リンDSとのネットワーク再生聴き比べも
【レビュー】マランツ「NA-11S1」&ラックスマン「DA-06」 − DSD対応の注目ハイエンドDACを聴き比べる
まずは注目のDSD音源を2機種で聴き比べる。両機種ともMacとの組み合わせではドライバーソフトのインストールが不要で、DSDに対応した再生ソフトがあればすぐに楽しむことができる。DA-06には専用再生ソフト「LUXMAN Audio Player for Mac 1.0.0」が付属するので、MacBook Airにインストールし、DoPモードで再生した。シンプルで使い勝手が良く、動作が安定していることが特徴だ。
MAレコーディングスの「NAMA」は5.6MHzのDSD音源で、文字通り生演奏の雰囲気をそのままパッケージにした生々しいサウンドが聴きどころだ。DA-06で聴くと親密な空気のなか、目の前にミュージシャンが並ぶ現実感があり、手を伸ばせば届きそうな近さにハッとさせられる。オリジナルの柔らかさに声やギターの温かい感触が加わるが、それがこの演奏にはよく似合っている。
次にAudirvanaPlusで同じ音源を再生し、NA-11S1で聴く。NA-11S1は公式には5.6MHz対応を謳っていないのだが、今回の環境では安定した再生ができた。本体ディスプレイの表示がDSD > 2.8となっていることが5.6MHzのDSD信号をデコードしている証だ。
同じアルバムの「Tal」をNA-11S1で再生したサウンドは、楽器が増えたような音数の多さと、アップテンポになる後半の加速感が際立ち、DA-06とは別の側面を垣間見せる。立ち上がりが速く、分解能が高いのに音が硬くならず、むしろ柔らかいことはラックスマンとの共通点で、DSDの美点の一つだ。
■192kHz/24bitのPCM音源でもテスト − 両機の違いはどこに?
PCM信号はビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」の192kHz/24bit音源を聴く。DA-06はベースに原寸大の厚みとボディ感があり、その響きに支えられたピアノの音色がとても柔らかく感じる。角の立った音ではなく、3つの楽器が自然に溶け合う美しさを印象付けるサウンドだ。