ついに録画対応した上級機が登場
【レビュー】使い勝手や画質をチェック!iPad/iPhoneがフルセグTV/レコーダーになる「録画対応デジタルTVチューナー」
最大5ch同時表示の番組表。録画モードはDR専用
「録画対応デジタルTV(Station TVi)」アプリを起動し、画面下の「番組表」タブを選択すると、放送画面にオーバーレイするスタイルの番組表画面に切り替わる。表示チャンネル数は最大5ch同時表示※となっており、画面下にHDDの残容量が、残り予約可能時間として表示される。
※当初「5ch×3時間の固定番組表」と記載しておりましたが、時間数はピンチイン/ピンチアウトで1〜9時間まで変化します。お詫びして修正致します(7/9)
録画予約は番組をタップして「予約」画面を押せば完了。繰り返し録画も対応し、ラベル名を登録することで分類も行える。ただし一般的なBDレコーダーとは異なり「録画モード」に相当するものが存在しない。本機ではすべてDRモードで録画を行い、視聴時にAVCに変換し、転送する方法を採用しているからだ。
番組表からはジャンル検索が行えるほか、文字入力欄にキーワードを入力することで番組検索も可能だ。検索は番組名だけでなく番組説明も対象となり、地上/BS/CSすべての放送波に対して「ロンドン」で検索して結果が表示されるまで約10秒かかった。なお、ジャンル検索で「スポーツ」を選び、検索結果が表示されるまでは約5秒だった。
このほかにもリモート録画機能を搭載しており、「テレビ王国」のサイトのIDとパスワードを登録することで、PCのブラウザから自宅にある「録画対応デジタルTVチューナー」へ予約を投入できる。ただし、予約の反映はリアルタイムではなく、30分以上の猶予を持って録画予約することを説明書で推奨しているので気をつけてほしい。
「追っかけ再生」も、裏番組視聴も対応
録画した番組の再生は、「録画番組」の画面からタイル形のアイコンとして表示して再生できる。再生画面には「未視聴」「ラベル」「ジャンル」の絞り込みのほか、キーワードによる絞り込みも対応。なお、この絞り込み表示への切り替えは一瞬で完了する。
録画番組をタップすれば再生がスタート。タップから再生開始までのレスポンスは約7秒の待ち時間があった。再生画面ではタイムバーに直接タッチして時間を飛ばせるほか、10秒戻し/15秒時間を飛ばすスキップ機能があるが、映像が動き出すまで約8秒のレスポンスのラグが発生する。15秒飛ばしをしても約7秒の短縮にしかならず、スキップ後の映像が表示されるまでは黒画面が表示されることになるため、よほど映像を飛ばしたい時を除いてはあまりオススメできない。
なお、ダブルチューナーの搭載により番組録画中でも裏番組の視聴もできるほか、録画済み番組の「追っかけ再生」も行える。録画番組の機能制限については、BDレコーダー並みに緩和されているようだ。
今回試用した「録画対応デジタルTVチューナー」へ、BDレコーダーのヘビーユーザーの視点からいくつかリクエストをすると、まずはHDD容量を有効に使うため、AVC録画に対応して欲しいところだ。また、CMスキップのための録画番組の自動チャプターへも、できれば対応してほしいところだ。そして著作権保護の制約上仕方ないことだが、せっかくなら外出先から録画番組を視聴する手段としてiPhone/iPadのフラッシュメモリーに録画番組を転送し、通勤・通学の電車で視聴する機能があればと思ってしまった。また「ながら見モード」も、ウェブブラウザだけでなくTwitterを放送内容と連動して表示し、テレビ番組の内容を実況するような機能があれば、より盛り上がるのではないだろうか。
少々マニアックな機能をリクエストしたくなるのは、逆に言えば、録画・再生の機能、フルセグを受信して視聴した際の画質といった基本性能には、ほとんど不満がないためだ。ひとまずシンプルにデジタル放送を視聴し、録画したいiPhone/iPadユーザーにとって、待望の製品が登場したと言ってよいだろう。
(折原一也)