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WalkmanやiPod touchとの相性を検証

PHILIPS“Fidelio”「S2」を注目ポータブルプレーヤー4機種と組み合わせテスト

公開日 2014/04/15 10:30 高橋 敦
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iPod touchは、使い勝手の面ではiPhoneと全く同様なので、iPhoneと2台持ちにする場合は違和感なく使える。バッテリー消費が大きな高音質ハイレゾ再生アプリを使いたい場合などにiPhoneと併用するという選択肢もありかもしれない。その場合は音質面でのメリットも大きくなるわけだ。

■「S2」×SONY「NW-F885」

NW-F885(関連ニュース)はハイレゾ対応ウォークマンのエントリーモデル。手頃な価格にウォークマンブランドの安心感、そして実際の出来映えからしても、いま最もおすすめしやすいハイレゾポータブルプレーヤーだ。様々な高音質化機能やノイズキャンセリング機能を搭載するが、今回は全てオフの素の状態でのチェック。

SONY「NW-F885」

印象としては、明快に音が良い! 生真面目に丹念に音を磨き上げたのではなく、要領よくわかりやすく音を作ってあるように思える。通好みの高音質ではなくカジュアルな高音質だ。S2の「音楽的な躍動感」をより強く引き出してくれるので、これは普通に相性が良い。

まず音調が基本的に明るく、湿り気がない。なので声も楽器も抜けが良いし、音場全体の見晴らしも良い。高音側では、ロック系の楽器や録音のちょっと荒くざっくりとした質感の表現が良い具合だ。相対性理論「ミス・パラレルワールド」のシンバルのざらつきやスネアドラムのバシッとくる濁点、前述の二曲のギターのカッティングの軋むようなエッジ感。楽器の倍音成分あたりが、前述の明るさのおかげで際立つ。それはデフォルメと言えばデフォルメなのだが、それがつまり「要領の良さ」「わかりやすさ」だ。

「NW-F885」との組み合わせでは、セミオープン型を採用した本機の魅力である抜けの良さや音場の見晴らしが、さらに際だったと言える。

低音は、安直に量感を強めるようなデフォルメはしていない。輪郭の明瞭さや抜けの良さで、存在感を適切に確保している。ベースのフレーズが見えやすく、アンサンブルの構築感やグルーブ感を感じやすい。多弦ベースの超低域成分も十分に伸びている。

■「S2」×SONY「NW-ZX1」

続いてはハイレゾ対応ウォークマンのフラッグシップ、NW-ZX1(関連ニュース)だ。ソニー最新のデジタル技術はもちろん、切削アルミによる高剛性筐体、大型コンデンサー等による電源の強化等、アナログな手法での高音質化も突き詰めた逸品だ。

SONY「NW-ZX1」

こちらは逆に、要領よくわかりやすく音を作った高音質ではなく、生真面目に丹念に音を磨き上げた高音質。S2の持ち味のうち「音楽的な躍動感」は少し落ち着かせるが、「正確な再現性」はより強く打ち出す。音調としては、音色や全体の艶や湿度感といった要素もしっかり表現することが特長。明るさだけではなく音楽の陰りも感じさせてくれる。

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