裁感は非常に優秀。評価：★★★★


▲“AQUOS PHONE”「104SH」。暗部撮影の色補正は高精度。暖色系の暗い照明下で撮影していたのに、蛍光灯の下で肉眼で見たものと同じような色にまで再現していることには、正直言って驚きだ。評価：★★★★★


▲“LUMIX PHONE”「101P」。部屋の暗さに対する補正はしっかりと調整してきているものの、照明下では過剰に赤色が乗ってしまった。ノイズは抑えているがディテールは甘い。評価：★★★★

■暗部での高感度撮影では各モデルで大きな差が出た

照明を落とした室内での人物撮影テストでは、効果的な補正を行えたモデルとそれ以外で大きな差が現れた。見た目に近い色に補正できていたのが、Xperia acro HD、AQUOS PHONE 104SH、LUMIX PHONE 101Pの3機種だった。

他機種は照明の色が被った色合いになったり、照度不足のまま暗く写ったり、高感度撮影になるためノイズが増えたりと、それぞれの弱点があった。全機種共通の傾向として、スマホはコントラストAFのため、特に暗い環境下ではAFの合焦まで時間がかかることが多い。LEDフラッシュなどライトを有効にしておいた方が、撮影時のミスは防げるはずだ。

■裏面照射型モデルが静止画画質で高評価

ARROWS X LTEが写真画質はトップ。風景撮影、暗部での人物撮影ともに精細感があり、低照度撮影でもカラーバランスを外さない。次点にはXperia acro HDを挙げたい。このように、撮像素子に「Exmor R for Mobile」を搭載した2モデルがいずれも高画質という結果となった。

（折原一也）

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いかがでしたか？ スマートフォンのカメラ機能は、その性能や仕様が、かなり大きく異なることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

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