SHUREやゼンハイザー、カスタムIEMなどと組合せ
オーディオテクニカ新ポタアン「AT-PHA100」×人気イヤホン/ヘッドホン7モデルスクランブルテスト!
オーディオテクニカが初めて手がけたハイクオリティポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)+USB-DACである「AT-PHA100」は、自宅ではPC、屋外では(それぞれデジタル接続用アダプタが別途必要になるものの)iPodやウォークマンを接続して楽しめる、使い勝手の良いサイズ感とポータビリティを特徴としている。特に、サイド部分にレイアウトされたボリュームダイヤルは、操作しやすい大型サイズを実現しつつ、カバンの中に入れたときでも勝手に動いたりすることがない。一方でデスクの上では横に幅広設置できるため、小さすぎてガタついたりすることもないという、絶妙なデザインだ。
しかし「AT-PHA100」最大のアピールポイントといえば、やはりサウンドクオリティだろう。デジタル部の音質の要であるDACは、ESS社製「ES9018K2M」を搭載することで、384kHz/32bit(リニアPCM)&5.6MHz(DSD)対応というハイスペックを実現しつつ、音質面でもの高いクオリティを確保。一方のヘッドホンアンプ部も、プリ段にJRC製MUSEシリーズの新オペアンプ「MUSES 8832」、パワー段に専用設計のディスクリート回路を採用するなど、かなりのこだわりが投入されている。
そこで、今回は「AT-PHA100」と様々なヘッドホンやイヤホンを組み合わせて試聴。「AT-PHA100」の実力のほどを徹底検証すると共に、オーディオテクニカ製品からカスタムIEMまで、様々なイヤホン&ヘッドホンとの相性を確認することにした。是非とも導入の参考にして欲しい。
>>AT-PHA100単体レビューはこちら:
http://www.phileweb.com/review/article/201410/16/1381.html
■オーディオテクニカ ATH-MSR7
音質調整時にこちらの製品をリファレンスとして採用したと思われる、格別の相性の良さ。押し出し感のある、芯のしっかりしたパワフルなサウンドで、ノリのよい演奏を聴かせてくれる。帯域バランスとしてはフラット特性なのだが、中域がしっかりと前にせり出しており、音楽的な表現が豊か。女性ヴォーカルは、少しハスキー系の、大人っぽい歌声を聴かせてくれる。低域、特にボトムエンドのフォーカス感はそれほど高くないが、自然な広がり感をもっているし、中域から低域の上の方(120Hzくらいまで)芯の通った力強いサウンドとなっているため、音楽性を阻害することはない。ベストマッチな組み合わせといえるだろう。
意外だったのが、ゲインはローがベストだったこと。ハイだと、ややジェントルさに欠けてしまい、十全ではないイメージとなる。「MSR7」自身、かなり鳴りやすいヘッドホンなのかもしれない。
■オーディオテクニカ ATH-IM04
オーディオテクニカ製のイヤホンと言えば数多あるものの、今回の試聴でベストと感じたのは「ATH-IM04」だ。こちらも、「AT-PHA100」の開発段階で聴き込んだ様子がうかがえる相性の良さを持ち合わせていた。
サウンドの特徴としては、IM04ならではの解像感が高く、ニュアンス表現のきめ細やかさをあまさずすべて拾い上げてくれるといったイメージ。とにかくニュアンス表現が丁寧で細やか。おかげで、女性ヴォーカルなどはほんのちょっとかすれた、でも響きの心地よい歌声を楽しませてくれる。普段より、幾分多めの感情表現も嬉しい。
一方で、金管楽器は煌びやかながらもやや平面的という、BAならではのクセが露呈するところも興味深い。これは「AT-PHA100」がイヤホンのありのままの音を、ストレートに表現してくれる、と言うことだろう。それでいて、けっして嫌なサウンドキャラクターにならないところが絶妙なところ。「IM04」オーナーにとっては、なかなかベストなチョイスと言えるだろう。
■SHURE SE846
