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新機能の「USB-DAC直接接続」も試す

QNAPのNAS「HS-210」× 最新プレーヤー6機種マッチング検証 − マランツ「NA8005」との相性は?

公開日 2014/07/24 11:38 山之内 正
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<組み合わせ2>
LUMIN「S1」

LUMIN「S1」

■DSD再生に対応したハイエンド・ネットワークプレーヤー

「S1」は5.6MHz DSD対応を果たしたLUMINの新フラグシップで、外見は従来の「A1」とほぼ共通ながらDACをはじめとする重要な回路がリファインされている。専用操作アプリはかなり多機能だが、動作のロジックはわかりやすく、Kinskyを使ったことのある人ならすぐに使いこなせると思う。また、Kinskyでも選曲など基本的操作は問題なく行うことができた。

「S1」は電源が別筐体となっている

ハイエンドのネットワークプレーヤーらしく、超低域まで音の振る舞いが曖昧にならず、遠くまで見通せる音場を再現する。特にオーケストラのDSD録音はホールトーンの広がりに制約がなく、深々とした奥行き感を引き出すことに感心した。A1に比べるとすっきりした音調を実現していることに加え、ディテールの情報量でも本機がA1を上回る。微妙な差だが、HS-210との組み合わせからはその違いをはっきり聴き取ることができた。

<組み合わせ3>
LINN「MAJIK DSM」

LINN「MAJIK DSM」

■アンプを内蔵したネットワークプレーヤーの代表的モデル

LINNの「DS」と「DSM」はネットワークプレーヤーの中心に位置する製品群だけに、NASメーカーも動作の検証には力を入れている。今回は人気モデルの「MAJIK DSM」とHS-210を組み合わせたが、音楽サーバーの認識からアルバム一覧の表示まで、動作の安定性と反応の良さは今回の試聴機のなかでトップ水準にあり、信頼性の高さをあらためて確認した。アルバムや曲のスクロールは速いし、他の操作に対しても期待通りに動いてくれるのが気持ちいい。

MAJIK DSMの再生音は内蔵アンプも含めて音色や質感の再現に誇張がなく、しかも音楽の表情をとてもこまやかに伝えてくる。たとえばモンハイトのボーカルはどのフレーズも歌詞と表情が見事に一体になり、聴き手の心を強く揺さぶる。ジャンルを問わず、音楽の本質をダイレクトに引き出すサウンドに魅了される。

<組み合わせ4>
ONKYO「TX-NR838」

ONKYO「TX-NR838TX-NR838」

■DSDを含むネットワーク再生の充実が光るAVアンプ

ONKYOの「TX-NR838」は同社のAVアンプの中核を担う最新機種で、5.6MHzまでのDSD信号に対応するなど、ネットワーク再生機能の充実ぶりが目を引く。HS-210との組み合わせではホームメニューの「DLNA」からPCM、DSDどちらの音源も選曲・再生ができ、画面を見ながらの操作は難しくない。一方、iOS/Androidで操作する「Onkyo Remote」でもそうだが、選曲してから実際に音が出るまで、さらに画像が表示されるまでの待ち時間は他の機種より長めで、操作に一呼吸置く必要がある。これは他のNASでも同様なので、AVアンプ側のソフトウェアの課題であろう。

サウンドについては、ピュアオーディオモードの再生音は演出の少ない落ち着いた音調に好感を持った。DSD音源の再生はPCM変換を経ているが、音像のフォーカスの良さやアコースティック楽器のなめらかな質感にメリットを聴き取ることができた。

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