<山本敦のAV進化論>第6回
【レビュー】「SLINGBOX 350 HDMI SET」を海外出張で使い倒す − 「リモート視聴」とどっちが便利?
そして何といっても便利なのが、レコーダーのほぼ全機能がリモコンのエミュレーターで動かせることだ。TV SideViewの「リモート視聴」と比較すると、リモート視聴は「外からどこでも視聴」の際には早送り/早戻しの操作ができないが、Sling Playerではリモコン操作で早送り/早戻し、15秒スキップなど、あらゆる再生操作が自由自在に行える。回線速度が安定していれば、操作のレスポンスもそう悪くはないので、録画したドラマもCMを飛ばしながら効率よく楽しめた。
海外まで出かけたのに部屋でTV三昧というのはさすがにヤバい感じがするが、「ディナーまでにちょっと時間があったから、録画しておいたWBSのコメントをチェックしてたよ」ということであれば、逆にエグゼクティブな香りも漂ってくる。
結局4日間の滞在中、結構な時間テレビを見てしまった。特にドラマの録画内容を細切れにチェックしてから寝るのが、リゾート地での一日のハードな(?)仕事を終えてからのささやかな心の支えになった。海外旅行ということであれば、さすがに日本のテレビ視聴は短時間で済ませたいところだが、出張や留学など長期の滞在ということになれば、絶対に欲しいアイテムだと感じた。
TV SideViewによるリモート視聴の場合、機器の仕様上90日間に一度ペアリングをし直す必要があるのだが、SLINGBOXではこのプロセスが不要なので、長期で海外に滞在する方には本機が向いていると言えるだろう。
またSLINGBOXの場合はBS/CSの番組だけでなく、BDやDVD再生までも自宅のレコーダーから飛ばして視聴できる。これも大きなメリットになる。
なお、今回はトルコ航空での旅だったのだが、往復の便ともに、エコノミークラスでもPCやタブレットの電源が取れた。そのうえ、行きの飛行機では確認できなかったのだが、帰りの便ではエコノミーの機内で無料Wi-Fiも使えた。標準画質でも所々再生が途切れる場合もあったが、1時間ドラマの録画や、ライブ放送のスポーツ番組でプロ野球の結果をチェックしたり、機内での時間をとても快適に過ごすことができた。便利な世の中になったものだ。