[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第69回】ダイナミック型イヤホンに“新星”あらわる! Dynamic Motion「DM008」を聴く
■サウンドチューニングにはサエクも参加
Dynamicmotionは韓国のメーカーだが、サウンドチューニングには日本の代理店となるサエクも参加している。そもそも韓国と日本で音の好みがどのようにどれだけ異なるかはわからないが、日本の意見も取り入れられているというのは安心感がある。
それらの技術を内に秘める筐体のデザインと仕上げの良さも印象的だ。技術偏重の無骨なデザインではない。特別に凝った形状というわけではないが、それだけに細部の良さが光る。
カラーバリエーションはブラック/ゴールドとホワイト/シルバーを用意。ブラックまたはホワイトの部分が樹脂、ゴールドまたはシルバーの部分がアルミという異種素材の組み合わせは、制振性を高めて音を整えるためだろう。
レビュー用のサンプルはブラック/ゴールドだが、ゴールドといっても金ピカではない。ゴールド(金)というよりはブラス(真鍮)のような落ち着いた輝きだ。目を凝らすと非常に細かなヘアライン仕上げが施されており、それがそのような感触を生み出している。
ケーブルは最近の流行も踏まえてか、フラット型。しかしフラットの向きは一般的には筐体の背面(頭の側面)に対して平行な製品が多いと思うのだが、これは垂直な向き。これも周到なデザインの一部と思われる。
本機のハウジング背面には、右側の筐体には「R」、左側の筐体には「L」の文字を流れるように崩したデザインが施されている。見た目に面白く、美しく、そして左右を見分けやすいという、秀逸なデザインだ。そしてその流れるような文字の流れがそのままケーブルにつながっているのだが、フラットケーブルを前述の向きにすることで、文字の細さとケーブルの細さ(薄さ)がほぼ一致している。心憎いこだわりのデザインだ。
…とまあ色々とたっぷりと語ってきたが、おおよそ語り尽くしたし、読み飽きてきたかと思うので、いよいよ次頁からは音の印象を説明していこう。
次ページいよいよお待ちかねの音質レビュー!シャープな描写と聴きやすさを両立