エソテリック×2つの注目スピーカーで音楽を高品位に楽しめるシステムを組む！

■現代の高性能機が失った大切なものを伝えることができる

2機種の対照的なスピーカーを聴き、伝統的な技術の優位性に改めて気づかされた。現代のスピーカーは高性能ではあるが、高性能化の過程で失った部分も少なくない。それを現代に伝えているのが両モデルである。両者のサウンドは大きく異なってはいるが、最終的な到達地点は似たようなところになるのではないだろうか。

以下に、これら2つの組み合わせがどんなオーディオファンにお薦めかをまとめてみた。

【ESOTERIC×TANNOYはこんなファンにお薦め】

伝統的音色と高解像度が高度なレベルで両立 長年のタンノイのオーナーにも聴いてほしい 本機のサウンドはタンノイの伝統を受け継ぐ正統派中の正統派である。単にトールボーイ型の高級機をお考えの方にはお薦めしない。だが、もしも貴方がタンノイの音を愛していて、しかもモダンなデザインのモデルをお望みならば強く推奨したい。また、伝統的なタンノイのオーナーにも聴く機会を作っていただきたい。タンノイの伝統的音色と高解像度が高度なレベルで両立していることに、きっと驚かれることだろう。今回のテストでも確認できたように、本機は使いこなしこそ比較的難しくはないが、組み合わせるエレクトロニクスは高度なものを要求する。システムを完成させるには時間がかかるだろう。その意味でも生涯付き合うに足る名品である。

【ESOTERIC×avantgardはこんなファンにお勧め】

真空管式など小出力アンプでもドライブが可能であり 趣旨に共感できる優れた耳の持ち主に愛用してほしい 本機の中核をなすのは中域のホーンとドライバーユニットである。しかしながら、いわゆるホーン型機的なクセっぽさを求めておられるリスナーにはお薦めできない。本文にも記したように、本機のサウンドはホーン型機としてはあまりにナチュラルだからだ。では、どのような愛好家にお薦めしたいかというと、それは本機の趣旨に共感できる優れた耳の持ち主である。既成概念にとらわれず、本機の音に耳を傾けていただきたい。そうすれば、理想的な音楽の鳴り方にアプローチすることができるだろう。また、本機の能率は100dBを超えているので、古典的な真空管式を含む小出力・高品位なパワーアンプと組み合わせることができる。