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今なお優れた描写力を持つFALCONBRID搭載機 −JVC“Everio”「GZ-G5」レビュー

公開日 2013/03/26 17:00 取材・執筆/会田 肇
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GZ-G5
GZ-G5は「Everio」の最上位に位置するビデオカメラとして昨年2月に登場。約1年が経つが、今もなお、最上位機らしい優れた画質を持ち味とするモデルとして君臨している。そのポイントは大きく二つある。一つはF1.2の明るい高解像度GTレンズと裏面照射CMOSセンサーの組み合わせ、もう一つはJVCとしては初めて1080/60pを実現することをもたらした新世代の映像エンジン「FALCONBRID」の搭載だ。これによって、家庭用ビデオカメラとしては最高水準となる水平解像度1080TV本で動画記録を実現しているのだ。

モニターは3.5型と大きめだが、広げても撮影時のバランスは崩れない。サイズも手頃で女性の手にも余ることはない

F1.2の高解像度GTレンズを搭載し、これが『1080TV本』の源となった。光学ズーム倍率は10倍にとどまる

撮影した映像は目が覚めるような鮮明さで被写体を映し出す。色合いはやや派手目の傾向にあるが、描写力の高さはまさに最上位機にふさわしい。圧巻なのは広角側で捉えた風景画。60pでは細部まできっちりと映し出し、その描写力は家庭用ビデオカメラで撮影したとは思えないほど。一方、夜景撮影では発色が悪くなるものの、夜の雰囲気は良く捉えている。ノイズもしっかり抑えられていた。

風景画で精細感をチェック。樹木の葉っぱの一つひとつが克明に描かれる高精細な映像が得られた

色バランスをチェック。やや派手目な印象だが、カラーノイズも少なく純度の高い描写力が得られた


ライトアップに浮かぶ夜景。ノイズは抑えられているが、解像度が甘くなっている。しかし雰囲気は良く捉えている
レンズの広角端は29.5mm相当とまずまずだが、手ブレ補正をONにすると画角は狭くなり、アクティブモードやパワードアクティブモード時はさらに狭くなる。しかもそのモードを使っても補正効果はイマイチで、徒歩時に発生する斜め揺れも取り切れていない。画角のことを考えれば通常モードで撮影するのがベストのように思う。

全体のバランス感をチェック。発色も程良く、背景もそこそこぼけている。花びらの輪郭の先鋭感に注目!

パンジーの中で可憐に咲く雑草。フワッと浮き上がる豊かな表現力はレンズの素性の良さを物語る

モニターはやや反射が気になるが、情報量はさすが3.5型・92万画素のことはある、細部まできっちりと映し出してくれる。タッチ操作も小気味良く、操作で不満はなかった。動画再生中に静止画ボタンを押すだけで静止画を切り出せるのも便利だ。家庭用ビデオらしく、ペット顔検出&ペットショット、スマイル自動静止画撮影、アニメ撮影機能、フレームインRECなど、撮影して楽しめる機能が豊富なのもイイ。ただ、Wi-Fi機能を搭載するわけでもなく、これといった“飛び道具”もなく、数ある個性的な機種の中に埋もれてしまった感は否めない。とはいえ、本機の真骨頂は優れた描写力にある。映像品位にこだわる人にぜひオススメしたい一台だ。

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