まるで音の洪水。ピュアでストレートな、「SE846」らしさ全開のサウンドが存分に楽しめる。全体的には、ややウォーミーな印象のサウンドキャラクターだが、けっして抜けが悪いわけではなく、高域がとてもピュアな、のびのびとしたサウンドを楽しませてくれる。一方の低域は、塊感のある力強いサウンド。存在感のあるベースやドラムが、パワフルなリズムを刻んでくれている。それでいて、良好なまとまりがあり、演奏に一体感が生まれているから面白い。抜群に良好な相性といえる。
しかし「AT-PHA100」最大のアピールポイントといえば、やはりサウンドクオリティだろう。デジタル部の音質の要であるDACは、ESS社製「ES9018K2M」を搭載することで、384kHz/32bit(リニアPCM)&5.6MHz(DSD)対応というハイスペックを実現しつつ、音質面でもの高いクオリティを確保。一方のヘッドホンアンプ部も、プリ段にJRC製MUSEシリーズの新オペアンプ「MUSES 8832」、パワー段に専用設計のディスクリート回路を採用するなど、かなりのこだわりが投入されている。
そこで、今回は「AT-PHA100」と様々なヘッドホンやイヤホンを組み合わせて試聴。「AT-PHA100」の実力のほどを徹底検証すると共に、オーディオテクニカ製品からカスタムIEMまで、様々なイヤホン&ヘッドホンとの相性を確認することにした。是非とも導入の参考にして欲しい。
>>AT-PHA100単体レビューはこちら:
http://www.phileweb.com/review/article/201410/16/1381.html
==目次== ・オーディオテクニカ ATH-MSR7 ・オーディオテクニカ ATH-IM04 ・SHURE SE846 ・SENNHEISER IE800 ・FitEar Parterre ・JH Audio Roxanne ・SHURE SRH1540 |
■オーディオテクニカ ATH-MSR7
音質調整時にこちらの製品をリファレンスとして採用したと思われる、格別の相性の良さ。押し出し感のある、芯のしっかりしたパワフルなサウンドで、ノリのよい演奏を聴かせてくれる。帯域バランスとしてはフラット特性なのだが、中域がしっかりと前にせり出しており、音楽的な表現が豊か。女性ヴォーカルは、少しハスキー系の、大人っぽい歌声を聴かせてくれる。低域、特にボトムエンドのフォーカス感はそれほど高くないが、自然な広がり感をもっているし、中域から低域の上の方(120Hzくらいまで)芯の通った力強いサウンドとなっているため、音楽性を阻害することはない。ベストマッチな組み合わせといえるだろう。
意外だったのが、ゲインはローがベストだったこと。ハイだと、ややジェントルさに欠けてしまい、十全ではないイメージとなる。「MSR7」自身、かなり鳴りやすいヘッドホンなのかもしれない。
■オーディオテクニカ ATH-IM04
オーディオテクニカ製のイヤホンと言えば数多あるものの、今回の試聴でベストと感じたのは「ATH-IM04」だ。こちらも、「AT-PHA100」の開発段階で聴き込んだ様子がうかがえる相性の良さを持ち合わせていた。
サウンドの特徴としては、IM04ならではの解像感が高く、ニュアンス表現のきめ細やかさをあまさずすべて拾い上げてくれるといったイメージ。とにかくニュアンス表現が丁寧で細やか。おかげで、女性ヴォーカルなどはほんのちょっとかすれた、でも響きの心地よい歌声を楽しませてくれる。普段より、幾分多めの感情表現も嬉しい。
一方で、金管楽器は煌びやかながらもやや平面的という、BAならではのクセが露呈するところも興味深い。これは「AT-PHA100」がイヤホンのありのままの音を、ストレートに表現してくれる、と言うことだろう。それでいて、けっして嫌なサウンドキャラクターにならないところが絶妙なところ。「IM04」オーナーにとっては、なかなかベストなチョイスと言えるだろう。
■SHURE SE846
まるで音の洪水。ピュアでストレートな、「SE846」らしさ全開のサウンドが存分に楽しめる。全体的には、ややウォーミーな印象のサウンドキャラクターだが、けっして抜けが悪いわけではなく、高域がとてもピュアな、のびのびとしたサウンドを楽しませてくれる。一方の低域は、塊感のある力強いサウンド。存在感のあるベースやドラムが、パワフルなリズムを刻んでくれている。それでいて、良好なまとまりがあり、演奏に一体感が生まれているから面白い。抜群に良好な相性といえる。