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【ロングランレビュー第2回】ジャケ写の高画質表示テクも

QNAPのNAS「HS-210」をDSD対応プレーヤー4機種と組み合わせテスト

公開日 2014/05/13 11:02 山之内 正
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Model 2
PIONEER SC-LX87(AVアンプ)

パイオニアのAVアンプのフラグシップはネットワークオーディオ機能の充実ぶりでも郡を抜く存在で、AVアンプとして初めて5.6MHzを含むDSD音源のネイティブ再生を実現したことでも話題を呼んだ。タブレット上で動作する専用の操作アプリ「iControlAV」と組み合わせたときの選曲操作の使い勝手が大変に優れており、ネットワークプレーヤー専用機並みのレスポンスの良さは特筆に値する。

PIONEER SC-LX87

HD-210と組み合わせたDSD再生でも選曲操作は非常にスムーズで、もちろん耳障りなノイズが発生する心配もない。本機で再生するDSD音源の特徴は音の粒子感をリアルに再現することで、特にジャズやポピュラー系の音源とは抜群の相性の良さを発揮する。オーケストラはステージ上方に抜ける柔らかい余韻の存在を感じさせ、その立体感は見事というしかない。

DSDネイティブ再生を行う場合は「PURE DIRECT」モードを選択する必要がある

PCM音源の再生音は大型スピーカーとの組み合わせでも不満を感じないほどのスケール感を引き出し、オーケストラやピアノの近代作品では音域の広さを強く印象付ける。全奏の迫力は期待以上だが、それに加えて深々とした遠近感を引き出すことにも感心した。バイノーラル録音の空間スケールの大きさも圧巻だ。

Model 3
SFORZART DSP-03(ネットワークオーディオプレーヤ−)

スフォルツァートはネットワークプレーヤーの分野で日本のハイエンドブランドを代表する存在で、電源と本体を別筐体にするなど、こだわりの設計が目を引く。第二弾として昨年登場した本機はDSD音源にいち早く対応したネットワークプレーヤーとしても話題を呼び、2.8MHzだけでなく5.6MHz音源のネットワーク再生もサポートしている。

SFORZART DSP-03

操作アプリは汎用DLNAコントローラーの「ML Player」を推奨しているが、他の操作ソフトでもスムーズに動作することを確認済みだ。動作レスポンスの良さはリンのDSに準じる水準にあり、プレイリストの再生でもストレスを感じさせない。

DSD 5.6MHz再生中のディスプレイ

DSDは5.6MHz音源の再生でも動作にまったく不安はなく、いま録ってきたばかりかと錯覚させるほどの非常に鮮度の高いサウンドを再現した。『NAMA』は複数の楽器のフレーズが精密に噛み合う様子を忠実に再現し、生き生きとしたリズムの動きも自然に浮かび上がってきた。この録音の最大の特徴であるいい意味での「生っぽさ」をとてもリアルに再現したことが印象的だ。

PCMのハイレゾ音源はすべての楽器を克明に描き出す解像感の高さに惹かれる。たんに分解能が高いだけでなく、それぞれの音に実体感を感じさせ、聴き手の耳に積極的に音を届けるアクティブな鳴り方が興味深い。

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