【レビュー】UI刷新/機能を大幅追加した「iTunes 11」を試す

■文句なく便利な「プレビュー履歴」「レジューム再生」

さて、iTunes Store周りには文句なく便利な機能も追加されている。「プレビュー履歴」だ。名前の通りにiTunes Store内でプレビュー再生した曲や映画の履歴リストを表示してくれるというだけの機能だが、これが地味ながら、実に便利なのだ。

例えば従来は、iTunes Store内をあちこち移動してあれこれと曲のプレビューを聴いていると、いざ「さっきの曲をもう一度聴きたい！」「さっきの曲を買おう！」と思っても、その曲のページに戻るのが面倒だった。しかし「プレビュー履歴」を使えばお目当ての曲にさっと戻れるし、履歴から直で購入もできる。これが快適なのだ。iTunes Storeの弱点のひとつが解消されたと言っても過言ではない。これは諸手を上げて大歓迎の機能だ。さらにこのプレビュー履歴はiCloudによってiOSデバイスとも同期されるので、出先でチェックした曲を帰宅後に改めてチェックして購入といった流れもスムーズだ。

また同じく地味ながら便利で「なぜいままで実現されていなかった…」と思わされたのが、映画やPodcast、iTunes Uの再生位置の同期。これもiCloud経由で実現されている。実際に購入した映画をiPadで再生し、そのあとにiTunesで再生してみたところ、ちゃんとiPad側で再生を停止した場面からiTunes側での再生が開始された。空いた細かな時間を活用して様々なデバイスで映画を見ている人には、特に嬉しい改善だろう。

さて、iTunes 11における大きな変化や機能追加はざっとこんなところだ、個人的なところを述べると、インターフェースの刷新については判断を保留したい。悪くないのでは？という予感はあるのだが、こればかりは、しばらく使い込んでみないとわからない。

一方で追加あるいは強化された機能については、その多くがすぐにその便利さを実感できるものだ。アップデートした方はぜひ活用してほしい。

そしてAppleに期待したいのは、今後の細かな改善だ。今回は久々の本当に大きなアップデートなので、それを受けてユーザーから様々な声が上がると思う。それをできるだけ拾い上げ、細かな点をブラッシュアップしていき、完成度を高めてくれることを望みたい。

（高橋敦）