ブラックモデルも登場
音質とデザインが高次元で融合 − ゼンハイザー「MOMENTUM」を聴く
ドライバーのマグネット部には磁束密度が高いネオジウムを採用。それを収めるハウジングは、マットな輝きを放つブラウンだ。この仕上げが実に好ましい。ヘッドホンでは、あまり使われないカラーリングだが、品よくまとめられており大人っぽい雰囲気を醸している。
柔らかなレザーを使用したイヤーパッドは、程よい弾力もあって耳に優しくフィットしてくれる。また、ハウジング部分とヘッドバンドをつなぐヒンジ部は高精度のステンレスだ。ハウジングをスライドさせることで、頭にフィットさせる機構である。ハガネのように鈍く輝くそれは、ヘッドホンにストイックな印象さえ与えている。ハウジングとのコントラストも眩い。
さらに、ヘッドバンドは通気性の高いレザーで、イヤーパッドと同系色でまとめている。触感もソフトだ。
もっと細かなところにも注目したい。ひとつはプラグ部だ。90°まで自在に曲げることができるのである。だから、たとえばポータブルプレーヤーでは折り曲げてコンパクトに扱うこともできるはずだ。また、ケーブルは左からの片出しタイプで着脱にも対応している。付属のケーブルは2タイプ。1本はiPhoneやiPodなどのiOSに対応したマイク付きリモコンを搭載したもの。あとの1本は一般的なストレートタイプである。
これら各パーツが結晶して、MOMENTUMというひとつのプロダクトを形作っているのだ。配色のバランスも絶妙で、その佇まいだけを眺めただけでも所有欲がかき立てられる。
もうひとつ驚かされたことがある。軽さだ。MOMENTUMのミニマルなデザインや構造は、この側面でも功を奏している。長時間のリスニングでも疲れないのはもちろん、モバイルもしやすいのが嬉しい。なお、専用のキャリングケースも付属している。