NFC対応でアプリからの操作も
ヤマハのクラシカルなBluetoothクロックオーディオ「TSX-B72」レビュー
■クラシカルなデザインに最先端の機能を搭載したクロックオーディオ
寝室やキッチンなどに置かれることを想定したクロックオーディオシステム、通称“目覚ましスピーカー”には、ほとんど置き時計と変わらないコンパクトなものから大柄なボディをもつ一体型まで、様々なバリエーションがラインナップされている。このヤマハ「TSX-B72(関連ニュース)」も、そんな人気ジャンルにカテゴライズされる製品のひとつだ。
…とはいっても、その外観は結構な個性派。210W×110H×144Dmmという比較的コンパクトな一体型ボディは、旧い時代の輸入ラジオをモチーフにしたかのような、ネオクラシック風のデザインが採用されている。立体感のある塗装や、操作性にも配慮されたノブダイヤルなど、ディテールを重視した細やかな作り込みも含めて、存在感のある、どことなく上質感漂うイメージを身に纏っている。
そのいっぽうで、機能的にはかなり“イマドキ”。AM/FMラジオチューナーは当然のように搭載されているものの、音楽再生のメインとなるBluetoothは、SBCに加えてAACコーデックにも対応。NFCにも対応しており、NFC対応のスマートフォンなどを活用すれば、かざすだけで簡単にペアリングできる。
また、iOSとAndroid版の専用コントロールアプリ「DTA CONTROLLER」も用意され、音量調整や入力切替、ラジオ選局、アラームスケジュール設定などが、使い慣れたスマートフォンやタブレットから簡単に行える。本体上部には充電用のUSBポートも搭載しており、音楽を再生しながらスマートフォンを充電することも可能だ。
■単なる目覚まし代わりではない、“さすがヤマハ”と言いたくなる細やかな中〜高域表現
さて、肝心のサウンドはというと、単なる目覚まし代わりに使うだけではもったいない、なかなかにしっかりしたもの。4cmフルレンジ×2と5.5cmウーファーによる2.1ch構成と、独自の低音再生技術「SR-Bass」の搭載による組み合わせは、とてもナチュラルな帯域バランスを実現しており、コンパクトなボディからは想像できない、芯のしっかりした低音を楽しませてくれる。
そのいっぽうで、中域から高域にかけての表現の丁寧さ・細やかさは、さすがヤマハといいたくなるレベル。ピアノの音などは、十全とまでは行かないものの、響きのピュアな演奏を聴かせてくれる。
正面向いてガッツリ音楽にのめり込む、とまではいかないものの、BGM用途だけではもったいない、ちょっとした音楽リスニング用としても充分に活用できるレベルを持ち合わせているのは確かだ。置き場所を選ばないコンパクトさも含め、なかなかに使い勝手の良い製品だ。
◆野村ケンジ プロフィール
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。
寝室やキッチンなどに置かれることを想定したクロックオーディオシステム、通称“目覚ましスピーカー”には、ほとんど置き時計と変わらないコンパクトなものから大柄なボディをもつ一体型まで、様々なバリエーションがラインナップされている。このヤマハ「TSX-B72(関連ニュース)」も、そんな人気ジャンルにカテゴライズされる製品のひとつだ。
…とはいっても、その外観は結構な個性派。210W×110H×144Dmmという比較的コンパクトな一体型ボディは、旧い時代の輸入ラジオをモチーフにしたかのような、ネオクラシック風のデザインが採用されている。立体感のある塗装や、操作性にも配慮されたノブダイヤルなど、ディテールを重視した細やかな作り込みも含めて、存在感のある、どことなく上質感漂うイメージを身に纏っている。
そのいっぽうで、機能的にはかなり“イマドキ”。AM/FMラジオチューナーは当然のように搭載されているものの、音楽再生のメインとなるBluetoothは、SBCに加えてAACコーデックにも対応。NFCにも対応しており、NFC対応のスマートフォンなどを活用すれば、かざすだけで簡単にペアリングできる。
また、iOSとAndroid版の専用コントロールアプリ「DTA CONTROLLER」も用意され、音量調整や入力切替、ラジオ選局、アラームスケジュール設定などが、使い慣れたスマートフォンやタブレットから簡単に行える。本体上部には充電用のUSBポートも搭載しており、音楽を再生しながらスマートフォンを充電することも可能だ。
■単なる目覚まし代わりではない、“さすがヤマハ”と言いたくなる細やかな中〜高域表現
さて、肝心のサウンドはというと、単なる目覚まし代わりに使うだけではもったいない、なかなかにしっかりしたもの。4cmフルレンジ×2と5.5cmウーファーによる2.1ch構成と、独自の低音再生技術「SR-Bass」の搭載による組み合わせは、とてもナチュラルな帯域バランスを実現しており、コンパクトなボディからは想像できない、芯のしっかりした低音を楽しませてくれる。
そのいっぽうで、中域から高域にかけての表現の丁寧さ・細やかさは、さすがヤマハといいたくなるレベル。ピアノの音などは、十全とまでは行かないものの、響きのピュアな演奏を聴かせてくれる。
正面向いてガッツリ音楽にのめり込む、とまではいかないものの、BGM用途だけではもったいない、ちょっとした音楽リスニング用としても充分に活用できるレベルを持ち合わせているのは確かだ。置き場所を選ばないコンパクトさも含め、なかなかに使い勝手の良い製品だ。
◆野村ケンジ プロフィール
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。