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【特別企画】バッファローのNASを徹底検証

バッファローのDSD対応NAS「LS421D」はなぜ“オーディオ用”なのか!?

公開日 2013/12/16 10:23 野村ケンジ
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高い利便性こそ魅力のネットワーク再生だからこそ、PCMや圧縮音源と隔たりなく、DSDを普通に再生できるということは非常に重要なことだ。現時点ではDSDネットワーク再生の目新しさに注目が集まっているが、DSDが普及していく上で、他のファイルフォーマットと同様の使い勝手でシームレスに再生できる利便性は大きなポイントである。

バッファロー「LS421D」は、単にいち早くDSDファイルに対応したというだけではなく、DSDの普及を推進していく上での中心的存在なのだ。その点だけでも十分に魅力的で、かつ安心して導入できる製品といえるだろう。

■オーディオ用としての行き届いた配慮に注目したい

しかしながら、「LS421D」のアピールポイントはDSD対応というトピックだけではない。本機は“オーディオ用NAS”という斬新なコンセプトを提案する製品でもあるのだ。


LS421Dの詳細についてお話を伺った(株)バッファロー ビジネス・デベロップメント係 シニアプロダクトプロデューサー オーディオ関連機器担当 荒木甲和氏
これまでNASといえば、パソコン周辺機器としての一般的なタイプか、もしくは業務用サーバー向けの特殊な高額モデルのどちらかを選ぶしかなかった。中には“オーディオ向き”と注目を集める製品もあったが、あくまでもそれは偶然そういう評判になっただけで、オーディオ用に作られているわけではない。よって、妥協しなければならない点は少なからずあった。

一方で「LS421D」は、そもそもからして“オーディオ用NAS”として開発されているため、機能的にも使い勝手の面でもオーディオ用途に適した構成となっているのだ。

筐体は、外観だけなら一般的な2ドライブ収納のNASと大差ない。2TB×2ドライブ搭載されるHDDは初期設定でRAID 1構成・ミラーリングに設定されているなど、大切な音楽データを失うことがないよう配慮されている。

細部に目を向けると。オーディオ用途を想定した様々な仕様が盛り込まれている。荒木氏によると、本機の前世代モデルにあたる“LinkStation”「LS-WV/R1J」では、HDDはそのままスロットに差し込むだけであった。これに対してオーディオ用「LS421D」では、HDDをバネつきマウントで筐体にしっかり固定するように変更され、振動を押さえ込んだという。また、大型の静音ファンを採用することで安定動作と静粛性を両立させている。

CPUやメモリーには、NASに用いるものとしては非常に高性能なものを搭載する。その上で、ウェブアクセス関連やプリンターサーバー機能など、NASにとっては標準だがオーディオ再生に不必要なものはソフトウェア上でオフにして、負荷を軽減。DTCP-IPによる映像配信機能もあえて搭載せず、シンプルなソフト構成とした。こうした仕様により、大容量のハイレゾ音源ファイルを大量に保存しても快適に安定して扱うことができるのだ。

本体側面。正面と側面の間のスリットから吸気を行っている

本体背面。放熱ファンは大口径低回転タイプを採用しており、静音性は高い

「LS421D」と「LS-WV/R1J」では、外観からは色と筐体の一部の形が変わっただけの違いしかわからないが、実は随所にオーディオの視点から考えられた様々な工夫が盛り込まれているのだ

オーディオ専用NAS「LS421D」(左2つ)とベースとなった「LS-WV/R1J」

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