海上忍が速攻レポート
ついにスタートした「iTunes Match」は日本で受け入れられるか?
■使用感はマッチングが終われば快適そのもの
iTunes Matchの使用感だが、スキャンが無事完了した曲については、iTunes Storeで購入した曲そのもの、と言っていい。フォーマットはAAC/256kbps、曲名をタップすればiCloudからストリーミング配信される(雲ボタンのタップでダウンロード)ので、使用法とクオリティは従来からあるiTunes in the Cloudと同じだ。通信環境にも左右されるだろうが、高速なWi-Fiを利用するかぎり、曲名をタップしてからストリーミングが開始されるまでの時間は短く、ストレスを感じない点はうれしい。
ただし、曲のマッチングにかかる時間は覚悟しておいたほうがいい。サービスイン初日ということもありサーバの負荷が高いのかもしれないが、作業を開始してから6時間が経過した現在もiTunesライブラリにある4049曲のうち914曲しかマッチングが完了していない。筆者は手持ちのCDの10分の1以下しかiTunesに取り込んでいないため、まだ良い方だが、曲データやアートワークをアップロードする時間が加わることもあり、ヘビーユーザーは数日程度の余裕をみておいたほうがよさそうだ。なお、フォーマットはAACとMP3、Apple LosslessにWAVという、iTunesが対応するものであればマッチングの対象となるが、漏れ(iTunes Storeに存在する曲なのにマッチしない)は数件発生していた。
音質はiTunes Storeクオリティ、しかも同期の必要はなく気軽に聴けてどこでも楽しめる……音楽との付き合い方のひとつのあり方として、iTunes Matchが提示する世界観は“アリ”だ。CDを大量にレンタルして(低ビットレートで)iTunesに取り込むユーザが増えそうな予感だが、ここ日本においてレンタルCDを取り込むことはまったく合法であり、そのような使い方も含め、iPhoneで音楽を聴く層にある程度受け入れられることは確かだろう。